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Internally Flawless
11 榛 5
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「スイさん。ごめんな。別に……スイさんのしたいこととか、してきた仕事とか、そういうの否定したかったわけじゃないんだ」
けれど、結局自分がスイを傷つけてしまったことに、罪悪感は大きかった。スイがあまりに素直に謝って、その上自分の言うことに従ってくれるから、その想いが余計に強くなる。
「ホントごめん。俺の我儘。スイさんをどこにもやりたくない。だって、そうだろ? たった3週間離れてただけで、スイさんは告白されて、髪触られて、部屋に連れ込まれそうになってるんだぜ?」
情けないと思う。けれど、本心だった。素直なスイに感化されてしまったのだろうか、アキの口からも正直な思いが溢れ出した。
「でも……俺はアキ君とユキ君のことしか、好きじゃないよ?」
ぎゅっとアキの背中に腕を回して、抱きしめて、スイが言う。
「分かってる。信じてる。
けど、スイさんが俺や、ユキのこと好きでいてくれても、スイさんの気持ちとか考えない上に無理やり誘ってくる奴とかもいるだろ? や。スイさんがそんな奴らぼこぼこにできることも分かってる。
でも、心配なんだよ。体調の悪いときだってある。相手が俺たちよりも強いことだってある。そんなときに、そばにいられないことが嫌なんだ」
今までこんな風に思う相手なんていなかった。こんなカッコ悪い話を正直に話せる人もいなかった。でも、スイには知っていてほしい。もう、喧嘩して一緒にいられなくなるなんて御免だった。
「……うん。アキ君の気持ちわかった。大切にしてくれて……ありがと。俺の方こそ、意地張って……ごめん。あのさ。……聞いてくれるかな」
身体を離して、アキの両手を握って、スイが言う。
「俺さ。きっと……たぶん。嫉妬……してた」
小さくて消えてしまいそうな声だった。
「ネットで初めてあの人見た時、すげえ綺麗で、ホント、エメラルドみたいな綺麗な髪や、目の色で。同じ緑なのにこんなに違うって……鏡見たらため息でた。そしたら、もう、心配で……アキ君やユキ君も綺麗だって思うんだろうな……ってさ」
また、声が涙声になっている。それでも必死で話を続けようとしているのが分かった。
そんな健気な姿が本当に可愛いと思う。
「それでも、最初は二人が帰ってきた時、少しでもゆっくりできるようにって思って、好きなもの作ったり、部屋綺麗にしたり。でも、俺に出来ることなんて飯作って待ってるだけなのかなって思ったら、なんか……余計に不安になって」
こんな風に自分の想いを語るスイをあまり見たことはなかった。酷く頑ななところや、強情なところを隠さずに曝け出す一方で、スイはその心情がどうであるのかをあまり語らない。だから、アキは邪魔をせずにスイの言葉を聞いていた。
「セイジ君が仕事の話を持ってきてくれた時、これで二人の役に立てるって思ったのは本当なんだ。二人の『家政婦』じゃなくて『仲間』として、胸を張っていられるって思ったのも本当だ。
でも……心の中では思ってた。あの人の傍にいてほしくない。自分も近くにいたい。少しでも早く解決して、二人を取り戻したい。……はは……みっともないよな。アキ君が怒るの当たり前だ」
押し殺したスイの嗚咽の声が聞こえる。
けれど、結局自分がスイを傷つけてしまったことに、罪悪感は大きかった。スイがあまりに素直に謝って、その上自分の言うことに従ってくれるから、その想いが余計に強くなる。
「ホントごめん。俺の我儘。スイさんをどこにもやりたくない。だって、そうだろ? たった3週間離れてただけで、スイさんは告白されて、髪触られて、部屋に連れ込まれそうになってるんだぜ?」
情けないと思う。けれど、本心だった。素直なスイに感化されてしまったのだろうか、アキの口からも正直な思いが溢れ出した。
「でも……俺はアキ君とユキ君のことしか、好きじゃないよ?」
ぎゅっとアキの背中に腕を回して、抱きしめて、スイが言う。
「分かってる。信じてる。
けど、スイさんが俺や、ユキのこと好きでいてくれても、スイさんの気持ちとか考えない上に無理やり誘ってくる奴とかもいるだろ? や。スイさんがそんな奴らぼこぼこにできることも分かってる。
でも、心配なんだよ。体調の悪いときだってある。相手が俺たちよりも強いことだってある。そんなときに、そばにいられないことが嫌なんだ」
今までこんな風に思う相手なんていなかった。こんなカッコ悪い話を正直に話せる人もいなかった。でも、スイには知っていてほしい。もう、喧嘩して一緒にいられなくなるなんて御免だった。
「……うん。アキ君の気持ちわかった。大切にしてくれて……ありがと。俺の方こそ、意地張って……ごめん。あのさ。……聞いてくれるかな」
身体を離して、アキの両手を握って、スイが言う。
「俺さ。きっと……たぶん。嫉妬……してた」
小さくて消えてしまいそうな声だった。
「ネットで初めてあの人見た時、すげえ綺麗で、ホント、エメラルドみたいな綺麗な髪や、目の色で。同じ緑なのにこんなに違うって……鏡見たらため息でた。そしたら、もう、心配で……アキ君やユキ君も綺麗だって思うんだろうな……ってさ」
また、声が涙声になっている。それでも必死で話を続けようとしているのが分かった。
そんな健気な姿が本当に可愛いと思う。
「それでも、最初は二人が帰ってきた時、少しでもゆっくりできるようにって思って、好きなもの作ったり、部屋綺麗にしたり。でも、俺に出来ることなんて飯作って待ってるだけなのかなって思ったら、なんか……余計に不安になって」
こんな風に自分の想いを語るスイをあまり見たことはなかった。酷く頑ななところや、強情なところを隠さずに曝け出す一方で、スイはその心情がどうであるのかをあまり語らない。だから、アキは邪魔をせずにスイの言葉を聞いていた。
「セイジ君が仕事の話を持ってきてくれた時、これで二人の役に立てるって思ったのは本当なんだ。二人の『家政婦』じゃなくて『仲間』として、胸を張っていられるって思ったのも本当だ。
でも……心の中では思ってた。あの人の傍にいてほしくない。自分も近くにいたい。少しでも早く解決して、二人を取り戻したい。……はは……みっともないよな。アキ君が怒るの当たり前だ」
押し殺したスイの嗚咽の声が聞こえる。
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