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第2章〜奴隷編〜
コクヨウの強化と増えた称号
しおりを挟むそれと、コクヨウが何の武器を使うかによって、与えるスキルも変わるだろう。
後はコクヨウと相談しつつ、おいおい増やしていけば良いか。
「コクヨウには、黒魔法の適性もあるから、それは絶対に覚えさせたいよね。」
せっかく、適性があるんだから、覚えさせないなんて勿体無い。
他は、コクヨウと相談かな?
「コクヨウ。」
「は、はい、何ですか、ディア様?」
「あのね?これから貴方の強化をするんだけど、どうしたい?」
「強化・・?どう?」
「ふふ、コクヨウが、どんな風に強くなりたいか、よ。」
「な、なら!ディア様を守れるぐらい、僕は強くなりたいです!!」
私を守れるぐらい・・?
やだ、嬉しい。
きらきらしたコクヨウの瞳が眩しいわ。
胸がキュンとする。
「ありがとう、コクヨウ。まず、最初に必要そうなスキルを与えるね?」
「・・・?はい。」
不思議そうな顔をしながらも、コクヨウは素直に頷く。
うむ、素直でよろしい。
あぁ、でも、こんなに素直なんだから他の人に騙されないように私がしっかり見張ってないとね!
よし、さっそく《スキル付与》を使って、コクヨウを強化していきますか。
「ーーーーよし、出来た。」
それが、これ。
名前:コクヨウ
LV1
性別:男
年齢:14
種族:人族
隷属:ディアレンシア・ソウル
称号:闇に愛されし者、寵愛されし者
HP:280/280
MP:120/120
スキル
生活魔法、鑑定、経験値倍増、マップ、気配察知、危険察知、状態異常耐性、体力回復上昇、魔力回復上昇、攻撃力上昇、防御力上昇、身体強化、思考加速、黒魔法、詠唱破棄
うん、ちゃんとスキルが増えてるね。
・・・あれ?
よく見たら、なぜかコクヨウの称号に《寵愛されし者》が増えてる。
でも《寵愛されし者》って一体、何?
確か、リリスの時は最初から《寵愛されし者》の称号があったから気にしてなかったけど、何で急にコクヨウに現れたのだろう?
「鑑定、と。」
取り敢えず、コクヨウの増えた称号を鑑定してみる。
どれどれ?
寵愛されし者
相手から心から強く愛された者に与えられるレアな称号。
「なっ、!?」
まさかの、レアな称号ですか。
確かにこれから先も私はコクヨウの事を溺愛するほど、すごく可愛がるよ?
でも、それで新しく称号が現れるなんて誰が思うだろうか。
「・・・まさか、これって大発見?」
この情報、この世界を驚かせるほどの大発見ではないかい?
称号の取得方法なんて誰かに知られたら、とても大騒ぎになりそうにしか思えないんだけど・・。
「・・うん、面倒な予感がするから、この事は誰にも言わないで秘密にしよう。」
言わないだけ。
嘘をつくわけじゃないから、別に良いよね?
「それにしても、こんな簡単にレアな称号が出て良いのかしら?」
何だか、ちょろすぎないかい?
こんな簡単に称号が与えられて、良いのだろうか?
謎である。
「ーーディア、様?」
現実逃避する私を、可愛いコクヨウの声が引き戻した。
ーーーー私を心配そうに見上げるコクヨウも、とても可愛かったと、ここに明記します。
「あのね?なんだか、不思議な事にコクヨウの称号が新しく増えちゃったんだよね。」
「・・・?」
「うーん、自分のスキルを見てもらった方が良い、のかな?コクヨウ、自分のステータスを見てみて。」
「スキルを見る・・?」
私の指示に、コクヨウが首を横に傾げる。
「コクヨウにも鑑定のスキルを与えたから、今なら自分のステータスも見れるはずだよ!コクヨウ、自分を鑑定してみて。」
「は、はい、分かりました。あの、鑑定って一体どうすれば良いんですか?」
「頭の中で、見たいと思えば良いよ。」
「えっと、鑑定・・?」
頷いたコクヨウが、虚空を見上げる。
そしてーーーー
「えっ、!?」
コクヨウが困惑の声を上げた。
固まるコクヨウ。
・・・うん、まぁ、最初の反応は、コクヨウみたいに誰でもそうなるよね。
「っっ、ぇ、え・・?称号がっ、それに、スキルもいっぱいある!?」
「あぁ、うん、それ私のせい。驚かせてごめんね?」
全く自粛しませんでした。
ごめん、コクヨウ。
「・・、えっ、ディア様の?」
「そう、私の『スキル付与》で、コクヨウにスキルを与えたの。で、称号は私がコクヨウを可愛がったから増えたの、かな・・?」
そう、だよね?
それしか、その称号がコクヨウに増えるはずないし。
でも、称号ってそんな簡単にほいほい手に入るものなのかな?
「『スキル付与』・・?そんなスキルをディア様は持っているんですか?」
「うーん、正確には、作ったんだよね。私が持つ、ユニークスキルの、『創造魔法』で。」
「『創造魔法』?」
「スキルを何でも作れる、便利な魔法だよ。」
私が持つ『創造魔法』の事をコクヨウに詳しく教えてみた。
そしたらーーーー
「・・・っっ、やっぱり、ディア様は女神様です。」
コクヨウから、何故だか女神様扱いされ、尊い人を見るような熱い眼差しを向けられました。
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