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★高等部1年生②
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「シャーリー!お母様が領地から王都に来るんだって!スチュワート家にもお茶会にご招待という形でお母様とハノン伯母様が会いに来てくれるの。嬉しい!」
わたしはお母様の手紙を読み終わると手紙をギュッと抱きしめた。
お母様に3年ぶりに会えるのが嬉しくて涙が出た。
理由はわからないけど、わたしがハディッド家の人間である事を他人に知られてはいけないのだと幼い頃から気づいていた。
領地から外へ出ることはなかったし、会いに来るのはハノン伯母様とトム伯父様、従兄のミシェル(わたしの1歳年上)だけだった。
ハディッド領に知らない貴族の人達が泊まりに来るとわたしは隠された。
シャーリーの時は、ハノン伯母様とシャーリーのお母様のマーシャ様が友人だったことでわたしは隠れないで済んだみたいだった。
それに一年以上隣の邸に住めば嫌でもわたしのことがわかるだろうし、さすがに隠れ続けられないしね。
たぶんシャーリー達でなかったらわたしは違う土地に引っ越していただろうと思う。
シャーリーに出会えて新しい世界に出会えたことはとても幸運だと思う。
◇ ◇ ◇
「エイミー、今日はどうする?」
「カイル殿下、今日は行きたいと思っています」
「うん、では僕の馬車に乗るだろう?」
「よろしいのですか?」
「大丈夫だよ。シャーリーに言っておいで」
「ありがとうございます」
わたしは頭を下げて、シャーリーに伝えに行った。
今日は学園の帰りにシャーリーとは別で王宮図書館に向かう予定だった。
お義父様が、図書館に入れる許可証を作ってくれたので、学園に入学してからは暇さえあれば図書館に通っている。
いつもはシャーリーを送ってからもう一度馬車が学園に迎えに来てくれる。
それを知っている殿下は、ついでだからとわたしを王宮まで乗せてくださるのだ。
王宮図書館には学園では読めないものが沢山ある。
特に隣国の書物や歴史書などはここでしか読めない。
わたしは小説も大好きだけど、色々な地方の歴史を知るのがとても好きだ。
その土地であった出来事を知って想像するだけでワクワクする。
たぶんお祖父様が騎士だった時に各地を回り戦っていた時の話を聞かせて貰っていたし、自分が住んでいる場所から離れたことがなかったので知らない土地に凄く興味があるのかもしれない。
「エイミーは本当にここが好きなんだね」
殿下がわたしを見てニコニコ笑う。
「はい、わたし、ずっと田舎で過ごしてきたから王宮に来るとワクワクするんです。図書館はさらにワクワクします。わたしが死ぬまでにここの本を全部読み尽くすのが目標なんです!」
クスクス!殿下が笑った。
「エイミー、それはずっと図書館に住まないといけないね」
「わたしこの王宮図書館の司書になりたいのです」
「エイミーなら大丈夫じゃないのかな?でも君は侯爵令嬢だよね?働くことをご両親は認めてくれるのかな?」
「わかりません……でも学園を卒業して婚約者を作り花嫁修行をして早くに結婚してしまう人生なんて面白くないと思います」
「面白くない?」
「はい、わたしは自分がやりたい事を諦めないで生きていきたい」
「諦めない……できるなら僕も言ってみたい言葉だね」
「あ、、ごめんなさい。殿下はいつも優しくて笑顔で……本当は我慢している事も沢山あるんですよね」
殿下は少し寂しそうに言った。
「僕たち王族は自分の事よりも民のことを一番に考えないといけない。この国をより発展させ国民が少しでも幸せになれるように努力しなければいけないんだ」
「殿下は誰が幸せにするんですか?いつも寂しそうにしていますよね?」
「君はいつも僕を他の人とは違う目で見ているよね。他の人達は、僕を褒めたたえ少しでも甘い汁を吸おうとしているのに…君には僕がどんな風に見えているんだろう」
「よくわかりません。ただいつも笑顔で楽しそうにしているのに、目が笑っていないんです、心からの笑顔を見てみたいと思ってしまうんです」
「目が笑っていない?……心からの‥笑顔?」
「はい、殿下お腹を抱えて笑ったことがないでしょう?」
「‥‥それは‥まず出来ないね‥」
「そうですよね。殿下一度でも心から笑ったら何か変わるかもしれません。もしお時間がありましたら一度シャーリーの屋敷に遊びに来ませんか?心から笑えるかはわかりませんが非日常は味わえると思います」
「もしも機会があれば行ってみたいね」
「ぜひお待ちしております」
ふふ。
二人で笑いながら話を終えて、本を読み始めた。
わたしはお母様の手紙を読み終わると手紙をギュッと抱きしめた。
お母様に3年ぶりに会えるのが嬉しくて涙が出た。
理由はわからないけど、わたしがハディッド家の人間である事を他人に知られてはいけないのだと幼い頃から気づいていた。
領地から外へ出ることはなかったし、会いに来るのはハノン伯母様とトム伯父様、従兄のミシェル(わたしの1歳年上)だけだった。
ハディッド領に知らない貴族の人達が泊まりに来るとわたしは隠された。
シャーリーの時は、ハノン伯母様とシャーリーのお母様のマーシャ様が友人だったことでわたしは隠れないで済んだみたいだった。
それに一年以上隣の邸に住めば嫌でもわたしのことがわかるだろうし、さすがに隠れ続けられないしね。
たぶんシャーリー達でなかったらわたしは違う土地に引っ越していただろうと思う。
シャーリーに出会えて新しい世界に出会えたことはとても幸運だと思う。
◇ ◇ ◇
「エイミー、今日はどうする?」
「カイル殿下、今日は行きたいと思っています」
「うん、では僕の馬車に乗るだろう?」
「よろしいのですか?」
「大丈夫だよ。シャーリーに言っておいで」
「ありがとうございます」
わたしは頭を下げて、シャーリーに伝えに行った。
今日は学園の帰りにシャーリーとは別で王宮図書館に向かう予定だった。
お義父様が、図書館に入れる許可証を作ってくれたので、学園に入学してからは暇さえあれば図書館に通っている。
いつもはシャーリーを送ってからもう一度馬車が学園に迎えに来てくれる。
それを知っている殿下は、ついでだからとわたしを王宮まで乗せてくださるのだ。
王宮図書館には学園では読めないものが沢山ある。
特に隣国の書物や歴史書などはここでしか読めない。
わたしは小説も大好きだけど、色々な地方の歴史を知るのがとても好きだ。
その土地であった出来事を知って想像するだけでワクワクする。
たぶんお祖父様が騎士だった時に各地を回り戦っていた時の話を聞かせて貰っていたし、自分が住んでいる場所から離れたことがなかったので知らない土地に凄く興味があるのかもしれない。
「エイミーは本当にここが好きなんだね」
殿下がわたしを見てニコニコ笑う。
「はい、わたし、ずっと田舎で過ごしてきたから王宮に来るとワクワクするんです。図書館はさらにワクワクします。わたしが死ぬまでにここの本を全部読み尽くすのが目標なんです!」
クスクス!殿下が笑った。
「エイミー、それはずっと図書館に住まないといけないね」
「わたしこの王宮図書館の司書になりたいのです」
「エイミーなら大丈夫じゃないのかな?でも君は侯爵令嬢だよね?働くことをご両親は認めてくれるのかな?」
「わかりません……でも学園を卒業して婚約者を作り花嫁修行をして早くに結婚してしまう人生なんて面白くないと思います」
「面白くない?」
「はい、わたしは自分がやりたい事を諦めないで生きていきたい」
「諦めない……できるなら僕も言ってみたい言葉だね」
「あ、、ごめんなさい。殿下はいつも優しくて笑顔で……本当は我慢している事も沢山あるんですよね」
殿下は少し寂しそうに言った。
「僕たち王族は自分の事よりも民のことを一番に考えないといけない。この国をより発展させ国民が少しでも幸せになれるように努力しなければいけないんだ」
「殿下は誰が幸せにするんですか?いつも寂しそうにしていますよね?」
「君はいつも僕を他の人とは違う目で見ているよね。他の人達は、僕を褒めたたえ少しでも甘い汁を吸おうとしているのに…君には僕がどんな風に見えているんだろう」
「よくわかりません。ただいつも笑顔で楽しそうにしているのに、目が笑っていないんです、心からの笑顔を見てみたいと思ってしまうんです」
「目が笑っていない?……心からの‥笑顔?」
「はい、殿下お腹を抱えて笑ったことがないでしょう?」
「‥‥それは‥まず出来ないね‥」
「そうですよね。殿下一度でも心から笑ったら何か変わるかもしれません。もしお時間がありましたら一度シャーリーの屋敷に遊びに来ませんか?心から笑えるかはわかりませんが非日常は味わえると思います」
「もしも機会があれば行ってみたいね」
「ぜひお待ちしております」
ふふ。
二人で笑いながら話を終えて、本を読み始めた。
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