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★ 高等部1年生

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中等部から高等部へ入学した。

高等部へ行くにはやはり入学試験がある。
わたしは、中等部3年生の間、時間が許される限り勉強をした。

3年生になってからは何度かアランに2位の座を奪われたので入学試験は必ず2位で入学するつもりだ。

どうして1位を狙わないかって?

それはカイル殿下が満点を全教科取ってしまうからだ。
さすがに殿下が三年間オール満点なんか取るから1位を取りにいこうなんて考えられなかった。

わたしはほぼ100点なんだけどたまに間違いがある。
まあ、たまにはあるよね、うん、オール満点なんて無理!

なのでいつもアランと競い合うことになる。最近はイザベラとシャーリーも混ざっていつも四人で競い合っている。


◇ ◇ ◇

中等部3年生の終わりの試験発表の日


「エイミー、結果が張り出されているわ。見に行きましょう」

わたしはイザベラとシャーリーと三人で結果発表を見に行った。

ちなみに合格ラインより下の子はこの学園を去ることになる。
落ちた子たちは他の高等部の学校の試験を受けるか諦めて仕事につくか、女の子なら結婚することになる。

そして、結果は見事に2位だった。
ただし、アランと同位だった。

同位なのに先にアランの名前が書かれていて次がわたし。
腑に落ちない。
うん、納得いかない。
気に入らない。

「アラン、次は勝ってあげるから待ってなさい」

アランが後ろの方で女の子達に囲まれていたので、わたしは振り向きざまに右手の人差し指でアランをビシッと指差して言った。

「今度こそ貴方に勝ってやる!」

わたしは、女の子たちがコソコソと話しているのを無視して教室に戻った。

カイル殿下はいつものようにわたしの隣の席にいる。

「やあ、今日もアランとやりあったのかい?」

「殿下、違いますわ。エイミーが勝手に突っかかって行ったのです」
シャーリーが横から言ってきたので

「だって、点数は一緒だし順位も一緒なのに書かれている順番がわたしのほうが後だったの!」
わたしが真剣に怒っていると殿下が笑い出した。

「うん、やっぱりエイミーは僕に一日の活力を与えてくれるよ」

わたしは殿下の言葉の意味がわからなくて「それはよかったです⁈」
と一応答えた。

◇ ◇ ◇

中等部では三年間カイル殿下が隣だった。
でも今年は何故かアランが右隣にいる。
反対の左隣の席には殿下がいてくれるので良かったけど、右側がゾクッとする。

後ろを振り返ると、女の子たちの冷たい、いやかなり突き刺さる冷たい視線が私の背中の右側に突き刺さっている。

(い、痛い)
アランは女の子にとても人気がある。
今年はAクラスは30名、そのうち女子は17名もいる。
その中の半分はアランファン、多し。

わたしはアランの方は見ないようにして関わらないように過ごすことに決めた!

左側の殿下とはずっと仲良しさんなのにあんな冷たい視線を受けたことがない。
わたしと殿下では誰が見ても焼きもちを焼くような関係に見えないのだろう。

でもわたしは殿下に熱い友情は感じている。
殿下の隣はとても温かくて穏やかでわたしの心を落ち着かせてくれる。

「エイミー、今年も隣の席だね。よろしくね」
殿下はいつものにこにこした笑顔でわたしを見た。

「殿下、今年もよろしくお願いします」
わたしも大好きな殿下に笑顔で答えた。

すると反対の席から嫌な声が聞こえてきた。

「エイミー、初めて隣の席だね。僕の邪魔にならないように静かにしてね」

わたしはアランを見ないように正面を向いたまま、答えた。

「アラン、わたしは貴方が話しかけてこなければ貴方とお話するつもりはないわ!
だから大丈夫よ」

「……了解」
わたしの高等部1年生が始まった。









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