45 / 424
第2章〜奴隷編〜
叩き潰します
しおりを挟む固唾を飲んでフィリアとフィリオの2人の落札額が上がるのを見守る観客達。
一体、あの魔族の事を誰が落札するのか?
その落札額は?
誰もが競りの行方を見守る。
「白金貨740枚!」
「・・・・白金貨741枚!」
「白金貨、な、745枚!」
「白金貨746枚!」
互いに落札を譲らない両者。
フィリアとフィリオ2人の落札額だけが、どんどん上がっていく。
「白金貨750枚!」
「っっ、白金貨753枚だ!」
ーーーーさて、そろそろ良いかな?
「白金貨760枚!」
ついに、フィリアとフィリオの白金貨760枚に落札額が到達する。
今日のオークション、最高額。
観客が歓声を上げる。
オークション会場内の盛り上がりは最高潮。
「ついに、本日のオークション最高額である白金貨760枚が出ました!!他にはいらっしゃいませんか?」
「白金貨770枚。」
ゆるりと、ここで私は手を上げる。
さぁ、ここからは、この私もフィリアとフィリアの2人の高額となった競りに参加です。
「なんと、白金貨770枚です!!他にはいらっしゃいませんか?!」
「っっ、白金貨771枚。」
「白金貨780枚。」
「っっ、な、くぅ、」
「・・・、白金貨781枚だ。」
ついに、フィリアとフィリオの競りに1人が降りたらしい。
悔しそうな呻き声を上げている。
フィリアとフィリオ2人の競りに残る私の敵は、後1人だけ。
「白金貨790枚。」
ここで私は落札額を上げていく。
「っっ、!?・・・、白金貨な、791枚。」
「白金貨800枚。」
「し、白金貨801枚。」
「白金貨810枚。」
「白金貨811枚。」
どんどん上がる2人の落札額。
「白金貨820枚。」
「っっ、な、なら、白金貨821枚。」
「ついに、白金貨821枚です!!他にはいらっしゃいませんか?!」
司会者が声を大きく張り上げる。
「おぉ、821枚。」
凄い。
そこまで2人にお金を出すのね。
「ふっ、」
感心していれば、私に優越感の笑みを浮かべる競り相手。
はてーー
「まさか、その金額で私に勝った気でいるのかな?」
冗談でしょう?
どこの誰が、2人の競りから降りるって言ったのかしら?
「全く、私も舐められたものね。」
とても不愉快だ。
小娘だと思って、私を侮っているの?
「ふふふ。」
極上の笑みを、競り相手に送る。
「!!?」
真っ赤になって、固まる競り相手。
ならーーー
「白金貨1000枚。」
ーーーー徹底的に、その勝ち誇った顔を叩き潰すしかないよね?
2人の購入を邪魔するなら、徹底的に潰す。
この私に、喧嘩を売ったんだし?
「っっ、!?」
言葉もなく固まる競り相手。
こちらをガン見して、口を開け閉めを繰り返す姿はとても滑稽で笑える。
静まり返る会場内。
次の瞬間には、会場内に盛大などよめきが起こった。
「っっ、っっ、なんと、驚きです!白金貨1000枚が出ました!!他にはいらっしゃいませんか?!いかがでしょう?」
司会者がぐるりと会場内を見渡す。
競り相手は悔しそうに沈黙を続けたまま、その手を上げる事はない。
勝負あったかな?
「他にはどなたもいらっしゃいませんね!?では、魔族の双子は白金貨1000枚であちらのお客様が落札です!!」
わっと湧く、会場内。
そこかしこから私へ拍手が鳴り響く。
「皆様、本日は長い時間を私どもが主催したオークションにご参加いただき誠にありがとうございました。これにて、本日のオークションは閉会させていただきます。商品をご購入されましたお客様は、係員と共に小部屋へと移動し、お支払いをお願いいたします。」
頭を下げる司会者。
これで全ての競りが終わったらしい。
「・・・ふう、無事に全てのオークションが終わったわね、コクヨウ。」
「はい、お疲れ様でした、ディア様。」
「ふふ、コクヨウもお疲れ様。ありがとうね?」
可愛いコクヨウが私の隣にいてくれたから、すごく癒されたよ。
私のオアシスだわ。
「・・・?え、ディア様、僕はお礼を言われるような事は何もしてませんよ?」
「コクヨウが私の隣にいてくれるだけで、すごく心強かったんだよ?だから、ありがとう。」
「っっ、はい、ディア様。」
ほんのりと頬を染めたコクヨウがはにかむ。
うん、うん。
はにかむコクヨウも可愛いねぇ。
可愛いは正義だわ。
「さて、皆んなに支払いを済ませて宿に帰ろうか?今日は疲れたし、ここに長居したら良くないだろうしね?」
「・・・・そう、ですね。ここにはディア様へ敵意を向ける者が多いようなので、そうした方が良いかもしれません。」
コクヨウがちらりと周囲に視線を送る。
主に、こちらに強い敵意を持つ人達に対して、だけだけど。
「私に競り負けたのが、そんなに悔しいのかな?」
「そうなのでしょうね。全く、僕の大切なディア様に対して敵意を向けるなんて、それだけで万死に値します。」
コクヨウが冷たく吐き捨てた。
14
お気に入りに追加
2,256
あなたにおすすめの小説
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


【R18】幼馴染がイケメン過ぎる
ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。
幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。
幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。
関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

目が覚めたら男女比がおかしくなっていた
いつき
恋愛
主人公である宮坂葵は、ある日階段から落ちて暫く昏睡状態になってしまう。
一週間後、葵が目を覚ますとそこは男女比が約50:1の世界に!?自分の父も何故かイケメンになっていて、不安の中高校へ進学するも、わがままな女性だらけのこの世界では葵のような優しい女性は珍しく、沢山のイケメン達から迫られる事に!?
「私はただ普通の高校生活を送りたいんです!!」
#####
r15は保険です。
2024年12月12日
私生活に余裕が出たため、投稿再開します。
それにあたって一部を再編集します。
設定や話の流れに変更はありません。


4人の王子に囲まれて
*YUA*
恋愛
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生の結衣は、母の再婚がきっかけとなり4人の義兄ができる。
4人の兄たちは結衣が気に食わず意地悪ばかりし、追い出そうとするが、段々と結衣の魅力に惹かれていって……
4人のイケメン義兄と1人の妹の共同生活を描いたストーリー!
鈴木結衣(Yui Suzuki)
高1 156cm 39kg
シングルマザーで育った貧乏で平凡な女子高生。
母の再婚によって4人の義兄ができる。
矢神 琉生(Ryusei yagami)
26歳 178cm
結衣の義兄の長男。
面倒見がよく優しい。
近くのクリニックの先生をしている。
矢神 秀(Shu yagami)
24歳 172cm
結衣の義兄の次男。
優しくて結衣の1番の頼れるお義兄さん。
結衣と大雅が通うS高の数学教師。
矢神 瑛斗(Eito yagami)
22歳 177cm
結衣の義兄の三男。
優しいけどちょっぴりSな一面も!?
今大人気若手俳優のエイトの顔を持つ。
矢神 大雅(Taiga yagami)
高3 182cm
結衣の義兄の四男。
学校からも目をつけられているヤンキー。
結衣と同じ高校に通うモテモテの先輩でもある。
*注 医療の知識等はございません。
ご了承くださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる