【完結】浮気された私は貴方の子どもを内緒で育てます  時々番外編

たろ

文字の大きさ
上 下
2 / 94

12年後、ルディア

しおりを挟む
12年前、夫であったレオナルド・グランデ侯爵嫡男と離縁した。

現在は家督を継いでレオは侯爵当主になっている。

◇ ◇ ◇

14歳の時に伯爵令嬢次女であったルディア・ハディッドは19歳の侯爵令息嫡男の幼馴染のレオと婚約した。  


ルディアは金色の綺麗な髪に緑色の瞳。小柄ながら整った顔立ちがとても美しく美少女と言われていた。

姉であるハノン17歳もむろん綺麗なのだがハノンは知的な美しさを持っている少女であった。

二人はとても仲の良い姉妹であった。
ハノンは伯爵家を継ぐためトム・バラード侯爵三男20歳と婚約していた。トムに婿入りしてもらうことになっていた。


レオと婚約してからは花嫁修行として侯爵家に学園がお休みの時に毎月数回通った。
侯爵夫人となるための勉強をしていた。

伯爵家の教育より高位貴族としての勉強はさらに厳しくマナーも作法も勉強することばかりであったが大好きなレオと結婚できると思えば頑張れた。

幼馴染である二人はお互いを知っていたので婚約を結ばれた時も抵抗はなかった。

それどころかルディアにとって初恋の相手だったレオと結婚できることは嬉しくて仕方がなかった。

(やったあ、レオのお嫁さんになれるのね)


◇ ◇ ◇


姉とトムの結婚後、ルディアも18歳の時に23歳のレオナルドと結婚した。

二人は結婚後、侯爵家の両親と同じ敷地内に新築の邸を建てて幸せに暮らしていた。

レオは侯爵家の仕事の手伝いをしながら王宮で内務省の文官としても働いていた。

仕事の帰りに職場の仲間と飲んで帰ることもあったが、至って真面目で優しい旦那様であった。

そんなレオに限って浮気して子どもまで作るなど思ってもいなかった。

メアリーという女性が邸に来て大騒ぎになった日、ルディアは執事にお願いして離縁状を用意して貰いそのまま邸を出た。 

話し合いをする必要もなかったからだ。

まだ子どもがいない自分よりお腹にレオの子どもがいるメアリーがレオの妻になることは仕方がないことだと思った。

本当はレオに愛されていないことをこれ以上突き付けられるのが嫌だった。
それにレオの子どもと愛人を許して、今まで通りに暮らせるとは到底思えなかった。

惨めにレオの妻にしがみつける程心が強くなかったのだ。

一刻も早く邸を出て行きたかった。

ルディアとの離縁に渋い顔をした侯爵夫婦もメアリーのお腹にレオナルドの子どもがいては頷かざるを得なかった。

そして二人は離縁をしてレオナルドとメアリーは再婚した。

失意の中、ルディアは両親のいるハディッド伯爵の領地にある邸に身を寄せた。


離縁後、体調を崩したルディアは寝込むことが増えた。

さらに立ちくらみや吐き気も伴い食欲も落ちていった。

ルディアが妊娠に気づいたのは離縁してから2ヶ月を過ぎた頃だった。

(そういえば最近月のものがないわ)

不安になり両親に相談をして医者に診てもらうと妊娠4ヶ月になっていた。

離縁してしまった以上今さらレオナルドに知らせる気もなかったし、両親も領地で産み育てることを快く了承してくれた。

レオナルドと同じプラチナゴールドの髪色でルディアの瞳を受け継いだ緑色の瞳。
子どもながらにとても美しく聡明な子どもであった。

自然豊かなハディッド伯爵領でルディアとその娘エイミーは12年間幸せに過ごした。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

妹と旦那様に子供ができたので、離縁して隣国に嫁ぎます

冬月光輝
恋愛
私がベルモンド公爵家に嫁いで3年の間、夫婦に子供は出来ませんでした。 そんな中、夫のファルマンは裏切り行為を働きます。 しかも相手は妹のレナ。 最初は夫を叱っていた義両親でしたが、レナに子供が出来たと知ると私を責めだしました。 夫も婚約中から私からの愛は感じていないと口にしており、あの頃に婚約破棄していればと謝罪すらしません。 最後には、二人と子供の幸せを害する権利はないと言われて離縁させられてしまいます。 それからまもなくして、隣国の王子であるレオン殿下が我が家に現れました。 「約束どおり、私の妻になってもらうぞ」 確かにそんな約束をした覚えがあるような気がしますが、殿下はまだ5歳だったような……。 言われるがままに、隣国へ向かった私。 その頃になって、子供が出来ない理由は元旦那にあることが発覚して――。 ベルモンド公爵家ではひと悶着起こりそうらしいのですが、もう私には関係ありません。 ※ざまぁパートは第16話〜です

【完結】捨てられた双子のセカンドライフ

mazecco
ファンタジー
【第14回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞作】 王家の血を引きながらも、不吉の象徴とされる双子に生まれてしまったアーサーとモニカ。 父王から疎まれ、幼くして森に捨てられた二人だったが、身体能力が高いアーサーと魔法に適性のあるモニカは、力を合わせて厳しい環境を生き延びる。 やがて成長した二人は森を出て街で生活することを決意。 これはしあわせな第二の人生を送りたいと夢見た双子の物語。 冒険あり商売あり。 さまざまなことに挑戦しながら双子が日常生活?を楽しみます。 (話の流れは基本まったりしてますが、内容がハードな時もあります)

私の手からこぼれ落ちるもの

アズやっこ
恋愛
5歳の時、お父様が亡くなった。 優しくて私やお母様を愛してくれたお父様。私達は仲の良い家族だった。 でもそれは偽りだった。 お父様の書斎にあった手記を見た時、お父様の優しさも愛も、それはただの罪滅ぼしだった。 お父様が亡くなり侯爵家は叔父様に奪われた。侯爵家を追い出されたお母様は心を病んだ。 心を病んだお母様を助けたのは私ではなかった。 私の手からこぼれていくもの、そして最後は私もこぼれていく。 こぼれた私を救ってくれる人はいるのかしら… ❈ 作者独自の世界観です。 ❈ 作者独自の設定です。 ❈ ざまぁはありません。

冤罪を受けたため、隣国へ亡命します

しろねこ。
恋愛
「お父様が投獄?!」 呼び出されたレナンとミューズは驚きに顔を真っ青にする。 「冤罪よ。でも事は一刻も争うわ。申し訳ないけど、今すぐ荷づくりをして頂戴。すぐにこの国を出るわ」 突如母から言われたのは生活を一変させる言葉だった。 友人、婚約者、国、屋敷、それまでの生活をすべて捨て、令嬢達は手を差し伸べてくれた隣国へと逃げる。 冤罪を晴らすため、奮闘していく。 同名主人公にて様々な話を書いています。 立場やシチュエーションを変えたりしていますが、他作品とリンクする場所も多々あります。 サブキャラについてはスピンオフ的に書いた話もあったりします。 変わった作風かと思いますが、楽しんで頂けたらと思います。 ハピエンが好きなので、最後は必ずそこに繋げます! 小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿中。

交換された花嫁

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」 お姉さんなんだから…お姉さんなんだから… 我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。 「お姉様の婚約者頂戴」 妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。 「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」 流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。 結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。 そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。

この度、双子の妹が私になりすまして旦那様と初夜を済ませてしまったので、 私は妹として生きる事になりました

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
*レンタル配信されました。 レンタルだけの番外編ssもあるので、お読み頂けたら嬉しいです。 【伯爵令嬢のアンネリーゼは侯爵令息のオスカーと結婚をした。籍を入れたその夜、初夜を迎える筈だったが急激な睡魔に襲われて意識を手放してしまった。そして、朝目を覚ますと双子の妹であるアンナマリーが自分になり代わり旦那のオスカーと初夜を済ませてしまっていた。しかも両親は「見た目は同じなんだし、済ませてしまったなら仕方ないわ。アンネリーゼ、貴女は今日からアンナマリーとして過ごしなさい」と告げた。 そして妹として過ごす事になったアンネリーゼは妹の代わりに学院に通う事となり……更にそこで最悪な事態に見舞われて……?】

あなたの愛が正しいわ

来須みかん
恋愛
旧題:あなたの愛が正しいわ~夫が私の悪口を言っていたので理想の妻になってあげたのに、どうしてそんな顔をするの?~  夫と一緒に訪れた夜会で、夫が男友達に私の悪口を言っているのを聞いてしまった。そのことをきっかけに、私は夫の理想の妻になることを決める。それまで夫を心の底から愛して尽くしていたけど、それがうっとうしかったそうだ。夫に付きまとうのをやめた私は、生まれ変わったように清々しい気分になっていた。  一方、夫は妻の変化に戸惑い、誤解があったことに気がつき、自分の今までの酷い態度を謝ったが、妻は美しい笑みを浮かべてこういった。 「いいえ、間違っていたのは私のほう。あなたの愛が正しいわ」

絶望?いえいえ、余裕です! 10年にも及ぶ婚約を解消されても化物令嬢はモフモフに夢中ですので

ハートリオ
恋愛
伯爵令嬢ステラは6才の時に隣国の公爵令息ディングに見初められて婚約し、10才から婚約者ディングの公爵邸の別邸で暮らしていた。 しかし、ステラを呼び寄せてすぐにディングは婚約を後悔し、ステラを放置する事となる。 異様な姿で異臭を放つ『化物令嬢』となったステラを嫌った為だ。 異国の公爵邸の別邸で一人放置される事となった10才の少女ステラだが。 公爵邸別邸は森の中にあり、その森には白いモフモフがいたので。 『ツン』だけど優しい白クマさんがいたので耐えられた。 更にある事件をきっかけに自分を取り戻した後は、ディングの執事カロンと共に公爵家の仕事をこなすなどして暮らして来た。 だがステラが16才、王立高等学校卒業一ヶ月前にとうとう婚約解消され、ステラは公爵邸を出て行く。 ステラを厄介払い出来たはずの公爵令息ディングはなぜかモヤモヤする。 モヤモヤの理由が分からないまま、ステラが出て行った後の公爵邸では次々と不具合が起こり始めて―― 奇跡的に出会い、優しい時を過ごして愛を育んだ一人と一頭(?)の愛の物語です。 異世界、魔法のある世界です。 色々ゆるゆるです。

処理中です...