遠くて近い世界で

司書Y

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 膨大な量の文字列。
 白一色の画面に、黒い文字がびっしり並んでいた。
 その数は約4480000000文字。
 5日間。
 古今東西あらゆるタイプの暗号と照合し、その法則性を探った。
 その間、ずっと、それは自分の目に映っていたと思う。
 画面のちらつき。


 頭痛。
 焦燥感。
 いらつき。
 悪夢。
 あの言葉は何だったのか。


 邂逅。
 襲撃。
 閃光と金属音。
 銃声。
 逃走。

 
 薄暗い電灯の明かり。
  

 武装した集団。
 黒い女。
 黒い狼。


 ぴぴぴぴぴぴぴぴぴ。

 タイマーの音に、スイはびくりと、身体を震わせた。
 とりあえず、5分の間には、何事も起こらなかったらしい。
 そして、検証は完了した。ある一つのシナリオに全ては収束した。
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