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第2章〜奴隷編〜
オークションの説明
しおりを挟むコクヨウを傍に、リリスはいつも通り影に中に潜ませて意気揚々と向かうは本日の目的、オークション会場。
今回のオークションが開かれるのは夕方から夜までだそうだから、頑張らなきゃ。
「ようこそ、オークション会場へ。お客様、入場券はお待ちですか?」
「はい、これで良いですか?」
さて、たどり着いたオークション会場。
エントラスホールに足を踏み入れた私達を出迎えてくれた受け付けの人に、ハビスさんから貰った招待状を見せる。
無事、これで入れるだろうか?
「はい、こちらの券です。確かに確認いたしました。ありがとうございます、入場券をお返しいたしますね。お客様、本日のオークションについてご説明は必要ですか?」
「はい、お願いします。」
「かしこまりました。それでは、本日のオークションについて私からご説明させていただきます。」
さて、さて、私の本日のお目当の子達を手に入れるため、気合を入れますか!
受け付けの人の説明に、私は耳を傾ける。
「まず、今回のオークションで出品される目録がこちらでございます。」
手渡される今回のオークションに出る商品目録。
結構な厚みである。
目録の内容に目を通す。
「まず、お客様にはこの商品一覧が掲載されております目録の購入代金としまして、始めに大金貨1枚を支払ってもらいます。これは、商品の購入が目的ではなく、ただの野次馬などで来場しようとする人間を最初に弾く為の処置でありますので、どうかお客様のご理解をお願いします。」
「分かりました。」
「この目録を購入された大金貨1枚分の金額は、商品を購入されてお会計される際に引かれますのでご安心ください。また、競りにご参加され、例えお客様が商品を購入出来なかった場合でも、目録をお返しいただければ、この大金貨1枚分はお帰りになる際に返金されます。」
「それは、どう判断されるんですか?商品が購入できなかった場合、競りに参加した証拠もありませんよね?」
「競りに参加されたお客様には、その証のカードをスタッフがお配りしております。お帰りの際、または、落札した商品の引き渡し時に大金貨1枚を返すか、引くかをいたします。」
「では、大金貨1枚の商品を買った場合、今払うお金と相殺されると言う事ですか?」
「さようでございます。」
なるほど。
最初にお金を支払う意味は分かった。
「続きまして、各フロアには目録に掲載されております商品が展示されておりますので、競りのお時間までご自身の目でご覧になり、購入されるか検討ください。ただし、手を触れる事はしないようお願いいたします。また、購入後の商品の返品はお断りさせて頂いておりますのでご了承くださいませ。」
「商品の説明は、してもらえますか?」
「はい、物には説明書きが添えており、奴隷は、各奴隷商が対応しております。何かご不明な点、詳しいご説明が必要でございましたら、お気軽に中におりますスタッフにお声掛け下さい。」
ふむ、ふむ。
競りの時間まで、自分の自由に見て回れるのか。
その際に、自分が欲しい物を決めておいて、競りの始まりって事ね。
「次に、競りに参加される場合は必ずお手持ちのお金を確認されてからお願いいたします。後で購入資金が足りない、支払える見通しが立たないなどと言う事実が発覚した場合は、重い刑罰に処される事もございますのでご注意を。」
「もし、手持ちが足りなくて後で支払いたい場合はどうなりますか?」
「期日までにお支払いいただけるよう、魔法の誓約書にサインしていただきます。それでも、支払えない場合は、最悪は刑罰としてお客様自身が奴隷に落ちる事もありますので、そこもご注意下さい。」
まぁ、そこは主催者側からとして当然の処置ね。
「あの、私の奴隷である彼の分も大金貨1枚支払うんですか?」
「奴隷につきましては、お客様の所有物扱いですので、お金の支払いは結構でございますよ。ただし、会場内での競りに参加されるのは主人たるお客様のみです。」
「分かりました。」
「他にご質問、分からない事などありますか?」
「ーーーー大丈夫、です。」
「では、入場料としまして、目録の購入代金となります大金貨1枚をお支払い下さい。」
言われた通り、大金貨1枚を支払う。
「はい、確かに大金貨1枚をお預かりいたします。このリボンが入場者の証となりますので、失くさないようご注意下さい。お帰りの際に、このリボンは回収いたしますので。」
「はい、気をつけます。」
手渡されたリボンを、腕に結ぶ。
これなら、どこかでリボンを落としそうになっても直ぐに気付く事ができるだろう。
「それでは、お客様、今宵のオークションをお楽しみ下さい。」
「ありがとう。」
受け付けの人に見送られ、オークション会場となるエントラスホールの奥へと足を踏み入れた。
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