遠くて近い世界で

司書Y

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Internally Flawless

12 熱情 6

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「……あ……きは」

 何かが後孔から溢れだすのが分かる。それは、ひざ裏を舐めて足を伝った。

「……ごめ……ちから……はいらな……」

 そのまま、くたりと、スイはアキに身体を預ける。足には全く力が入らなかった。

「いいよ。このまま抱いてくから」

 その身体がふわりと宙に浮いた。子供抱きで。

「零れちゃうから、動かないで?」

 言われるままにアキの首に手を回して抱きつくと、アキがくすりと笑う。

「……アキ?」

「強情な翡翠もかわいいけど、素直なら3割増しかな?」

 すごく、すごく、カッコいい顔で、アキが笑って、ちゅっ。と、啄ばむようなキスをくれた。

「いっとくけど……これで終わりじゃないからな?」

 それから、すごく、すごく、意地悪な顔になる。

「も、ちょっと、翡翠のことめちゃくちゃにさせてもらうよ?」

 言われて、自分の顔が真っ赤になっていくのを感じる。

「……じゃ。先に……シャワー浴びたい……」

 それが恥ずかしくて、スイはアキの首に手を回してその髪に顔を埋めた。

「了解。どのドア?」

 口で言わずに、バスルームのドアを指差す。

「それじゃ、ご奉仕いたしますよ。俺のお姫さま」

 軽々と片手でスイを抱きあげたまま、アキはバスルームのドアを開けた

「お姫様じゃねーし」

 スイの精一杯の強がりは、バスルームのドアの向こうに消えて行った。
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