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告。新入生諸君
18 裏切りの定義 5
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「小林……茉優」
その瞳がじっと、燈を見ている。まるで質の悪いコピーのように丸山と同じ格好だ。
「正解」
そして、燈が名前を呼ぶと、以前のような愛らしい笑顔を浮かべる。好きな人に気付いてもらえたのが嬉しいという気持ちがその表情から溢れている。
「燈さんのプリンセスだよ」
それなのに、燈は背筋を氷で撫でられたような冷たい感覚が這い登ってくるのを感じていた。
あれはよくない。
そう、本能が言っている。
「茉優ね。浩紀君。嫌い。うるさいの。茉優の『おねだり』の魔法。使っちゃダメだって言うの。上手にできるのに」
くすくす。と、茉優は笑う。
ふと、燈はあの日のことを思い出す。宙が燈に見せてくれた呪術師の家系図。その丸山の家の傍系にあった名前。『小林』。まったく珍しい名前ではない。だから、考えてもいなかった。
「あ。でもね。浩紀君に呼び出されたから、茉優。燈さんに会えたの」
ぱ。と、明るい表情になって茉優は続ける。
「運命だったのかな? きっとそうだよね。運命なんだよ。だから、ずっと。茉優といよう? 茉優のお願い聞いてくれるよね? ね。燈 。」
茉優の唇が言葉にならない言葉を発しているのは分かった。
ひどく忌まわしいものを聞かされているのは、わかる。けれど、もう、感情に変化はない。
「 。」
燈に変化がないから、茉優は焦ったように言葉を続けた。それでも、何も変わらない。燈の心も身体も完全に燈自身の支配下にあった。
「傀儡の呪言は。一度返されたらもう、二度と同じ相手には通じない。……わかってるだろ」
自分の声がひどく冷めた声だと燈は分かった。
「……しってるよぉ?」
くすくす。と、茉優は笑う。
「だから、もういいや。別の方法で燈のこと茉優のにするの♡」
ぞ。っとするような禍々しい笑顔を浮かべる茉優の前に、丸山の姿が重なる。
「氷の中にいたら、茉優から離れたいなんて思わないよね?」
シンクロするように丸山の口が茉優の言葉と同じ形に動いた。
その瞳がじっと、燈を見ている。まるで質の悪いコピーのように丸山と同じ格好だ。
「正解」
そして、燈が名前を呼ぶと、以前のような愛らしい笑顔を浮かべる。好きな人に気付いてもらえたのが嬉しいという気持ちがその表情から溢れている。
「燈さんのプリンセスだよ」
それなのに、燈は背筋を氷で撫でられたような冷たい感覚が這い登ってくるのを感じていた。
あれはよくない。
そう、本能が言っている。
「茉優ね。浩紀君。嫌い。うるさいの。茉優の『おねだり』の魔法。使っちゃダメだって言うの。上手にできるのに」
くすくす。と、茉優は笑う。
ふと、燈はあの日のことを思い出す。宙が燈に見せてくれた呪術師の家系図。その丸山の家の傍系にあった名前。『小林』。まったく珍しい名前ではない。だから、考えてもいなかった。
「あ。でもね。浩紀君に呼び出されたから、茉優。燈さんに会えたの」
ぱ。と、明るい表情になって茉優は続ける。
「運命だったのかな? きっとそうだよね。運命なんだよ。だから、ずっと。茉優といよう? 茉優のお願い聞いてくれるよね? ね。燈 。」
茉優の唇が言葉にならない言葉を発しているのは分かった。
ひどく忌まわしいものを聞かされているのは、わかる。けれど、もう、感情に変化はない。
「 。」
燈に変化がないから、茉優は焦ったように言葉を続けた。それでも、何も変わらない。燈の心も身体も完全に燈自身の支配下にあった。
「傀儡の呪言は。一度返されたらもう、二度と同じ相手には通じない。……わかってるだろ」
自分の声がひどく冷めた声だと燈は分かった。
「……しってるよぉ?」
くすくす。と、茉優は笑う。
「だから、もういいや。別の方法で燈のこと茉優のにするの♡」
ぞ。っとするような禍々しい笑顔を浮かべる茉優の前に、丸山の姿が重なる。
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シンクロするように丸山の口が茉優の言葉と同じ形に動いた。
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