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Internally Flawless
12 熱情 5
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「……ひ……すい。も。いいよ」
そっと、頬に手を当てて、促されて、唇を離す。離した途端に咳き込んでしまった。
「大丈夫?」
スイの細い身体を脇に手を入れて立たせて、腕の中に納めて、アキがキスをくれる。
その壊れ物を扱うような仕草も、愛情を隠そうとしない視線も、気遣うような言葉も、蕩けそうなほど優しい。そんなアキが大好きだ。けれど、今は足りない。もっと、我を忘れるくらいに、自分に夢中になってほしい。
「……ごめん。先に謝っとく」
そんなことを考えていた。
え?
と、聞き返そうとした声は、だから、言葉にならなかった。
「……っひぁああっ」
突然、壁を背に身体を抱えあげられて、大きく開かれた脚の間に硬くて熱いソレが割り込んできた。
「……ぁあ……っや……っな……に……? は……ああん」
まだ、慣れ切っていないソコに割り込んできたソレに自重のせいで最奥まで貫かれて、スイの細い首が大きく撓る。見開いた目からは大粒の涙が、嬌声に開いたままの唇からは唾液が、零れて身体を汚した。
「……あぁ。あ……ん。アキ……っ。ああっ。んんあ。や……む……り」
奥まで迎え入れたまま、しばらくアキの動きが止まる。ぐりと、最奥にその熱さを感じて、動いてもいないのに内壁がうねってソレを締め付けた。
痛いのか、苦しいのか、それとも快楽を感じているのか、分からない。息すら、上手くはできなかった。
多分、一番。本当に一番奥、アキしか知らない場所まで、届いている。アキのなら、そうなってしまうと、思う。
アキだ。
そう思うと、苦痛だと思っていたものが、快感なのだと、気付く。いや、気付かさせられる。
「は……ぁん。……おく……っ。あぁ。だ……め」
ソコが悦いと分かってしまったのだろうか、不意に、激しい抽挿が始まった。執拗にスイが反応を返した場所ばかりを突かれる。遠慮も、優しさも、そこにはなくて、ただ、貪欲に快楽を与えて、奪い取るそんな行為だった。
「……あっ。ああっ。ああっ。……あ……き……ぁあん。やだ……ぁ。あんっ。や……っこん……なの……ぁあ」
何度も何度も大きく揺さぶられて、その度に凶器みたいな悦楽に翻弄されて、もう、自分の口から出ている言葉がどんなものなのかも分からなくなっていた。
ただ、ただ。気持ちいい。
「……アキ……っ。アキ……きもち……い? んんっ。あ……はぁ……おれ……っきもちい……いよぉ」
アキの首に手を回して、身体を支えて、激しい抽挿に耐えながら聞くと、余裕のなくなったアキの貌が揺れる視界に映る。
「……っきもち……いいよ。翡翠。俺は……も。翡翠じゃないとだめだっ」
アキの言葉が嬉しくて、キスを強請るように目を閉じると、すぐにその唇が願いを叶えてくれた。
「……んんっ。んっ。んうっ」
口づけしたまま、さらに激しくなっていく抽挿に身を任せる。もう、スイ自身も大きく立ち上がって、ぬるぬると先走りを零していた。
「……は……ぁん。あっ。……ああっ。……も……アキ……っ。俺……イ……ちゃう……っ。あっぁあ」
唇が離れると、スイは言った。身体の奥が熱い。もう、ソコを突かれ過ぎて、頭が真っ白になってきた。ただ、気持ちがいいと、それしか考えられない。
「……アキ……っ。あ……っ。だめ……っぁあ。イ……く……ぁあん。あっああ。」
二人の腹をスイが出したものが濡らす。びくり、びくりと、スイの細い身体も、男性器も震える。
けれど、抽挿は止まなかった。
「……え……あっ。や……まって……っ。だめ……っ。アキ……や。それ……ああぁん。だめ……だよぉ……おれ……こわ……れ……っあああっ」
イったばかりの身体を容赦なく揺さぶられて、スイの瞳が焦点を失う。身体が弛緩して、ふわふわと浮いた感じになるのに、快感だけはさらに強く感じられて、さらに身体が追い込まれていくような感覚になる。
「……は……ぁあん。あ……あ……あっ。んん。きも……ちい……っあ……ぁあ」
殆ど意味のない喘ぎと、唾液が唇から零れる。気持ち良くて、気持ち良くて、何も考えられない。快感以外、身体に何も残っていないみたいだ。
「翡翠……っ……かわいいよ? っっ……中に……だしてい?」
痺れるみたいな快楽の中、アキの声は近くに聞こえた。
「……ん。はぁん……いい……よ……中に……っあ……だし……て……っ」
アキのため息のような吐息が聞こえる。さらに出し入れが激しくなって、きっともう、限界だと思う。
「翡翠……っ」
それまでの一番奥まで貫いて、その場所に熱いものが放たれたのを感じる。そんなもの、分かるはずがないと、言われるかもしれないけれど、確かに、最奥にアキを感じた。
浅い抽挿を繰り返して、全部、スイの中に解放してから、ずるりと、アキが退く。その感覚にも敏感になった身体は大きく反応を返してしまう。
そっと、頬に手を当てて、促されて、唇を離す。離した途端に咳き込んでしまった。
「大丈夫?」
スイの細い身体を脇に手を入れて立たせて、腕の中に納めて、アキがキスをくれる。
その壊れ物を扱うような仕草も、愛情を隠そうとしない視線も、気遣うような言葉も、蕩けそうなほど優しい。そんなアキが大好きだ。けれど、今は足りない。もっと、我を忘れるくらいに、自分に夢中になってほしい。
「……ごめん。先に謝っとく」
そんなことを考えていた。
え?
と、聞き返そうとした声は、だから、言葉にならなかった。
「……っひぁああっ」
突然、壁を背に身体を抱えあげられて、大きく開かれた脚の間に硬くて熱いソレが割り込んできた。
「……ぁあ……っや……っな……に……? は……ああん」
まだ、慣れ切っていないソコに割り込んできたソレに自重のせいで最奥まで貫かれて、スイの細い首が大きく撓る。見開いた目からは大粒の涙が、嬌声に開いたままの唇からは唾液が、零れて身体を汚した。
「……あぁ。あ……ん。アキ……っ。ああっ。んんあ。や……む……り」
奥まで迎え入れたまま、しばらくアキの動きが止まる。ぐりと、最奥にその熱さを感じて、動いてもいないのに内壁がうねってソレを締め付けた。
痛いのか、苦しいのか、それとも快楽を感じているのか、分からない。息すら、上手くはできなかった。
多分、一番。本当に一番奥、アキしか知らない場所まで、届いている。アキのなら、そうなってしまうと、思う。
アキだ。
そう思うと、苦痛だと思っていたものが、快感なのだと、気付く。いや、気付かさせられる。
「は……ぁん。……おく……っ。あぁ。だ……め」
ソコが悦いと分かってしまったのだろうか、不意に、激しい抽挿が始まった。執拗にスイが反応を返した場所ばかりを突かれる。遠慮も、優しさも、そこにはなくて、ただ、貪欲に快楽を与えて、奪い取るそんな行為だった。
「……あっ。ああっ。ああっ。……あ……き……ぁあん。やだ……ぁ。あんっ。や……っこん……なの……ぁあ」
何度も何度も大きく揺さぶられて、その度に凶器みたいな悦楽に翻弄されて、もう、自分の口から出ている言葉がどんなものなのかも分からなくなっていた。
ただ、ただ。気持ちいい。
「……アキ……っ。アキ……きもち……い? んんっ。あ……はぁ……おれ……っきもちい……いよぉ」
アキの首に手を回して、身体を支えて、激しい抽挿に耐えながら聞くと、余裕のなくなったアキの貌が揺れる視界に映る。
「……っきもち……いいよ。翡翠。俺は……も。翡翠じゃないとだめだっ」
アキの言葉が嬉しくて、キスを強請るように目を閉じると、すぐにその唇が願いを叶えてくれた。
「……んんっ。んっ。んうっ」
口づけしたまま、さらに激しくなっていく抽挿に身を任せる。もう、スイ自身も大きく立ち上がって、ぬるぬると先走りを零していた。
「……は……ぁん。あっ。……ああっ。……も……アキ……っ。俺……イ……ちゃう……っ。あっぁあ」
唇が離れると、スイは言った。身体の奥が熱い。もう、ソコを突かれ過ぎて、頭が真っ白になってきた。ただ、気持ちがいいと、それしか考えられない。
「……アキ……っ。あ……っ。だめ……っぁあ。イ……く……ぁあん。あっああ。」
二人の腹をスイが出したものが濡らす。びくり、びくりと、スイの細い身体も、男性器も震える。
けれど、抽挿は止まなかった。
「……え……あっ。や……まって……っ。だめ……っ。アキ……や。それ……ああぁん。だめ……だよぉ……おれ……こわ……れ……っあああっ」
イったばかりの身体を容赦なく揺さぶられて、スイの瞳が焦点を失う。身体が弛緩して、ふわふわと浮いた感じになるのに、快感だけはさらに強く感じられて、さらに身体が追い込まれていくような感覚になる。
「……は……ぁあん。あ……あ……あっ。んん。きも……ちい……っあ……ぁあ」
殆ど意味のない喘ぎと、唾液が唇から零れる。気持ち良くて、気持ち良くて、何も考えられない。快感以外、身体に何も残っていないみたいだ。
「翡翠……っ……かわいいよ? っっ……中に……だしてい?」
痺れるみたいな快楽の中、アキの声は近くに聞こえた。
「……ん。はぁん……いい……よ……中に……っあ……だし……て……っ」
アキのため息のような吐息が聞こえる。さらに出し入れが激しくなって、きっともう、限界だと思う。
「翡翠……っ」
それまでの一番奥まで貫いて、その場所に熱いものが放たれたのを感じる。そんなもの、分かるはずがないと、言われるかもしれないけれど、確かに、最奥にアキを感じた。
浅い抽挿を繰り返して、全部、スイの中に解放してから、ずるりと、アキが退く。その感覚にも敏感になった身体は大きく反応を返してしまう。
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