【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

文字の大きさ
上 下
6 / 94

★ エイミー、ボガード家に住む

しおりを挟む
わたしが、学園へ行くことが決まってからしばらくして、シャーリーはおばさまの体調が落ち着いたので王都の公爵邸へ帰って行った。

次は王都で会おうと約束したわ!

わたしはお祖母様と、王都の少し外れに位置するウォーリー街にあるボガード侯爵家へ向かった。

ハディッド領から王都のボガード侯爵家までは馬車で5日程かかる。
初めての遠い距離の馬車の旅はワクワクしたけど、半日もしたら飽きちゃった。

だって外を見ても草原や田園風景だし、ずっと座っているとお尻が痛いし、走り回れないし、することないし、つまんない!

我慢して我慢してやっとボガード侯爵邸へ着いた時には、何にもしてないのにヘトヘト!

ボガード侯爵邸は、ハディッド邸なんかよりも立派で綺麗だった。

広さだけなら田舎のハディッド邸が勝ったかも!
邸の周辺には森もあったし湖もあったし動物や鳥もいたしね。


馬車を降りて屋敷に招かれた。

すぐに見知らぬお祖父様が現れた。

「初めまして、エイミー・ハディッドです。よろしくお願い致します」

ご挨拶すると、笑った顔がお祖母様に少し似ていた。

「初めまして、エイミー。これからは君のお祖父ちゃんになるんだよ、よろしく」

柔かに笑ってわたしに手を差し出した。

わたしは握手をした。

お祖母様はお義祖父様と抱き合って再会を喜んでいた。

そのあとお義父様とお義母様になる二人とご挨拶した。
お義父様の名はクラーク・ボガード様

お義母様の名はリリアン・ボガード様

わたしの義兄妹になる二人は

義兄 ラオール・ボガード さま14歳
国立王都学園中等部2年生で寮に入っている

ボガード邸から王都学園までは馬車で1時間半かかるので寮に住んでいる。

義妹 メイ・ボガード 10歳 

とっても可愛いの!

そしてお義祖父様はハーパー・ボガード様
お義祖母様は亡くなってるの。

わたしは王都学園に入学するまでの5か月間をここで過ごすことになっている。

お祖母様も一緒だから寂しくはないわ。

寝る時にちょっとお母様に会いたくなるのはお祖母様には内緒なの。



◇ ◇ ◇


メイとはすぐに仲良くなったの。

メイは、ちょっぴり恥ずかしがり屋さんなんだけど、私の後をついて来るの。

お庭の探検をしたり、邸でかくれんぼしたり、時にはメイドのおやつタイムに混ざって一緒にお茶をしたりして過ごしたわ。

「エイミー、今日はダンスのお稽古をしましょうね」
お義母様は、お母様よりちょっと、ちょっとだけ厳しいの。
でも、淑女の嗜みだから頑張る!!

「エイミー、お義母様に内緒で街に行こう!」
と言ってメイとわたしを遊びに連れて行ってくれるのはお義父様なの。

お父様がいなかったので知らなかったけどお義父様って優しくて楽しくて!大好きになっちゃった。
特にケーキやチョコレートを食べさせてくれるから大好き!


「エイミーは勉強は得意なんだね」
お義父様がお勉強を教えてくれた時に言われた。

「お勉強は大好き。今まで知らなかったことを知るのって楽しいもの。
でも得意かどうかはわからないわ」

「エイミーは好奇心旺盛だからな」

「だって王都ってハディッド領とは全然違うのよ!大きなお屋敷も沢山あるし国王陛下がいらっしゃるお城なんかものすっごく大きくてびっくりしたわ!
王城にある図書館にいつか行ってみたいの!」

「いつでも行けるよ。君が行きたいなら?」
お義父様はなんでもないことのように言われた。

「嘘ばっかり!簡単に入れないことくらい知ってるわ」

「君は侯爵令嬢なんだよ。きちんと当主が申請して許可が下りれば許可証をもらえる。そしたらいつでも行けるんだよ」

「ぼくは、王城で文官としても仕事をしているからね。許可は下りるよ」

「お義父様、大好き!愛してる!天才⁉︎」


「図書館に行かせてあげれるだけで、僕は君から愛の告白を受けられるなんて嬉しいね」

「貴方、浮気はダメよ」

お義母様がクスクス笑った。

「大丈夫、愛しているのは君だけだから」

「お父様、わたしのことは愛してないの?」

メイが悲しそうに聞いた。

「メイもエイミーもラオールも愛しているよ。でも一番はリリアンかな」

「お母様、ずるいわ」

「君たちもいつか君だけを一番愛してくれる人が現れるんだよ」

お義父様は少し寂しそうに微笑んだ。









しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

冤罪を受けたため、隣国へ亡命します

しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」 呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。 「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」 突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。 友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。 冤罪を晴らすため、奮闘していく。 同名主人公にて様々な話を書いています。 立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。 サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。 変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。 ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます! 小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

もう一度あなたと?

キムラましゅろう
恋愛
アデリオール王国魔法省で魔法書士として 働くわたしに、ある日王命が下った。 かつて魅了に囚われ、婚約破棄を言い渡してきた相手、 ワルター=ブライスと再び婚約を結ぶようにと。 「え?もう一度あなたと?」 国王は王太子に巻き込まれる形で魅了に掛けられた者達への 救済措置のつもりだろうけど、はっきり言って迷惑だ。 だって魅了に掛けられなくても、 あの人はわたしになんて興味はなかったもの。 しかもわたしは聞いてしまった。 とりあえずは王命に従って、頃合いを見て再び婚約解消をすればいいと、彼が仲間と話している所を……。 OK、そう言う事ならこちらにも考えがある。 どうせ再びフラれるとわかっているなら、この状況、利用させてもらいましょう。 完全ご都合主義、ノーリアリティ展開で進行します。 生暖かい目で見ていただけると幸いです。 小説家になろうさんの方でも投稿しています。

この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。 レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。 【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。 そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】

あなたの愛が正しいわ

来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~  夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。  一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。 「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

処理中です...