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★ エイミー、ボガード家に住む

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わたしが、学園へ行くことが決まってからしばらくして、シャーリーはおばさまの体調が落ち着いたので王都の公爵邸へ帰って行った。

次は王都で会おうと約束したわ!

わたしはお祖母様と、王都の少し外れに位置するウォーリー街にあるボガード侯爵家へ向かった。

ハディッド領から王都のボガード侯爵家までは馬車で5日程かかる。
初めての遠い距離の馬車の旅はワクワクしたけど、半日もしたら飽きちゃった。

だって外を見ても草原や田園風景だし、ずっと座っているとお尻が痛いし、走り回れないし、することないし、つまんない!

我慢して我慢してやっとボガード侯爵邸へ着いた時には、何にもしてないのにヘトヘト!

ボガード侯爵邸は、ハディッド邸なんかよりも立派で綺麗だった。

広さだけなら田舎のハディッド邸が勝ったかも!
邸の周辺には森もあったし湖もあったし動物や鳥もいたしね。


馬車を降りて屋敷に招かれた。

すぐに見知らぬお祖父様が現れた。

「初めまして、エイミー・ハディッドです。よろしくお願い致します」

ご挨拶すると、笑った顔がお祖母様に少し似ていた。

「初めまして、エイミー。これからは君のお祖父ちゃんになるんだよ、よろしく」

柔かに笑ってわたしに手を差し出した。

わたしは握手をした。

お祖母様はお義祖父様と抱き合って再会を喜んでいた。

そのあとお義父様とお義母様になる二人とご挨拶した。
お義父様の名はクラーク・ボガード様

お義母様の名はリリアン・ボガード様

わたしの義兄妹になる二人は

義兄 ラオール・ボガード さま14歳
国立王都学園中等部2年生で寮に入っている

ボガード邸から王都学園までは馬車で1時間半かかるので寮に住んでいる。

義妹 メイ・ボガード 10歳 

とっても可愛いの!

そしてお義祖父様はハーパー・ボガード様
お義祖母様は亡くなってるの。

わたしは王都学園に入学するまでの5か月間をここで過ごすことになっている。

お祖母様も一緒だから寂しくはないわ。

寝る時にちょっとお母様に会いたくなるのはお祖母様には内緒なの。



◇ ◇ ◇


メイとはすぐに仲良くなったの。

メイは、ちょっぴり恥ずかしがり屋さんなんだけど、私の後をついて来るの。

お庭の探検をしたり、邸でかくれんぼしたり、時にはメイドのおやつタイムに混ざって一緒にお茶をしたりして過ごしたわ。

「エイミー、今日はダンスのお稽古をしましょうね」
お義母様は、お母様よりちょっと、ちょっとだけ厳しいの。
でも、淑女の嗜みだから頑張る!!

「エイミー、お義母様に内緒で街に行こう!」
と言ってメイとわたしを遊びに連れて行ってくれるのはお義父様なの。

お父様がいなかったので知らなかったけどお義父様って優しくて楽しくて!大好きになっちゃった。
特にケーキやチョコレートを食べさせてくれるから大好き!


「エイミーは勉強は得意なんだね」
お義父様がお勉強を教えてくれた時に言われた。

「お勉強は大好き。今まで知らなかったことを知るのって楽しいもの。
でも得意かどうかはわからないわ」

「エイミーは好奇心旺盛だからな」

「だって王都ってハディッド領とは全然違うのよ!大きなお屋敷も沢山あるし国王陛下がいらっしゃるお城なんかものすっごく大きくてびっくりしたわ!
王城にある図書館にいつか行ってみたいの!」

「いつでも行けるよ。君が行きたいなら?」
お義父様はなんでもないことのように言われた。

「嘘ばっかり!簡単に入れないことくらい知ってるわ」

「君は侯爵令嬢なんだよ。きちんと当主が申請して許可が下りれば許可証をもらえる。そしたらいつでも行けるんだよ」

「ぼくは、王城で文官としても仕事をしているからね。許可は下りるよ」

「お義父様、大好き!愛してる!天才⁉︎」


「図書館に行かせてあげれるだけで、僕は君から愛の告白を受けられるなんて嬉しいね」

「貴方、浮気はダメよ」

お義母様がクスクス笑った。

「大丈夫、愛しているのは君だけだから」

「お父様、わたしのことは愛してないの?」

メイが悲しそうに聞いた。

「メイもエイミーもラオールも愛しているよ。でも一番はリリアンかな」

「お母様、ずるいわ」

「君たちもいつか君だけを一番愛してくれる人が現れるんだよ」

お義父様は少し寂しそうに微笑んだ。









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