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Internally Flawless
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「スイさん!」
入ってきたのはセイジだった。他にも数人の制服警官を連れている。
「大丈夫? 怪我ない? 無事??」
座り込んでいるスイに殆どナオと同じ様な質問をしてくる。
「大丈夫だよ。変質者はあの中。あ。それから、これ。あいつのスマホ。余罪があるみたいだから、証拠になるかもしれない。『写真撮って脅した』って言ってたから」
セイジの掌に男のスマートフォンを渡す。
「申し訳ないんだけど……俺は被害届は出せない。理由は聞かないでほしい。
もし、この中に余罪の証拠があったとしても、強姦は親告罪だから、起訴は難しいかもしれないことは……覚悟しといて」
スイには戸籍がない。だから、被害届を出すことも、裁判になることも、避けなければならない。
けれど、被害に遭った女性に提訴しろとも言えない。全てを忘れたいと思っている人にとって、それは耐えがたい苦しみだろう。同じ苦しみを味わったことがあるスイにはそれが理解できた。
「わかった」
渡されたスマートフォンをセイジは制服警官に渡す。制服警官はそれをビニール袋に入れた。
「なんか。すごく顔色悪い。大丈夫? 少し……話聞きたいけれど……もし具合悪いなら、明日にするけど」
遠慮がちに問いかけてくるセイジにスイは笑顔を返した。事情聴取くらいはやむを得ない。
そう思っているところへ、シャワールームのドアが開いて、犯人の男が両脇を警察官に抱えられて出てきた。
「女神さまがいったんだ……宣託なんだ……あいつをめちゃくちゃにしろって……犯して写真撮って晒せって……俺は……女神さまのいうとおりに……」
うつろな表情でぶつぶつと呟いている。酷く不快でスイは男から目を逸らした。
「……お前だ!」
そのスイの姿が目に入ったのか、男は両脇を抱えている警察官の腕を振り払おうとするかのように暴れだした。
「お前が女神さまの邪魔をするから! 他の女も!! お美しい女神さまの邪魔をするから! 俺が排除するんだ! 犯して、壊して、ペットとして飼ってやるんだ! お前も、俺の足を舐めろよ! でないと晒し物にするぞ!!」
唾を飛ばしながら、顔を紅潮させ、焦点の定まらない目でスイを見つめて、男が叫ぶ。言っている内容にも、その姿にも、最早侮蔑の感情しか湧いてこない。
「あの女たちも。最初は俺のこと汚物でも見るみたいに見てた。でも……ひひ。1か月もすれば、みんな泣きながら俺を求めるようになったよ。ひひひ。あいつらは豚だ。だから、俺が飼ってやるんだ。豚だから、いくら犯したって罪になんてならない。お前もすぐに脚開いて『してして』って言うように調教してやるよ!」
表情は次第に歪んでいく。口から涎を垂らし、目を血走らせ、股間を膨らませて叫ぶ姿は醜悪としか言いようがなかった。さっきまで、こいつに触られていたのかと思うと、また吐き気がした。
何かを言い返したかったけれど、口を開いたら吐いてしまいそうで、スイは開きかけた口を噤んだ。
「……豚はお前だろ?」
入ってきたのはセイジだった。他にも数人の制服警官を連れている。
「大丈夫? 怪我ない? 無事??」
座り込んでいるスイに殆どナオと同じ様な質問をしてくる。
「大丈夫だよ。変質者はあの中。あ。それから、これ。あいつのスマホ。余罪があるみたいだから、証拠になるかもしれない。『写真撮って脅した』って言ってたから」
セイジの掌に男のスマートフォンを渡す。
「申し訳ないんだけど……俺は被害届は出せない。理由は聞かないでほしい。
もし、この中に余罪の証拠があったとしても、強姦は親告罪だから、起訴は難しいかもしれないことは……覚悟しといて」
スイには戸籍がない。だから、被害届を出すことも、裁判になることも、避けなければならない。
けれど、被害に遭った女性に提訴しろとも言えない。全てを忘れたいと思っている人にとって、それは耐えがたい苦しみだろう。同じ苦しみを味わったことがあるスイにはそれが理解できた。
「わかった」
渡されたスマートフォンをセイジは制服警官に渡す。制服警官はそれをビニール袋に入れた。
「なんか。すごく顔色悪い。大丈夫? 少し……話聞きたいけれど……もし具合悪いなら、明日にするけど」
遠慮がちに問いかけてくるセイジにスイは笑顔を返した。事情聴取くらいはやむを得ない。
そう思っているところへ、シャワールームのドアが開いて、犯人の男が両脇を警察官に抱えられて出てきた。
「女神さまがいったんだ……宣託なんだ……あいつをめちゃくちゃにしろって……犯して写真撮って晒せって……俺は……女神さまのいうとおりに……」
うつろな表情でぶつぶつと呟いている。酷く不快でスイは男から目を逸らした。
「……お前だ!」
そのスイの姿が目に入ったのか、男は両脇を抱えている警察官の腕を振り払おうとするかのように暴れだした。
「お前が女神さまの邪魔をするから! 他の女も!! お美しい女神さまの邪魔をするから! 俺が排除するんだ! 犯して、壊して、ペットとして飼ってやるんだ! お前も、俺の足を舐めろよ! でないと晒し物にするぞ!!」
唾を飛ばしながら、顔を紅潮させ、焦点の定まらない目でスイを見つめて、男が叫ぶ。言っている内容にも、その姿にも、最早侮蔑の感情しか湧いてこない。
「あの女たちも。最初は俺のこと汚物でも見るみたいに見てた。でも……ひひ。1か月もすれば、みんな泣きながら俺を求めるようになったよ。ひひひ。あいつらは豚だ。だから、俺が飼ってやるんだ。豚だから、いくら犯したって罪になんてならない。お前もすぐに脚開いて『してして』って言うように調教してやるよ!」
表情は次第に歪んでいく。口から涎を垂らし、目を血走らせ、股間を膨らませて叫ぶ姿は醜悪としか言いようがなかった。さっきまで、こいつに触られていたのかと思うと、また吐き気がした。
何かを言い返したかったけれど、口を開いたら吐いてしまいそうで、スイは開きかけた口を噤んだ。
「……豚はお前だろ?」
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