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Internally Flawless
26 安堵 5
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「あー。悪いけどそろそろ……」
そこはもう、3人の自宅の近くだった。二人がいい雰囲気だったから、少しだけスピードを落として運転していたのだが、さすがにもう、着いてしまう。それを伝えようとしたら、し。と、ユキが指先を口に当てた。
「寝てる」
微かにしか聞こえないような小声で、ユキが言う。ミラー越しに見ると、ユキの腕の中で安心しきった顔で寝息を立てるスイがいた。
めっちゃかわいい。
ユキの唇が、声を出さずにそう動く。
つかれてたんだろ。
同じく口には出さずに口を動かす。
それから、家の前に静かに静かに路駐して、アキは車を降りた。後部座席のドアを開けると、ユキからスイを受け取って抱き上げる。アキの首筋に頭を預けて、露わになった首筋にはまだ、昨日のキスマークが残っていた。
たしかに……これは。
アキは思う。ユキにも気付かれないように。
大井のことも、山崎のことも、理解などできないし、共感も、同情も、欠片もない。正直ここにいたら、アキの手で殺してやりたいくらいだと思う。
けれど、奴らも思ったのだろう。
そそりすぎ。
白い首筋に残るキスマークとか、襲いたくなる気持ちが少しだけ分かった。もちろん、行動に移すことはないし、行動に移すならその前にスイにちゃんと承諾を取るけれど。
そんなことを考えていたら、ごつ。と、後ろからライフルケースで小突かれた。
なんか、やらしいこと、かんがえてるだろ?
ユキの口がぱくぱく動く。
かんがえてますけど、なにか?
開き直ってそう答えると、トランクにライフルケースを投げ出して、ユキがスイをアキの腕から奪い取った。
きょうは、ぜったいだめ! やすませてあげなよ。
らいふるはあにきがかたづけろよな。
そう言って、すたすたと先に階段を上がっていってしまった。
もちろん、最初からスイを襲う気などない。可愛い寝顔をみられれば今夜は充分だ。
優しい弟の怒りに苦笑して兄はライフルケースを下げて、階段を上って行った。
そこはもう、3人の自宅の近くだった。二人がいい雰囲気だったから、少しだけスピードを落として運転していたのだが、さすがにもう、着いてしまう。それを伝えようとしたら、し。と、ユキが指先を口に当てた。
「寝てる」
微かにしか聞こえないような小声で、ユキが言う。ミラー越しに見ると、ユキの腕の中で安心しきった顔で寝息を立てるスイがいた。
めっちゃかわいい。
ユキの唇が、声を出さずにそう動く。
つかれてたんだろ。
同じく口には出さずに口を動かす。
それから、家の前に静かに静かに路駐して、アキは車を降りた。後部座席のドアを開けると、ユキからスイを受け取って抱き上げる。アキの首筋に頭を預けて、露わになった首筋にはまだ、昨日のキスマークが残っていた。
たしかに……これは。
アキは思う。ユキにも気付かれないように。
大井のことも、山崎のことも、理解などできないし、共感も、同情も、欠片もない。正直ここにいたら、アキの手で殺してやりたいくらいだと思う。
けれど、奴らも思ったのだろう。
そそりすぎ。
白い首筋に残るキスマークとか、襲いたくなる気持ちが少しだけ分かった。もちろん、行動に移すことはないし、行動に移すならその前にスイにちゃんと承諾を取るけれど。
そんなことを考えていたら、ごつ。と、後ろからライフルケースで小突かれた。
なんか、やらしいこと、かんがえてるだろ?
ユキの口がぱくぱく動く。
かんがえてますけど、なにか?
開き直ってそう答えると、トランクにライフルケースを投げ出して、ユキがスイをアキの腕から奪い取った。
きょうは、ぜったいだめ! やすませてあげなよ。
らいふるはあにきがかたづけろよな。
そう言って、すたすたと先に階段を上がっていってしまった。
もちろん、最初からスイを襲う気などない。可愛い寝顔をみられれば今夜は充分だ。
優しい弟の怒りに苦笑して兄はライフルケースを下げて、階段を上って行った。
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