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夏夜
きみがすきだ 5
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「……す……ず。おれ……」
きっと、その少し体温の低い掌越しに怖いくらいに鳴る心臓の音が伝わっている。でも、恥ずかしいとは思わない。伝わればいいと思う。
確かめるように素肌の上をすべる掌。くすぐったいような、むず痒いような、それでいて切ないような、もどかしいような感触。
「……ん。あ」
けれど、かり。と、爪先がソコに触れた瞬間。思わず、声が漏れた。
「ここ。イイんですか?」
そんなこと、聞かないで! と、言いたかったけれど、さらにかりかり。と、ソコをひっかくように刺激されて、言葉にはならなかった。
多分、気持ちいい。とは、違う。と。思う。
男の乳首なんて、そんな場所じゃない。と。思う。ゲイビのネコさんはすごく気持ちよさそうだったけれど。多分、今、菫が感じているのはまだ(?)それとは、違うものだ。と。思う。思いたい。
「……よく、ない?」
耳から甘い蜂蜜みたいな声が脳に流し込まれた。と、感じた。
「あっ。ん」
それを追って、つ。と、舌が耳を撫でる。その上、耳朶を甘噛みされて、同時にさっきまで爪で擽っていたソコをきゅ。と、ゆるく抓まれて、漏れた声はゲイビも真っ青な甘い、かすれた声だった。
「イイんだ?」
菫の反応に、鈴が少しだけ意地の悪い顔をする。いつもの菫の反応を見てくれる鈴とは違うそんな表情にぞくり。と、何かが背筋を掠めた。
「……や。……よく……な」
そんなところで感じているのだと、自覚すると、それが恥ずかしくて、思わず否定の言葉が漏れる。けれど、その声も子猫が鳴くような甘え切った声だった。恥ずかしくて逃げ出そうと身体を捩ると、ぐい。と、力強い腕で押し戻された。
「じゃ。よくなるようにもっと、『練習』しないと」
そんなことを言って、鈴は小さな菫の胸の突起を抓んで刺激しながら、その先端をかりかり。と、ひっかいてきた。なんだか、妙に楽しそうだ。態勢が変わって、さっきよりずっと固い何かがわかりやすく菫の身体に当たっている。鈴は身体の関係なんて望んでいないんじゃないか。なんて、完全に杞憂だったらしい。
「や……ま。すず。んん……かりかり……しない……で」
ソコを弄ぶ鈴の腕に片手を添えて、けれど、引き離すことなんてできなくて、されるがままになりながら、ぎゅ。と、もう片方の手で鈴の服の裾を握り締める。そんな初々しい姿に煽られない恋人なんていないことに、菫は気付いてはいなかった。
「ホント……かわいい。もっと、もっと、見せてください」
胸を弄る手はそのままに、する。と、もう片方の手が菫の下半身に延びた。ハーフパンツの布越しに鈴の手が、ソコに触れる。もう、変な声を出さずにいるのが精一杯で、菫は両手で口を押えて、ふるふる。と、首を振る。
「よかった。勃ってる」
安堵したようなため息を漏らして、鈴が呟いた。その言葉の通りだった。さっきから、菫のソコだって、しっかりと反応している。
「ンンっ」
いや。反応しているなんていう状態ではない。張り詰めて痛いくらいだ。
「すご……。濡れてる」
片手でハーフパンツと下着をずらされて、ソコが少し薄暗い間接照明の元に晒された。鈴のいう通りに、ソコは既に先走りで濡れている。
でも、やっぱり、言わないでほしかった。恥ずか死ねる。
「そ……んなの……すず……だって」
なんだか、自分だけが興奮しているみたいで悔しくて、菫はさっきから当たっている鈴の固いものに触れた。いや、正確には握った。
「……あ……」
そこで、固まったのは、鈴ではなくて菫の方だった。鈴も、ん。と、小さく切羽詰まったような声を漏らしたけれど、菫の耳には届いていなかった。
「……あ……の」
自分のしでかしたことが恥ずかしいのももちろんある。けれど、それ以上に。
「……お……きいね?」
想像以上だった。鈴の体格から言って小さいことはないとは思ったけれど、想像以上だった。
「……えと。無理……ですか?」
しゅん。と、少し困ったような表情を浮かべる鈴。その表情は今まで見たどんな顔よりも可愛く見えて、もう、ダメなんて言葉は心の片隅からも消えてしまっていた。
「……大丈夫。でも。その。ゆっくり。お願いします」
笑顔はぎこちなかったかもしれないけれど、笑いかけるとものすごく申し訳なさそうな顔で、鈴の髪がすり寄ってくる。
「ごめんなさい。けど。も、やめるのは……無理そうで……絶対に優しくするから」
言い訳のように言う鈴の言葉は、キスで遮った。
「いいんだよ? も。やめるの。無理なのは。俺も一緒」
そのまま、ぎゅ。と、抱きしめる。
「少しくらい痛くてもいいし、苦しくてもいい。でも、今日。鈴と……したい」
さっきのお返しとばかりに耳元で囁くと、菫が抱きしめるよりずっと強い力で抱き返された。
あ。これが、繋がる。ってことだ。
ふと。思う。
今まで女性とした行為だって、セックスだったけれど、これはきっと特別だ。今、この瞬間も、これから鈴と二人ですることも、今まで誰かとしたどんなこととも違う。
菫の全部で、鈴の全部と繋がるのだということ。
「鈴。ありがと」
見つけてくれて。
出会ってくれて。
好きになってくれて。
特別になってくれて。
繋いでくれて。
菫の思いは鈴が再開した愛撫に言葉にはならなかったけれど、きっと、伝わった。そう、確信できた菫だった。
きっと、その少し体温の低い掌越しに怖いくらいに鳴る心臓の音が伝わっている。でも、恥ずかしいとは思わない。伝わればいいと思う。
確かめるように素肌の上をすべる掌。くすぐったいような、むず痒いような、それでいて切ないような、もどかしいような感触。
「……ん。あ」
けれど、かり。と、爪先がソコに触れた瞬間。思わず、声が漏れた。
「ここ。イイんですか?」
そんなこと、聞かないで! と、言いたかったけれど、さらにかりかり。と、ソコをひっかくように刺激されて、言葉にはならなかった。
多分、気持ちいい。とは、違う。と。思う。
男の乳首なんて、そんな場所じゃない。と。思う。ゲイビのネコさんはすごく気持ちよさそうだったけれど。多分、今、菫が感じているのはまだ(?)それとは、違うものだ。と。思う。思いたい。
「……よく、ない?」
耳から甘い蜂蜜みたいな声が脳に流し込まれた。と、感じた。
「あっ。ん」
それを追って、つ。と、舌が耳を撫でる。その上、耳朶を甘噛みされて、同時にさっきまで爪で擽っていたソコをきゅ。と、ゆるく抓まれて、漏れた声はゲイビも真っ青な甘い、かすれた声だった。
「イイんだ?」
菫の反応に、鈴が少しだけ意地の悪い顔をする。いつもの菫の反応を見てくれる鈴とは違うそんな表情にぞくり。と、何かが背筋を掠めた。
「……や。……よく……な」
そんなところで感じているのだと、自覚すると、それが恥ずかしくて、思わず否定の言葉が漏れる。けれど、その声も子猫が鳴くような甘え切った声だった。恥ずかしくて逃げ出そうと身体を捩ると、ぐい。と、力強い腕で押し戻された。
「じゃ。よくなるようにもっと、『練習』しないと」
そんなことを言って、鈴は小さな菫の胸の突起を抓んで刺激しながら、その先端をかりかり。と、ひっかいてきた。なんだか、妙に楽しそうだ。態勢が変わって、さっきよりずっと固い何かがわかりやすく菫の身体に当たっている。鈴は身体の関係なんて望んでいないんじゃないか。なんて、完全に杞憂だったらしい。
「や……ま。すず。んん……かりかり……しない……で」
ソコを弄ぶ鈴の腕に片手を添えて、けれど、引き離すことなんてできなくて、されるがままになりながら、ぎゅ。と、もう片方の手で鈴の服の裾を握り締める。そんな初々しい姿に煽られない恋人なんていないことに、菫は気付いてはいなかった。
「ホント……かわいい。もっと、もっと、見せてください」
胸を弄る手はそのままに、する。と、もう片方の手が菫の下半身に延びた。ハーフパンツの布越しに鈴の手が、ソコに触れる。もう、変な声を出さずにいるのが精一杯で、菫は両手で口を押えて、ふるふる。と、首を振る。
「よかった。勃ってる」
安堵したようなため息を漏らして、鈴が呟いた。その言葉の通りだった。さっきから、菫のソコだって、しっかりと反応している。
「ンンっ」
いや。反応しているなんていう状態ではない。張り詰めて痛いくらいだ。
「すご……。濡れてる」
片手でハーフパンツと下着をずらされて、ソコが少し薄暗い間接照明の元に晒された。鈴のいう通りに、ソコは既に先走りで濡れている。
でも、やっぱり、言わないでほしかった。恥ずか死ねる。
「そ……んなの……すず……だって」
なんだか、自分だけが興奮しているみたいで悔しくて、菫はさっきから当たっている鈴の固いものに触れた。いや、正確には握った。
「……あ……」
そこで、固まったのは、鈴ではなくて菫の方だった。鈴も、ん。と、小さく切羽詰まったような声を漏らしたけれど、菫の耳には届いていなかった。
「……あ……の」
自分のしでかしたことが恥ずかしいのももちろんある。けれど、それ以上に。
「……お……きいね?」
想像以上だった。鈴の体格から言って小さいことはないとは思ったけれど、想像以上だった。
「……えと。無理……ですか?」
しゅん。と、少し困ったような表情を浮かべる鈴。その表情は今まで見たどんな顔よりも可愛く見えて、もう、ダメなんて言葉は心の片隅からも消えてしまっていた。
「……大丈夫。でも。その。ゆっくり。お願いします」
笑顔はぎこちなかったかもしれないけれど、笑いかけるとものすごく申し訳なさそうな顔で、鈴の髪がすり寄ってくる。
「ごめんなさい。けど。も、やめるのは……無理そうで……絶対に優しくするから」
言い訳のように言う鈴の言葉は、キスで遮った。
「いいんだよ? も。やめるの。無理なのは。俺も一緒」
そのまま、ぎゅ。と、抱きしめる。
「少しくらい痛くてもいいし、苦しくてもいい。でも、今日。鈴と……したい」
さっきのお返しとばかりに耳元で囁くと、菫が抱きしめるよりずっと強い力で抱き返された。
あ。これが、繋がる。ってことだ。
ふと。思う。
今まで女性とした行為だって、セックスだったけれど、これはきっと特別だ。今、この瞬間も、これから鈴と二人ですることも、今まで誰かとしたどんなこととも違う。
菫の全部で、鈴の全部と繋がるのだということ。
「鈴。ありがと」
見つけてくれて。
出会ってくれて。
好きになってくれて。
特別になってくれて。
繋いでくれて。
菫の思いは鈴が再開した愛撫に言葉にはならなかったけれど、きっと、伝わった。そう、確信できた菫だった。
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