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プロローグ
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朝目覚めたら隣に見慣れない女が裸で寝ていた。
俺は思わずガバッと起きた。
「おはよう~」
欠伸をしながらこちらを見ているのは結婚前に付き合っていたメアリーだった。
「なんでお前が裸でここにいるんだ!」
「あら、失礼しちゃうわ。昨日無理矢理連れ込んで抱いたのは貴方でしょう?」
昨日は友人と仕事帰りに酒場で飲んでいた。
かなり酔ってきた時に確かにメアリーに会った。
メアリーは友人と飲んでいて、こちらに気づき合流して飲んだところまでは覚えている。
(まさか、そのあとホテルに連れ込んだのか……全く記憶にない…)
ハァ~……
「何よ!無理矢理抱いといて大きな溜息なんて失礼しちゃうわ!」
「すまん、記憶にないんだ。俺は本当に君を抱いたのか?」
「貴方もわたしも裸なのよ?」
慌てて自分の姿を見たら確かに真っ裸だった。
◇ ◇ ◇
それから数ヶ月が経ったある日。
「ルディア、おはよう」
俺は愛するルディアの額にキスをして、抱き寄せた。
「もうレオ!また飲み過ぎたの?昨日もお帰りが遅かったでしょう?もうお昼前よ!」
「あぁ、昨日はランディから誘われてつい遅くまで飲んでいたんだ」
結婚して一年が経った。
ルディアとの生活は穏やかでとても幸せだった。
あの女が来るまでは……
コンコン
「入れ」
「失礼致します、旦那様。お客様がおいでになっておりますがいかが致しましょう?」
「うん?今日は誰も来る予定はなかったはずだが?」
「はい、本日は旦那様のお休みの日になっております。ご予定は特に入ってないと確認しておりますが……」
「どうしたの?ロイ?」
ルディアが口籠る執事のロイに話しかけた。
ロイはとても言いにくそうに答えた。
「旦那様に会わせなさいと大きな声で騒いでおりまして…」
「何?誰だ?」
「それが……メアリー様でございます」
「え?メアリー?」
「貴方、メアリーって誰?」
「ロイ、その方はどうして我が家に来て騒いでいるの?」
「…それがよくわからないのですが……」
ロイは言いにくそうに旦那様に助けを求めた。
レオは数ヶ月前の出来事を思い出して嫌な予感がした。
慌てて着替えて部屋を出て、一階の玄関近くの客室に行くと、メアリーがいきなり抱きついてきた。
「レオ!会いたかったわ」
と言ってレオの唇にキスをしてきた。
「な、何をするんだ!やめてくれ!」
後ろから付いてきたルディアが、驚いた顔をして二人を見つめていた。
「……レオ……どういうこと?……」
「ち、違うんだ、いったいなんなんだ!」
メアリーは、レオに抱きついたまま離れなかった。
「レオ、貴方の赤ちゃんができたの!4ヶ月よ!喜んでくれるでしょう?
あの時の子どもよ!」
ふふふっ♪
ルディアは呆然と立ち尽くしていたが、我にかえると、部屋を飛び出してしまった。
俺はメアリーを突き放し、急いでルディアを追いかけようとした。
「レオ、追いかけても無駄よ。お腹には貴方の子がいるのよ。貴方の奥さんは家を出て行くしかないのよ?だってこのお腹の子がこの家の初めての子どもで侯爵家の後継になるんだから」
ふふふ
「わたしを捨ててあの女を選んだけどやっぱり最後はわたしが選ばれたのよ!だって二人の愛の結晶がこのお腹にいるのだから」
そして俺は失意の中ルディアと離縁してメアリーと再婚することになった。
メアリーとは全く愛などなかった。
とっくの昔に捨てていた。
今さら5年前の昔の恋人に未練などなかった。
10代の頃、顔の綺麗さと魅力的な体、それしか取り柄のない女につい手を出したが、強欲で傲慢、人を見下す女にうんざりして数ヶ月で別れた。
ルディアとは幼馴染で5歳年下の婚約者だった。
19歳のレオにとって14歳の少女は妹みたいで、同じ年のメアリーが魅力的に感じていた。
つい出来心で付き合ってみたのはいいが、余りにも性格か酷くて数ヶ月で別れた。それからは会うことも思い出すこともなかった。
まさか、5年後こんなことになるなんて…
レオは後悔する他なかった。
ルディアは離縁して邸を去っていった。
俺は思わずガバッと起きた。
「おはよう~」
欠伸をしながらこちらを見ているのは結婚前に付き合っていたメアリーだった。
「なんでお前が裸でここにいるんだ!」
「あら、失礼しちゃうわ。昨日無理矢理連れ込んで抱いたのは貴方でしょう?」
昨日は友人と仕事帰りに酒場で飲んでいた。
かなり酔ってきた時に確かにメアリーに会った。
メアリーは友人と飲んでいて、こちらに気づき合流して飲んだところまでは覚えている。
(まさか、そのあとホテルに連れ込んだのか……全く記憶にない…)
ハァ~……
「何よ!無理矢理抱いといて大きな溜息なんて失礼しちゃうわ!」
「すまん、記憶にないんだ。俺は本当に君を抱いたのか?」
「貴方もわたしも裸なのよ?」
慌てて自分の姿を見たら確かに真っ裸だった。
◇ ◇ ◇
それから数ヶ月が経ったある日。
「ルディア、おはよう」
俺は愛するルディアの額にキスをして、抱き寄せた。
「もうレオ!また飲み過ぎたの?昨日もお帰りが遅かったでしょう?もうお昼前よ!」
「あぁ、昨日はランディから誘われてつい遅くまで飲んでいたんだ」
結婚して一年が経った。
ルディアとの生活は穏やかでとても幸せだった。
あの女が来るまでは……
コンコン
「入れ」
「失礼致します、旦那様。お客様がおいでになっておりますがいかが致しましょう?」
「うん?今日は誰も来る予定はなかったはずだが?」
「はい、本日は旦那様のお休みの日になっております。ご予定は特に入ってないと確認しておりますが……」
「どうしたの?ロイ?」
ルディアが口籠る執事のロイに話しかけた。
ロイはとても言いにくそうに答えた。
「旦那様に会わせなさいと大きな声で騒いでおりまして…」
「何?誰だ?」
「それが……メアリー様でございます」
「え?メアリー?」
「貴方、メアリーって誰?」
「ロイ、その方はどうして我が家に来て騒いでいるの?」
「…それがよくわからないのですが……」
ロイは言いにくそうに旦那様に助けを求めた。
レオは数ヶ月前の出来事を思い出して嫌な予感がした。
慌てて着替えて部屋を出て、一階の玄関近くの客室に行くと、メアリーがいきなり抱きついてきた。
「レオ!会いたかったわ」
と言ってレオの唇にキスをしてきた。
「な、何をするんだ!やめてくれ!」
後ろから付いてきたルディアが、驚いた顔をして二人を見つめていた。
「……レオ……どういうこと?……」
「ち、違うんだ、いったいなんなんだ!」
メアリーは、レオに抱きついたまま離れなかった。
「レオ、貴方の赤ちゃんができたの!4ヶ月よ!喜んでくれるでしょう?
あの時の子どもよ!」
ふふふっ♪
ルディアは呆然と立ち尽くしていたが、我にかえると、部屋を飛び出してしまった。
俺はメアリーを突き放し、急いでルディアを追いかけようとした。
「レオ、追いかけても無駄よ。お腹には貴方の子がいるのよ。貴方の奥さんは家を出て行くしかないのよ?だってこのお腹の子がこの家の初めての子どもで侯爵家の後継になるんだから」
ふふふ
「わたしを捨ててあの女を選んだけどやっぱり最後はわたしが選ばれたのよ!だって二人の愛の結晶がこのお腹にいるのだから」
そして俺は失意の中ルディアと離縁してメアリーと再婚することになった。
メアリーとは全く愛などなかった。
とっくの昔に捨てていた。
今さら5年前の昔の恋人に未練などなかった。
10代の頃、顔の綺麗さと魅力的な体、それしか取り柄のない女につい手を出したが、強欲で傲慢、人を見下す女にうんざりして数ヶ月で別れた。
ルディアとは幼馴染で5歳年下の婚約者だった。
19歳のレオにとって14歳の少女は妹みたいで、同じ年のメアリーが魅力的に感じていた。
つい出来心で付き合ってみたのはいいが、余りにも性格か酷くて数ヶ月で別れた。それからは会うことも思い出すこともなかった。
まさか、5年後こんなことになるなんて…
レオは後悔する他なかった。
ルディアは離縁して邸を去っていった。
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