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DoRow
後編 1
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「そ。言えば……ここ2・3日だと思うんだけど。なんか、外に変なのいないか?」
箸の先で塩鮭の切り身を崩しながら、アキが言う。あまり警戒しているというふうには見えない。ちょっと、気にかかった程度だろう。アキは警戒心が強い。だから、家の周りで起こる出来事には敏感な方だ。
「変なの?」
同じく手を会わせて、『いたたきます』と、言ってから、ユキが答える。
「ああ。なんか……ひょろっとして、七三分けにした、気の弱そうなヤツ。鼻の左側に大きな黒子あった」
箸の先で空中に何かを描くような仕草をしながら、アキが言う。その言葉に、ユキも思い当たる節があった。
「あ。それ、見た。昨日ロードワークのとき、えと。7時ごろだっけ?」
少し離れた電柱のあたりに全く隠れてはいないのだが、身を隠すように立っていた男のことを思い出す。職業柄、さすがに大抵の不審人物の顔は覚えている。けれど、そいつに関しては怪しすぎて逆に警戒心がわかなかった。
「さっき、帰って来るときもいたんだけど、たしか、おとといの昼間、買い出しに行こうと思ったときにもいた気がする」
アキの言葉に、スイは『まじか』と、呟いてから大きくため息をついた。それから、リビングの大きな窓のほうに歩いて行って、ベランダに出て、下を見下ろしていた。
10秒ほどそこでスイは下を見下ろしていたのだが、眉間に皺を寄せて二人の元に帰って来た。
「どしたの? スイさん。あ。もしかして、まだいる?」
帰ってきたスイに尋ねると、もう一度スイが大きくため息をつく。
「あの人のことは気にしないでよ」
二人から、わずかに目をそらして、スイが言った。警戒しているとか、怖がっている様子はない。かといって、いくら不審人物とはいえ、全く知らない相手を見たときの反応でもない気がする。
「あの人……」
箸の先で塩鮭の切り身を崩しながら、アキが言う。あまり警戒しているというふうには見えない。ちょっと、気にかかった程度だろう。アキは警戒心が強い。だから、家の周りで起こる出来事には敏感な方だ。
「変なの?」
同じく手を会わせて、『いたたきます』と、言ってから、ユキが答える。
「ああ。なんか……ひょろっとして、七三分けにした、気の弱そうなヤツ。鼻の左側に大きな黒子あった」
箸の先で空中に何かを描くような仕草をしながら、アキが言う。その言葉に、ユキも思い当たる節があった。
「あ。それ、見た。昨日ロードワークのとき、えと。7時ごろだっけ?」
少し離れた電柱のあたりに全く隠れてはいないのだが、身を隠すように立っていた男のことを思い出す。職業柄、さすがに大抵の不審人物の顔は覚えている。けれど、そいつに関しては怪しすぎて逆に警戒心がわかなかった。
「さっき、帰って来るときもいたんだけど、たしか、おとといの昼間、買い出しに行こうと思ったときにもいた気がする」
アキの言葉に、スイは『まじか』と、呟いてから大きくため息をついた。それから、リビングの大きな窓のほうに歩いて行って、ベランダに出て、下を見下ろしていた。
10秒ほどそこでスイは下を見下ろしていたのだが、眉間に皺を寄せて二人の元に帰って来た。
「どしたの? スイさん。あ。もしかして、まだいる?」
帰ってきたスイに尋ねると、もう一度スイが大きくため息をつく。
「あの人のことは気にしないでよ」
二人から、わずかに目をそらして、スイが言った。警戒しているとか、怖がっている様子はない。かといって、いくら不審人物とはいえ、全く知らない相手を見たときの反応でもない気がする。
「あの人……」
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