リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

文字の大きさ
上 下
162 / 424
第6章〜宮廷編〜

騒がしい朝

しおりを挟む



涙目を2人へ向ける。


「っっ、絶対、2人の方、が、特別扱いでしょう?」


側から見れば、そうだ。
コクヨウとディオンの2人は、他の皆んなからは私の特別に見えるだろう。
それで皆んなから非難された事はないが、家族の一部を特別扱いするのはダメだ。


「そんな涙目を向けて、ディアは僕達を誘ってるのですか?」
「ディアのご期待に私達も、しっかりと応えなくてはなりませんね。」
「~~~っっ、!?」


・・だから、一体、なぜ、そうなるの?


「ディアの特別になれなくても良いですから、心の中を独占させてください。」
「それぐらいの独占欲は許してくださいますよね、ディア?」
「っっ、」


散々2人に乱された夜。
お願い通り何も考える事なく私は朝を迎えた。


「ディア様?」
「機嫌をお直し下さい。」
「やっ、」


が、不機嫌な私は2人から顔を逸らす。
だって、2人が悪いんだから。
カーシュ公が与えた不安と嫌な事を忘れさせてくれって頼んだのは間違いなく私だよ?
だからって。


「っっ、あんな、意地悪、」


酷いよ。
何度、もう止めてとお願いしただろう。
その度に2人からの愛撫を与えられ、最後には私の方から2人の事が欲しいと強請らされたのだ。
思い出すだけで恥ずかしい。


「もう、しばらくは2人としないッ!」
「「っっ、!?」」


私の言葉に、ぴしりと固まる2人。
動揺を滲ませる。
でも、今回は2人が悪いんだもん。


「っっ、しない、とは、ディア様、どこまでですか?」
「手を繋ぐのは?ディア様を抱き締める事さえダメなのですか!?」
「・・・それ、ぐらい、は、良い、よ。」


ハグまでなら?
まぁ、ギリギリ形容範囲としよう。


「では、キスは?」


コクヨウが切羽詰ったように私に迫る。


「んー、キスもダメ?」
「「っっ、!?」」


酷くショックを受ける2人。
だって、ねぇ?


「2人ともキスだけで終われる?」
「「・・・。」」


あっ、無言。
うん、2人ともキスだけでは無理なんだね。


「だから、キスはダメ。」


許しません。


「っっ、どうしても?」
「お、お許しいただく訳には?」
「昨日の夜に散々、私に意地悪した罰です。しばらく2人は罰を受けて反省してください。」


2人からそっぽを向き、シーツを自分の裸の身体に巻き付ける。


「今回の事をちゃんと反省して、2人とも。」


言い置いて、衝撃に固まる2人の事をベッドの上に放置してお風呂場へ向かった。
私の身体に散る赤い華。


「ーー・・キスだけ、で、私だって終われないじゃない。」


小さく呟き、2人に愛された証に指を這わす。
愛おしい証。


「好き、なんだもん。」


コクヨウとディオンの2人に触れられのは、心地良くて好きだ。
が、意地悪な事をされるのは羞恥心が勝る。
断固として罰を受けてもらう。


「もう、あんな意地悪じゃ無くて、ただ普通に愛してよ。」


2人のバカ。
ふくれっ面でシャワーを浴びる。


「っっ、ディア様!」
「どうか、お許しを!」


自室のお風呂場でシャワーを浴びる私の元へコクヨウとディオンが慌てた表情で駆け込んできたのは、数分後。
今度は私が固まる事になる。


「「ディア様!」」
「っっ、~~~、2人とも早く出てってッ!」


羞恥に叫ぶ私。


「~~~っっ、2人の、バカッ!」


何してんの?
一緒にお風呂に入った事があるからって乱入する?


「・・あ、アディライトッ!」


この場にいないアディライトに助けを求める私。
朝から、カオスです。


「ディア様?リリスさんから来るように言われたのですが?」


アディライトがお風呂場に顔を覗かせる。
ナイスだよ、リリス。
不思議そうな顔をするアディライトの腕の中に涙目になった私は飛び込んだ。


「ディア様!?」
「ふぇ、アディライトっっ、」


助けて、本当。
羞恥で死にそうです。
そんなカオスなやり取りがあったお風呂場。
アディライトとリリスによって、お風呂場から叩き出されたコクヨウとディオンの2人に安心して、私はシャワーを浴びた。


「ーー・・ディア様、それほど不貞腐れなくてもよろしいのでは?」


甲斐甲斐しく私の世話を焼くアディライトが困ったような表情を浮かべる。


「無理。コクヨウとディオンの2人が意地悪なのがいけないんだもん。」


そっぽを向く。
2人が反省するまで放置だ。


「あらあら、2人の絶望する顔が想像できてしまいますね。」
「絶望?」
「ディア様のお側に寄れないのですよ?2人ともしばらくは使い物にならないでしょうね。」


どんだけ落ち込むんだ、2人とも。


しおりを挟む
感想 147

あなたにおすすめの小説

旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜

ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉 転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!? のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました…… イケメン山盛りの逆ハーです 前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります 小説家になろう、カクヨムに転載しています

異世界でお取り寄せ生活

マーチ・メイ
ファンタジー
異世界の魔力不足を補うため、年に数人が魔法を貰い渡り人として渡っていく、そんな世界である日、日本で普通に働いていた橋沼桜が選ばれた。 突然のことに驚く桜だったが、魔法を貰えると知りすぐさま快諾。 貰った魔法は、昔食べて美味しかったチョコレートをまた食べたいがためのお取り寄せ魔法。 意気揚々と異世界へ旅立ち、そして桜の異世界生活が始まる。 貰った魔法を満喫しつつ、異世界で知り合った人達と緩く、のんびりと異世界生活を楽しんでいたら、取り寄せ魔法でとんでもないことが起こり……!? そんな感じの話です。  のんびり緩い話が好きな人向け、恋愛要素は皆無です。 ※小説家になろう、カクヨムでも同時掲載しております。

神様の手違いで、おまけの転生?!お詫びにチートと無口な騎士団長もらっちゃいました?!

カヨワイさつき
恋愛
最初は、日本人で受験の日に何かにぶつかり死亡。次は、何かの討伐中に、死亡。次に目覚めたら、見知らぬ聖女のそばに、ポツンとおまけの召喚?あまりにも、不細工な為にその場から追い出されてしまった。 前世の記憶はあるものの、どれをとっても短命、不幸な出来事ばかりだった。 全てはドジで少し変なナルシストの神様の手違いだっ。おまけの転生?お詫びにチートと無口で不器用な騎士団長もらっちゃいました。今度こそ、幸せになるかもしれません?!

女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?

青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。 そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。 そんなユヅキの逆ハーレムのお話。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

皆で異世界転移したら、私だけがハブかれてイケメンに囲まれた

愛丸 リナ
恋愛
 少女は綺麗過ぎた。  整った顔、透き通るような金髪ロングと薄茶と灰色のオッドアイ……彼女はハーフだった。  最初は「可愛い」「綺麗」って言われてたよ?  でも、それは大きくなるにつれ、言われなくなってきて……いじめの対象になっちゃった。  クラス一斉に異世界へ転移した時、彼女だけは「醜女(しこめ)だから」と国外追放を言い渡されて……  たった一人で途方に暮れていた時、“彼ら”は現れた  それが後々あんな事になるなんて、その時の彼女は何も知らない ______________________________ ATTENTION 自己満小説満載 一話ずつ、出来上がり次第投稿 急亀更新急チーター更新だったり、不定期更新だったりする 文章が変な時があります 恋愛に発展するのはいつになるのかは、まだ未定 以上の事が大丈夫な方のみ、ゆっくりしていってください

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

異世界転移しましたが、面倒事に巻き込まれそうな予感しかしないので早めに逃げ出す事にします。

sou
ファンタジー
蕪木高等学校3年1組の生徒40名は突如眩い光に包まれた。 目が覚めた彼らは異世界転移し見知らぬ国、リスランダ王国へと転移していたのだ。 「勇者たちよ…この国を救ってくれ…えっ!一人いなくなった?どこに?」 これは、面倒事を予感した主人公がいち早く逃げ出し、平穏な暮らしを目指す物語。 なろう、カクヨムにも同作を投稿しています。

処理中です...