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告。新入生諸君
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「先輩!!」
すべて話してDDに相談しようとしていた燈が口を開くよりも先に、教室に茉優が駆け込んできた。
しまった。
と、思う。丸山の逃げた先を意識しすぎて、逆方向に注意を向けていなかった。だから、彼女が部屋のドアの前に立つまで、彼女の存在に気付いていなかったのだ。
「小林さん」
もちろん、燈がこの教室にいることは内緒にしてもらっている。おそらく、燈が頼まなくても、雫や宙や鼎が教えることはないだろう。
それなのにどうして、ここにいるのだろうか。と、思ってから、茉優が燈の彼女だと思っている同級生なら悪意なく教えてしまうかもしれないと思い直す。
「大丈夫ですか? なんだかすごい光が見えて……先輩が心配で……あの人がいたんですよね? 私」
駆け寄ってきた茉優が燈の袖を掴む。茉優がよくする動作だ。ふわり。と、甘い香り。
そのとき、何かが頭を掠めて、燈はその腕を振り払った。
「燈……先輩?」
泣きそうな表情。甘い香りが強くなった。
「あの……怒ってます? でも、茉優、燈さんのそばにいたくて。そばに燈さんがいてくれないと不安で」
そう言って茉優はもう一度燈の袖を掴む。
「……燈さん……私 。」
茉優の口が動いた。何かを言っている。でも、よく聞こえない。何か嫌なこと。忌まわしいとすら言ってしまえるようなことを言われたような気がするけれど、燈にはイマイチ意味が呑み込めなかった。またなにかが、頭を過ったけれど、今度は振り払えない。振り払うのが何故か酷い罪悪のように感じられる。彼女が泣きそうな顔をするから。と、思ってから、何かが『違う』と頭の片隅で言う。
違う?
何が違う?
そんな疑問が頭の中で湧き上がっては消えていった。
すべて話してDDに相談しようとしていた燈が口を開くよりも先に、教室に茉優が駆け込んできた。
しまった。
と、思う。丸山の逃げた先を意識しすぎて、逆方向に注意を向けていなかった。だから、彼女が部屋のドアの前に立つまで、彼女の存在に気付いていなかったのだ。
「小林さん」
もちろん、燈がこの教室にいることは内緒にしてもらっている。おそらく、燈が頼まなくても、雫や宙や鼎が教えることはないだろう。
それなのにどうして、ここにいるのだろうか。と、思ってから、茉優が燈の彼女だと思っている同級生なら悪意なく教えてしまうかもしれないと思い直す。
「大丈夫ですか? なんだかすごい光が見えて……先輩が心配で……あの人がいたんですよね? 私」
駆け寄ってきた茉優が燈の袖を掴む。茉優がよくする動作だ。ふわり。と、甘い香り。
そのとき、何かが頭を掠めて、燈はその腕を振り払った。
「燈……先輩?」
泣きそうな表情。甘い香りが強くなった。
「あの……怒ってます? でも、茉優、燈さんのそばにいたくて。そばに燈さんがいてくれないと不安で」
そう言って茉優はもう一度燈の袖を掴む。
「……燈さん……私 。」
茉優の口が動いた。何かを言っている。でも、よく聞こえない。何か嫌なこと。忌まわしいとすら言ってしまえるようなことを言われたような気がするけれど、燈にはイマイチ意味が呑み込めなかった。またなにかが、頭を過ったけれど、今度は振り払えない。振り払うのが何故か酷い罪悪のように感じられる。彼女が泣きそうな顔をするから。と、思ってから、何かが『違う』と頭の片隅で言う。
違う?
何が違う?
そんな疑問が頭の中で湧き上がっては消えていった。
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