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第2章〜奴隷編〜
輝くディオンの羽と涙
しおりを挟む両方の羽が揃ったディオンの輝きは、先ほどまでとは比べようが無い。
神秘的で、幻想的。
「ーーーまぁ、とても綺麗。」
側に控えるアディライトの口から、ディオンへ賞賛の声が零れ落ちた。
だよね?
見惚れるのは、私だけじゃない。
「「ほわぁー」」
その側では、ディオンを凝視したままフィリアとフィリオ達の2人も驚きの表情を浮かべている。
うん、うん、分かるよ、その気持ち。
羽が両方揃ったら一層、ディオンのその美貌が光り輝くようだよ。
「はぁ、良かった。これで、ディオンは妖精族の蔑視の対象じゃ無くなるね?」
「・・・・?」
「ふふ、ディオン、羽が無かった方の背中を触ってみて?私の言葉の意味が分かるはずだから。」
ゆるりと、ディオンの手が背中の方へ動く。
自分の羽が無かった所へと。
「っっ、!?」
なんの感情も無かったディオンの瞳に、初めて驚愕の色が広がった。
「どう?驚いた?」
ディオンの無かった羽が両方あるんだもの。
驚くよね?
「ディオン、どうかな?おかしな感じはしない?」
「・・・っっ、は、ね、が、」
「うん、治したの。私のスキルで。」
いやー、我ながら、とても良い仕事したなぁ。
大満足だ。
「ディオン、違和感があったら教えてね?スキルで治すから。」
こんな時の為の、スキルさん。
上手に活用しないとの?
「ーーーっっ、」
「・・ディオン?」
ぽろりと、一粒ディオンの頬を涙が零れ落ちていく。
ーーー綺麗だと思った。
澄んだ瞳から涙を流すディオンの姿は。
「泣かないで、ディオン。」
「っっ、」
「大丈夫だよ、ディオン。もう大丈夫だから。」
泣く必要は無い。
もう誰も、今のディオンに理不尽な事を言う人はいないだろう。
蔑む事も、無能だと責める人も。
「これからは、私が側にいるから。ディオンの事を守るから心配しないで?」
流れるディオンの涙を拭う。
「ーーーディオン、生まれてきてくれてありがとう。」
「っっ、」
私の膝に泣き付くディオンの頭を撫でる。
これからも、よろしくね?
ーーー私のディオン。
「ディオン、スッキリした?」
ディオンは、それからなかなか泣き止まなかった。
今までの溜めた分の涙を、この瞬間に全て流しているかのように。
その間、私はずっとディオンの頭を撫で続けていた。
「・・・、は、い。」
こくりと、ディオンが頷く。
おお、初めてディオンのちゃんとした返事が聞けた。
感動なんだけど。
「うん、うん、良かったね?」
ディオンの髪を梳く。
それを気持ちよさそうに素直に受け入れるディオンの姿は、どことなく高貴な猫のようだった。
これでアディライト、ディオン2人の問題は無事に片付いたね。
「ーーーさて、」
うん、本当に良かったよ。
皆んなに辛い顔は、もう絶対にさせたく無かったから。
「うーん、疲れたっっ、。そうだ、アディライトとフィリア、私と一緒にお風呂に入ろうよ!」
確認したら、この部屋の風呂は大きかったから、3人で入っても余裕だし。
女同士、親睦を深めるのも良いよね?
「っっ、えっ?」
「!?」
私が唐突に指名したアディライトとフィリアの2人が目を見開き驚きの表情を浮かべる。
「・・・え?もしかして、いや・・?」
それなら、ショックだ。
「っっ、いえ、ぜひディア様と一緒に入らせていただきます。」
「(こくこく。)」
顔を赤らめたアディライトが苦笑いを浮かべ、フィリアが頷く。
やった!
初めて誰かとお風呂に入る。
洗いっこしたり、遊んだりしたい!
「うふふ、」
修学旅行みたいに、恋バナとか話したり、はなくても、枕投げしたりとか?
あちらの世界で出来なかった事を、どんどんやっていこうと思う。
期待が膨らんでいく。
これから先の事に浮かれていた私は、周りの声が聞こえていなかった。
「・・・ディア様と、お風呂。くっ、2人が羨ましい!」
「・・・女神と、お風呂。」
「・・フィリア、嬉しそう。」
ーーーそんな風に男組が小さく呟いていた事を。
「アディライト、フィリア、そうと決まったら、早くお風呂に入ろう!」
「はい、ディア様。」
「(こくり)。」
頷く2人を連れて、お風呂場へ。
さぁ、アディライトとフィリアとお風呂に入って、疲れを癒しますか!
名前:ディアレンシア・ソウル
LV42
性別:女
年齢:16
種族:人族
称号:世界を渡りし者、神に見守られし者、寵愛し者
HP:4530/4530
MP:4120/4120
スキル
言語理解、空間収納、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、隠蔽、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、精神耐性、全属性魔法、詠唱破棄、武器作成、思考加速、剣術、体術、転移、従魔召喚、スキル付与、スキル改変、リバイブ
ユニークスキル
創造魔法
従魔:リリス
今日から私の新たな家族にディオン、アディライト、フィリア、フィリオの4人が加わりました。
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