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★ 中等部3年生
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15歳になった。
来年は社交界デビューの年でもある。
学校でのダンスパーティーにも今年から参加が出来る。
家に帰る度にお義母様は、わたしのドレス選びや宝石選びと忙しい。
早めに準備しないと間に合わないんだって。わたしは既成のドレスで十分なんだけどね。
今年はメイも中等部に入り、寮で過ごしている。
と言っても気づけばシャーリーの屋敷にお邪魔してわたしの部屋で過ごしていることも多い。
最近は忙しくて、ボガードの邸に帰るのは月に2回くらいになった。
メイはまだ1年生なので毎週必ず帰るのは両親との約束。
いつも
「一緒に帰りましょう」
と言ってくる。
でも最近成績をアランに抜かされた。
それも2回もよ!
今わたしは3位なの、とっても悔しい。
だからシャーリーの屋敷で必死に勉強をしているの。
カイル殿下は頭が良すぎて負けても仕方ないけど、アランにだけは負けたくないの。
だってだって
「成績もダメ。女の子としてもダメ。いいところあるのか?」
なんて意地悪言うのよ!
この前までわたしの方が成績上だったのにとっても悔しい。
お義兄様は高等部の2年生なの。
わたしのお勉強に付き合って、シャーリーの屋敷に来てわたしとシャーリーのお勉強を教えてくださることもあるの。
「お義兄様、メイに厳しすぎるのでは?」
「メイは甘えてばかりですぐに人に頼るだろう?本人にとって良くないと思うんだ」
シャーリーが言った。
「どこもお兄様は妹に厳しいと思うわ」
「ええ?アーサー様は優しいわ。いつもチョコレートをくださるわ」
わたしが褒めるとシャーリーは死んだ魚の目をわたしに向けた。
「チョコレートで餌付けされないでちょうだい。お兄様の本当の怖さを知らないからよ!」
「どんなことされるの?」
「小さい頃は怒らせたらわたしを物置小屋に入れるの。泣いて謝まるまで絶対に許してくれないの。悔しくて謝らなかったら朝から夕方まで閉じ込めたのよ」
「それで謝ったの?」
「勿論謝らなかったわ、そしたらお母様が助けてくださったの」
お兄様怖し!
ほんとの兄妹ってやっぱり遠慮がないから言い合えるし、そんなこともできるのよね。
羨ましいわ。
◇ ◇ ◇
「テストの結果はどうだった?」
3年生になってから仲良くなった殿下と反対の隣の席のイザベラ・ヴァロマ公爵令嬢が話しかけてきた。
「今回は自信があるわ。イザベラは?」
「私も今回は手応えがありましたわ」
「打倒アランよ!今回は2位を死守よ!」
反対の席のカイル殿下が笑い出した。
「エイミー、2位死守するのはいいけど、1位になりたいとはいつも言わないよね?1位にはなりたくないの?」
「殿下、貴方の頭にわたしはなりたい」
真剣な顔して言ったら、シャーリーがまたお詫びを言い出した。
「カイル殿下いつもいつもうちのエイミーが申し訳ありません」
わたしは殿下を褒めたつもりだった。
「今日のは謝らなくてもよくないかしら?」
シャーリーが真面目な顔して言った。
「エイミー、よくはありません」
「シャーリー、大丈夫だよ。僕も一度エイミーの頭になってみたいよ。毎日が楽しそうだからね」
殿下が失礼なことを言っているわ。
「殿下、わたしも毎日は楽しくありません。特に例のアイツと話をした日は特に一日嫌な気分になります」
わたしは至って真面目に答えた。
「エイミー、僕と一緒だね。僕も例のあの子と話すと一日嫌な気分になるんだ」
横から話に入ってきたのはまたもやアランだった。
「アラン、大変ね。例のあの子と仲が悪いのかしら?」
「エイミー、例のアイツは、たぶん君のことなんて興味もないと思うよ」
「「貴方たちいい加減にしなさい」」
シャーリーとイザベルが怒り出した。
「ごめんなさい。ついむきになっちゃった。例のアイツが子供っぽいから」
「例のあの子に比べたらマシだと思うよ」
殿下がわたしとアランの口喧嘩を聞いて突然言い出した。
「ねえエイミー、そしてアラン。君たちは喧嘩するけどかなり息が合ってるよね?」
「「合ってないと思います」」
わたしとアランの声が被った。
「ね?合っているだろう」
「「・・・・・」」
「僕からの提案なんだけど、君たち二人が2か月後の学園主催のダンスパーティのパートナーになったら面白いと思わないかい?」
わたしは驚きすぎて声が出なかった。
「……!な、な……に……」
アランは苦笑いをして殿下に頭を下げた。
「カイル殿下、それは御命令ですか?」
「うん?違うよ。僕からの提案だよ」
(((殿下、駄目です。殿下が言っちゃうと提案は命令と一緒なんだから…断れなくなるじゃない)))
わたし達女子は、みんな心の中で思った。
「殿下のご提案で有れば喜んでお受けします」
アランが頭を下げて提案を受けた。
「………な、……うけ………だめ…もごっもごっ」
わたしがアランに文句を言おうとしたら、わたしの口をシャーリーが手で押さえた。
「殿下、エイミーも喜んでお受けするそうです」
(受けてない!)
叫ぶのに言葉にならない。
(手で押さえられて話せないの、殿下!
わたしのこの顔と状況で察してください!)
来年は社交界デビューの年でもある。
学校でのダンスパーティーにも今年から参加が出来る。
家に帰る度にお義母様は、わたしのドレス選びや宝石選びと忙しい。
早めに準備しないと間に合わないんだって。わたしは既成のドレスで十分なんだけどね。
今年はメイも中等部に入り、寮で過ごしている。
と言っても気づけばシャーリーの屋敷にお邪魔してわたしの部屋で過ごしていることも多い。
最近は忙しくて、ボガードの邸に帰るのは月に2回くらいになった。
メイはまだ1年生なので毎週必ず帰るのは両親との約束。
いつも
「一緒に帰りましょう」
と言ってくる。
でも最近成績をアランに抜かされた。
それも2回もよ!
今わたしは3位なの、とっても悔しい。
だからシャーリーの屋敷で必死に勉強をしているの。
カイル殿下は頭が良すぎて負けても仕方ないけど、アランにだけは負けたくないの。
だってだって
「成績もダメ。女の子としてもダメ。いいところあるのか?」
なんて意地悪言うのよ!
この前までわたしの方が成績上だったのにとっても悔しい。
お義兄様は高等部の2年生なの。
わたしのお勉強に付き合って、シャーリーの屋敷に来てわたしとシャーリーのお勉強を教えてくださることもあるの。
「お義兄様、メイに厳しすぎるのでは?」
「メイは甘えてばかりですぐに人に頼るだろう?本人にとって良くないと思うんだ」
シャーリーが言った。
「どこもお兄様は妹に厳しいと思うわ」
「ええ?アーサー様は優しいわ。いつもチョコレートをくださるわ」
わたしが褒めるとシャーリーは死んだ魚の目をわたしに向けた。
「チョコレートで餌付けされないでちょうだい。お兄様の本当の怖さを知らないからよ!」
「どんなことされるの?」
「小さい頃は怒らせたらわたしを物置小屋に入れるの。泣いて謝まるまで絶対に許してくれないの。悔しくて謝らなかったら朝から夕方まで閉じ込めたのよ」
「それで謝ったの?」
「勿論謝らなかったわ、そしたらお母様が助けてくださったの」
お兄様怖し!
ほんとの兄妹ってやっぱり遠慮がないから言い合えるし、そんなこともできるのよね。
羨ましいわ。
◇ ◇ ◇
「テストの結果はどうだった?」
3年生になってから仲良くなった殿下と反対の隣の席のイザベラ・ヴァロマ公爵令嬢が話しかけてきた。
「今回は自信があるわ。イザベラは?」
「私も今回は手応えがありましたわ」
「打倒アランよ!今回は2位を死守よ!」
反対の席のカイル殿下が笑い出した。
「エイミー、2位死守するのはいいけど、1位になりたいとはいつも言わないよね?1位にはなりたくないの?」
「殿下、貴方の頭にわたしはなりたい」
真剣な顔して言ったら、シャーリーがまたお詫びを言い出した。
「カイル殿下いつもいつもうちのエイミーが申し訳ありません」
わたしは殿下を褒めたつもりだった。
「今日のは謝らなくてもよくないかしら?」
シャーリーが真面目な顔して言った。
「エイミー、よくはありません」
「シャーリー、大丈夫だよ。僕も一度エイミーの頭になってみたいよ。毎日が楽しそうだからね」
殿下が失礼なことを言っているわ。
「殿下、わたしも毎日は楽しくありません。特に例のアイツと話をした日は特に一日嫌な気分になります」
わたしは至って真面目に答えた。
「エイミー、僕と一緒だね。僕も例のあの子と話すと一日嫌な気分になるんだ」
横から話に入ってきたのはまたもやアランだった。
「アラン、大変ね。例のあの子と仲が悪いのかしら?」
「エイミー、例のアイツは、たぶん君のことなんて興味もないと思うよ」
「「貴方たちいい加減にしなさい」」
シャーリーとイザベルが怒り出した。
「ごめんなさい。ついむきになっちゃった。例のアイツが子供っぽいから」
「例のあの子に比べたらマシだと思うよ」
殿下がわたしとアランの口喧嘩を聞いて突然言い出した。
「ねえエイミー、そしてアラン。君たちは喧嘩するけどかなり息が合ってるよね?」
「「合ってないと思います」」
わたしとアランの声が被った。
「ね?合っているだろう」
「「・・・・・」」
「僕からの提案なんだけど、君たち二人が2か月後の学園主催のダンスパーティのパートナーになったら面白いと思わないかい?」
わたしは驚きすぎて声が出なかった。
「……!な、な……に……」
アランは苦笑いをして殿下に頭を下げた。
「カイル殿下、それは御命令ですか?」
「うん?違うよ。僕からの提案だよ」
(((殿下、駄目です。殿下が言っちゃうと提案は命令と一緒なんだから…断れなくなるじゃない)))
わたし達女子は、みんな心の中で思った。
「殿下のご提案で有れば喜んでお受けします」
アランが頭を下げて提案を受けた。
「………な、……うけ………だめ…もごっもごっ」
わたしがアランに文句を言おうとしたら、わたしの口をシャーリーが手で押さえた。
「殿下、エイミーも喜んでお受けするそうです」
(受けてない!)
叫ぶのに言葉にならない。
(手で押さえられて話せないの、殿下!
わたしのこの顔と状況で察してください!)
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