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僕は君を愛しているんだ
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「見ていた、だから身を引いたんだ!」
「見ていません!」
「だから見ていると言っただろう!愛しているから彼女の幸せだけを願ったんだ」
「わたくしの幸せは貴方のそばにいることなのに?」
「そんな訳……え?」
僕は興奮してイザベラではない人と話していたらしい。
何故?ずっと愛しているエリザベスが目の前にいる。
もう会えないと諦めていたのに……
「わたくしは護衛騎士の幼馴染と愛し合っているなど誰が言ったのですか?」
「みんなが……二人はとてもお似合いだと……いつも一緒にいて」
「それは彼がいつも護衛としてそばにいたからでしょう?」
「二人が仲良く話している姿を何度も見た」
「もうすぐお姉様と結婚されるので、色々と話すことくらいありますわ」
「え?姉と……」
「殿下にはお話していたと思いますわ、姉と騎士であるアシェルが婚約したことを」
「……そうだったかな?」
(たぶんあの騎士の話になると僕は心の中で拒絶して何も聞いていなかった)
「はい」
「君がお妃教育を最近はいつも辛そうにしていたのは確かだろう?」
「別に辛いと思ったことはございません。でも最近体調が悪く無理をしていたので辛そうに見えたかもしれません」
「体調が悪い?大丈夫なのか?」
「少し落ち着いてきました」
「そうか……気づいてあげれなくてすまない」
「殿下はイザベラ様とご結婚されるのですか?」
「もうバレているんだろう?しないよ」
「ではわたくしはもう要らないのですか?」
「エリザベス、僕が愛しているのは君だけだ!でも君は僕のことなどみていない。最近は特に僕がどんなに誘おうと全て断るではないか?」
「体調が悪かったのです……王妃様には伝えてあります…だからお妃教育もお休みさせてもらっていました」
「そんなに体調が悪いなんて……どうしたんだ?きちんと医者に診せているのか?」
「……もちろん診察してもらいました。でももう貴方には関係ないことですね、婚約破棄してしまいましたもの……」
「ま、待ってくれ!確かに破棄はした。でも、君があの騎士を愛していないなら…もう一度チャンスをくれないか?」
「貴方はイザベラ様を愛しているのでしょう?」
「ち、違う!愛しているのはエリザベスだけなんだ。イザベラとはそんな関係ではない!」
「あら?イザベラ様とあんなにいつも引っ付いて離れなかったのになんの関係もないなんておかしいと思いますけど?」
「僕とイザベラはキスまでしかしていない!本当だ!」
「殿下!キスだけでもアウトですわ」
「へ?駄目か?」
「ではわたくしが護衛のアシェルとキスしても平気ですか?」
「……あっ……い、嫌だ……だから我慢出来なくて婚約破棄したんだ。僕を嫌いだと真実を告げられるのが怖かったんだ」
「だったら、婚約破棄するつもりだったなら……どうして……あんな事をしたのですか?」
「……あんな事?それは……あっ、あー………す、すまない。我慢できなかった、愛しているんだ、だからあの時はどうしても気持ちを抑えられなかった」
僕はエリザベスを無理矢理抱いた。
イザベラと付き合うフリをしていてあまりエリザベスと会うことがなくなっていた。
そんな時、たまたまエリザベスと王宮内で会うことがあった。
まともに会話すらできなかった。
そんな悔しさに苛まれながらも、あの護衛騎士がエリザベスに優しく話しかけ、それに僕には見せない笑顔で返事をしているエリザベスを見て、腹が立って僕の執務室に用事があるからとエリザベスだけを呼び出してエリザベスを抱いた。
僕はエリザベスを愛している、なのに彼女の同意もなく無理に抱いてしまった。
それでもエリザベスは怒ることも泣くこともせず、僕に黙って抱かれた。
あの時、エリザベスはどんな顔をしていたのだろう?もしかしたら泣いていたのか?
僕は自分の激情からエリザベスの初めてを無理矢理奪ってしまった。
そして彼女の名誉を傷つけることがわかっているのに婚約破棄をしてしまった。
ただ、破棄は人が少ない場所を選び、彼女にあまり悪い噂が出ないように配慮したつもりだ。
でも確かにエリザベスの初めてを奪ったのは僕だ。
ただ、今の時代、処女でないと結婚できないとか、貴族は政略結婚でないといけないとか、そんな厳しい時代ではない。
自由な恋愛、自由な結婚、それが普通になっている。
ただ僕たちの婚約は、我が国一番の力のある公爵家との婚約だから政略的な意味があった。
でも本当は僕が8歳の時に一目惚れしてエリザベスとの婚約を父上に強請ったのだ。
そして僕はずっとエリザベスに恋をしている。
それを手放そうとしてイザベラを選んだくせに、エリザベスと騎士に嫉妬してエリザベスを無理矢理抱いてしまった。
「………わたくしが体調を崩したのは……全て貴方の所為ですわ」
◆ ◆ ◆
~【続編】内緒で死ぬことにした~いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?~
始まりました。
この話は、今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。
無理!またなんで!
と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。
もし読んでもいいなと思う方……読んで頂けたら嬉しいです。
多分かなりイライラします。
すみません、よろしくお願いします
タイトル変更しました。
「見ていません!」
「だから見ていると言っただろう!愛しているから彼女の幸せだけを願ったんだ」
「わたくしの幸せは貴方のそばにいることなのに?」
「そんな訳……え?」
僕は興奮してイザベラではない人と話していたらしい。
何故?ずっと愛しているエリザベスが目の前にいる。
もう会えないと諦めていたのに……
「わたくしは護衛騎士の幼馴染と愛し合っているなど誰が言ったのですか?」
「みんなが……二人はとてもお似合いだと……いつも一緒にいて」
「それは彼がいつも護衛としてそばにいたからでしょう?」
「二人が仲良く話している姿を何度も見た」
「もうすぐお姉様と結婚されるので、色々と話すことくらいありますわ」
「え?姉と……」
「殿下にはお話していたと思いますわ、姉と騎士であるアシェルが婚約したことを」
「……そうだったかな?」
(たぶんあの騎士の話になると僕は心の中で拒絶して何も聞いていなかった)
「はい」
「君がお妃教育を最近はいつも辛そうにしていたのは確かだろう?」
「別に辛いと思ったことはございません。でも最近体調が悪く無理をしていたので辛そうに見えたかもしれません」
「体調が悪い?大丈夫なのか?」
「少し落ち着いてきました」
「そうか……気づいてあげれなくてすまない」
「殿下はイザベラ様とご結婚されるのですか?」
「もうバレているんだろう?しないよ」
「ではわたくしはもう要らないのですか?」
「エリザベス、僕が愛しているのは君だけだ!でも君は僕のことなどみていない。最近は特に僕がどんなに誘おうと全て断るではないか?」
「体調が悪かったのです……王妃様には伝えてあります…だからお妃教育もお休みさせてもらっていました」
「そんなに体調が悪いなんて……どうしたんだ?きちんと医者に診せているのか?」
「……もちろん診察してもらいました。でももう貴方には関係ないことですね、婚約破棄してしまいましたもの……」
「ま、待ってくれ!確かに破棄はした。でも、君があの騎士を愛していないなら…もう一度チャンスをくれないか?」
「貴方はイザベラ様を愛しているのでしょう?」
「ち、違う!愛しているのはエリザベスだけなんだ。イザベラとはそんな関係ではない!」
「あら?イザベラ様とあんなにいつも引っ付いて離れなかったのになんの関係もないなんておかしいと思いますけど?」
「僕とイザベラはキスまでしかしていない!本当だ!」
「殿下!キスだけでもアウトですわ」
「へ?駄目か?」
「ではわたくしが護衛のアシェルとキスしても平気ですか?」
「……あっ……い、嫌だ……だから我慢出来なくて婚約破棄したんだ。僕を嫌いだと真実を告げられるのが怖かったんだ」
「だったら、婚約破棄するつもりだったなら……どうして……あんな事をしたのですか?」
「……あんな事?それは……あっ、あー………す、すまない。我慢できなかった、愛しているんだ、だからあの時はどうしても気持ちを抑えられなかった」
僕はエリザベスを無理矢理抱いた。
イザベラと付き合うフリをしていてあまりエリザベスと会うことがなくなっていた。
そんな時、たまたまエリザベスと王宮内で会うことがあった。
まともに会話すらできなかった。
そんな悔しさに苛まれながらも、あの護衛騎士がエリザベスに優しく話しかけ、それに僕には見せない笑顔で返事をしているエリザベスを見て、腹が立って僕の執務室に用事があるからとエリザベスだけを呼び出してエリザベスを抱いた。
僕はエリザベスを愛している、なのに彼女の同意もなく無理に抱いてしまった。
それでもエリザベスは怒ることも泣くこともせず、僕に黙って抱かれた。
あの時、エリザベスはどんな顔をしていたのだろう?もしかしたら泣いていたのか?
僕は自分の激情からエリザベスの初めてを無理矢理奪ってしまった。
そして彼女の名誉を傷つけることがわかっているのに婚約破棄をしてしまった。
ただ、破棄は人が少ない場所を選び、彼女にあまり悪い噂が出ないように配慮したつもりだ。
でも確かにエリザベスの初めてを奪ったのは僕だ。
ただ、今の時代、処女でないと結婚できないとか、貴族は政略結婚でないといけないとか、そんな厳しい時代ではない。
自由な恋愛、自由な結婚、それが普通になっている。
ただ僕たちの婚約は、我が国一番の力のある公爵家との婚約だから政略的な意味があった。
でも本当は僕が8歳の時に一目惚れしてエリザベスとの婚約を父上に強請ったのだ。
そして僕はずっとエリザベスに恋をしている。
それを手放そうとしてイザベラを選んだくせに、エリザベスと騎士に嫉妬してエリザベスを無理矢理抱いてしまった。
「………わたくしが体調を崩したのは……全て貴方の所為ですわ」
◆ ◆ ◆
~【続編】内緒で死ぬことにした~いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?~
始まりました。
この話は、今回もまた辛く悲しい話しが出てきます。
無理!またなんで!
と思われるかもしれませんが、アイシャは必ず幸せになります。
もし読んでもいいなと思う方……読んで頂けたら嬉しいです。
多分かなりイライラします。
すみません、よろしくお願いします
タイトル変更しました。
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