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面倒な男ですわ
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「………わたくしが体調を崩したのは……全て貴方の所為ですわ」
「え?イザベラとのことが原因?僕がイザベラを愛しているように見せてしまったから……傷ついて……」
「違いますわ!わたくしは、貴方の所為で…」
「僕の所為で?」
「わたくしは……」
「エリザベス?」
「お腹に赤ちゃんがいるのです」
「え?誰の子なんだ?あの騎士の子か?」
バシッ!
バチッ!
「い、痛い!!」
イザベラとエリザベスの二人が僕の頬を叩いた。
「な、何するんだ!」
「最低です!」
イザベラがものすごく怖い顔をしていた。
「もうわたくしは貴方なんか知りませんわ」
エリザベスは僕を諦めたような顔をしていた。
「………もしかして、あの時の?」
「もう知りません、もう貴方のことなんかどうでもいいです」
「だって、何にも言ってくれないとわからない」
「言えないでしょう?イザベラ様とあんなに仲良くされているのに。わたくしのことなんか見てもくれないのに」
「……あ、あっあ、すまない」
「わたくしは一人で子供を産むつもりでいます。もう貴方は必要ございません」
「い、嫌だ!君だけを愛しているんだ!」
「でしたらどうしてイザベラ様とキスをされたのですか?」
「あ、あれは……」
「エリザベス様、キスをしたと殿下は言ってますが、あれはたまたまわたしが転びそうになって助けてくれようとした時に、二人で転んでしまって唇が触れただけで別に愛はそこにないし、事故です」
「そうなんだ……それでもエリザベスに顔向け出来なくて……」
僕は少し恥ずかしくなった。
「殿下!本当にこの国の王太子殿下で眉目秀麗と言われて頭脳明晰で女性達からモテまくっているのに、エリザベス様のことになると残念なお人になりますね。はっきりとご自分の気持ちを言わないともう後悔して生き続けることになりますよ!」
イザベラが僕を見ながら呆れていた。
わかってる!わかってるんだ!
「エ、エリザベス……今まで勘違いして僕は君に愛されていないと思い込んでいた。
本当にすまなかった。
でももう間違えない。
愛しているのはエリザベスだけなんだ。この気持ちだけはずっと変わらない。
君と初めて会った日に一目惚れして父上に君との婚約を強請ったんだ。それからずっときみだけが好きで君だけを愛しています。
僕と結婚してくださいそして父親にしてください、お願いします」
「……………」
エリザベスは一切答えてくれなかった。
やはり駄目なのか。
僕はそれでも諦められない。
やはり好きなのはエリザベスだけだ。
彼女の顔を見てしまえばもう諦めることなんかできない。
「ジャイル様……わたくしは貴方がイザベラ様と態とに仲良くして婚約破棄をしようとしていたことは知っておりました。途中からイザベラ様がわたくしに会いにきたのです」
◇ ◇ ◇
「あ、あのぉ、エリザベス様、お話がございます」
「イザベラ様?……がわたくしに何を話したいと言うのですか?」
わたくしはイザベラ様から話しかけられてとても不快だった。
たぶん冷たい目で彼女を見てしまったと思う。
殿下の愛情を全てわたしから奪った人。
わたくしを嘲笑いにきたのかしら?
それとも早く破棄しろと言いにきたのかしら?
「で、殿下はわたしのことなんか好きではありません!たぶんエリザベス様のことが好きすぎて何か勘違いしているのだと思います」
「……はっ?」
「わたしに話しかけるのも態とにベタベタするのもエリザベス様から見える場所にいるか、エリザベス様の前だけです。普段はわたしのことなんか見ておりませんし、話しかけてもきません。
わ、わたしも別に好きな人がいる殿下のことを好きなわけではありません。でも、殿下があまりにも必死なのでとりあえず演技に付き合っています。
なんだか気の毒で……エリザベス様を見た後いつも辛そうに悲しそうにしています。
あれはエリザベス様とそばにいる騎士様の関係を誤解しているのではないかと思っています。本人はエリザベス様がお妃教育で疲れているのが気の毒だとボソッと言ってありました。でもどう見てもお二人のことを勘違いしていると思います。
お二人の噂を実はわたしも聞いています。
悲恋の恋だと……」
「わたくしとアシェルが悲恋の恋?」
「はい、お二人が寄り添う姿に令嬢達は密かにそんな噂をしております」
「寄り添う?アシェルと?」
わたくしはこの娘は何を言ってるのだろうと驚いてしまった。
「そんな噂が流れているの?」
「やはりご存知なかったのですか?
本当は騎士様と愛し合っているのに無理矢理殿下と婚約させられているのでお二人は結ばれないと……」
「アシェルはお姉様と婚約しております、殿下にも伝えております」
「たぶん……そのことはご本人聞いてないのでは……たまに独り言で「やはり二人は……」とか言っております」
「あの馬鹿!確かにお姉様とアシェルは身分差もあってなかなか婚約するのが大変でしたわ、だからわたくしも協力しておりました。それが仲良く見えたのかもしれません。
殿下がアシェルの話を嫌ってあまり聞こうとしてくれなかったのは、勘違いをしていたからなのね」
「はい、このままでは殿下はエリザベス様と婚約破棄をすることになると思います。なんとかしないといけないと思って、エリザベス様に話しかけさせていただきました」
「貴女は殿下と結婚できるかもしれないのよ?」
「絶対に嫌です!わたしにはお妃教育なんて無理だし、まず自分のことを好きでもない人と結婚なんてしたくありません。殿下はエリザベス様が好きすぎて拗らせてしまっているんです!」
「た、確かに……」
「え?イザベラとのことが原因?僕がイザベラを愛しているように見せてしまったから……傷ついて……」
「違いますわ!わたくしは、貴方の所為で…」
「僕の所為で?」
「わたくしは……」
「エリザベス?」
「お腹に赤ちゃんがいるのです」
「え?誰の子なんだ?あの騎士の子か?」
バシッ!
バチッ!
「い、痛い!!」
イザベラとエリザベスの二人が僕の頬を叩いた。
「な、何するんだ!」
「最低です!」
イザベラがものすごく怖い顔をしていた。
「もうわたくしは貴方なんか知りませんわ」
エリザベスは僕を諦めたような顔をしていた。
「………もしかして、あの時の?」
「もう知りません、もう貴方のことなんかどうでもいいです」
「だって、何にも言ってくれないとわからない」
「言えないでしょう?イザベラ様とあんなに仲良くされているのに。わたくしのことなんか見てもくれないのに」
「……あ、あっあ、すまない」
「わたくしは一人で子供を産むつもりでいます。もう貴方は必要ございません」
「い、嫌だ!君だけを愛しているんだ!」
「でしたらどうしてイザベラ様とキスをされたのですか?」
「あ、あれは……」
「エリザベス様、キスをしたと殿下は言ってますが、あれはたまたまわたしが転びそうになって助けてくれようとした時に、二人で転んでしまって唇が触れただけで別に愛はそこにないし、事故です」
「そうなんだ……それでもエリザベスに顔向け出来なくて……」
僕は少し恥ずかしくなった。
「殿下!本当にこの国の王太子殿下で眉目秀麗と言われて頭脳明晰で女性達からモテまくっているのに、エリザベス様のことになると残念なお人になりますね。はっきりとご自分の気持ちを言わないともう後悔して生き続けることになりますよ!」
イザベラが僕を見ながら呆れていた。
わかってる!わかってるんだ!
「エ、エリザベス……今まで勘違いして僕は君に愛されていないと思い込んでいた。
本当にすまなかった。
でももう間違えない。
愛しているのはエリザベスだけなんだ。この気持ちだけはずっと変わらない。
君と初めて会った日に一目惚れして父上に君との婚約を強請ったんだ。それからずっときみだけが好きで君だけを愛しています。
僕と結婚してくださいそして父親にしてください、お願いします」
「……………」
エリザベスは一切答えてくれなかった。
やはり駄目なのか。
僕はそれでも諦められない。
やはり好きなのはエリザベスだけだ。
彼女の顔を見てしまえばもう諦めることなんかできない。
「ジャイル様……わたくしは貴方がイザベラ様と態とに仲良くして婚約破棄をしようとしていたことは知っておりました。途中からイザベラ様がわたくしに会いにきたのです」
◇ ◇ ◇
「あ、あのぉ、エリザベス様、お話がございます」
「イザベラ様?……がわたくしに何を話したいと言うのですか?」
わたくしはイザベラ様から話しかけられてとても不快だった。
たぶん冷たい目で彼女を見てしまったと思う。
殿下の愛情を全てわたしから奪った人。
わたくしを嘲笑いにきたのかしら?
それとも早く破棄しろと言いにきたのかしら?
「で、殿下はわたしのことなんか好きではありません!たぶんエリザベス様のことが好きすぎて何か勘違いしているのだと思います」
「……はっ?」
「わたしに話しかけるのも態とにベタベタするのもエリザベス様から見える場所にいるか、エリザベス様の前だけです。普段はわたしのことなんか見ておりませんし、話しかけてもきません。
わ、わたしも別に好きな人がいる殿下のことを好きなわけではありません。でも、殿下があまりにも必死なのでとりあえず演技に付き合っています。
なんだか気の毒で……エリザベス様を見た後いつも辛そうに悲しそうにしています。
あれはエリザベス様とそばにいる騎士様の関係を誤解しているのではないかと思っています。本人はエリザベス様がお妃教育で疲れているのが気の毒だとボソッと言ってありました。でもどう見てもお二人のことを勘違いしていると思います。
お二人の噂を実はわたしも聞いています。
悲恋の恋だと……」
「わたくしとアシェルが悲恋の恋?」
「はい、お二人が寄り添う姿に令嬢達は密かにそんな噂をしております」
「寄り添う?アシェルと?」
わたくしはこの娘は何を言ってるのだろうと驚いてしまった。
「そんな噂が流れているの?」
「やはりご存知なかったのですか?
本当は騎士様と愛し合っているのに無理矢理殿下と婚約させられているのでお二人は結ばれないと……」
「アシェルはお姉様と婚約しております、殿下にも伝えております」
「たぶん……そのことはご本人聞いてないのでは……たまに独り言で「やはり二人は……」とか言っております」
「あの馬鹿!確かにお姉様とアシェルは身分差もあってなかなか婚約するのが大変でしたわ、だからわたくしも協力しておりました。それが仲良く見えたのかもしれません。
殿下がアシェルの話を嫌ってあまり聞こうとしてくれなかったのは、勘違いをしていたからなのね」
「はい、このままでは殿下はエリザベス様と婚約破棄をすることになると思います。なんとかしないといけないと思って、エリザベス様に話しかけさせていただきました」
「貴女は殿下と結婚できるかもしれないのよ?」
「絶対に嫌です!わたしにはお妃教育なんて無理だし、まず自分のことを好きでもない人と結婚なんてしたくありません。殿下はエリザベス様が好きすぎて拗らせてしまっているんです!」
「た、確かに……」
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