リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

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第2章〜奴隷編〜

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色が変わったギルドカードに首を捻る。
そんな私の疑問に答えてくれたのは、笑顔の受け付けのお姉さんだった。


「色が赤色になったのは、私がそちらのギルドカードの持ち主ではないからです。持ち主が手にしている時は、金色のままですよ。」
「つまり、赤色のギルドカードは盗難されたもの?」
「はい、そうなります。本人のギルドカードかは一目で分かる様になっているのです。」
「なるほど。」


笑顔の受け付けのお姉さんに、頷く。
防犯機能付きとは。
素晴らしいね、異世界は。


「ちゃんと本人の確認が出来るなんて凄いですね。」


発達した技術に感心する。
他にどんな技術があるのか、楽しみに調べよう。


「ふふ、皆様、ギルドカードの機能をお知りになると同じ様に感心してくださいますよ。」


受け付けのお姉さんが微笑む。


「こちらのギルドカードは、お客様の身分証となりますので、失くさないよう十分にお気を付け下さいね!また、ギルドカードを紛失した際の再発行には、また銀貨5枚が必要になるので、そこもご注意下さい。」
「はい、気を付けます。」


有り難く、その忠告はいただこう。
このギルドカードは、普段は空間収納の中にしまっておく事にする。
必要な時だけ取り出せば良いよね!
ポシェットの中にしまうふりをして、空間収納の方へ移動させる。
良し、これで大丈夫。


「これで、お客様の登録は全て終わりです。お疲れ様でした。本日は、このまま依頼を受けられますか?」
「いえ、今日は登録だけにしましす。あっ、でも、今持っている薬草だけ買い取りしていただけますか?」
「かしこまりました。今お客様がお持ちの薬草の買い取りをさせていただきますね。薬草関係は常時、依頼が出ていますので、依頼を受けた事にして、ポイントを付けておきます。こちらのトレイの中に、お持ちの薬草をお出し下さい。」
「分かりました。」


言われた通り、トレイの中に持っている全ての薬草を置く。
トレイの中に出したのはーーーー



回復草×28
毒消し草×16
麻痺消し草×16



これ。
今、私が持っている全ての薬草だ。
せっかくなので、このまま手持ちの薬草を全て売却してしまおう。


「お願いします。」
「はい、確かにお預かりいたします。では、薬草の査定をしてまいりますので少々お待ち下さい。」


トレイを持って移動する受け付けのお姉さんを見送る。
本当は、ね?
モンスターも売却したかった。
けどーーーー

「ーーー・・私への敵意がある人がいる前で、あまり自分の手の内を見せたく無いんだよね。」


ぼそりと、小さく呟く。
マップ上に点滅する赤マーク。
ーーーー私の敵だ。
向けられる悪意。
何事もなく、このまま終われば良いのだけど・・。


「大変お待たせ致しました。」


程なくして、カウンターへ戻って来る受け付けのお姉さん。
トレイの上に置かれているお金。


「今回の売却品は回復草28個、毒消し草16個、麻痺消し草16個、どの薬草も取り立てのようでした。素晴らしいです!合計金額は、全部で金貨5枚でいかがでしょうか?」


ふむ、50000円か。
不満は無い。
今の所、お金には困っていない事だしね。


「はい、それでお願いします。」
「かしこまりました。では、金額をご確認下さい。」


トレイの中のお金を確認した。
きっちりトレイの中には金貨5枚ある。


「はい、大丈夫です。」
「ありがとうございます。今回の買取分はギルドカードに入金されますか?」
「ギルドカードに入金できるんですか?」
「出来ますよ。ギルドカードにお金を入金されていれば、ほとんどのお店でお買い物の支払いも簡単に出来ますし。」
「おぉ、」


電子カードにもなるのね!
色々と街で買い物した時は、店員さんに聞かれる前にお金で支払っていたから知らなかったよ。


「うーん、では、ギルドカードの方に全て入金で。」
「かしこまりました。入金させていただきますので、お客様のギルドカードをお預かりいたしますね。」
「はい、お願いします。」


お姉さんに自分のギルドカードを預ける。


「はい、ご入金が終わりました。ギルドカードをお返しいたします。」


何やら作業を終え、返されるギルドカード。


「お客様、正しくギルドカードにご入金されているかご確認下さい。」
「分かりました。」

 
促され、ギルドカードの情報を呼び出す。
そうすれば、ちゃんとギルドカードの中にお金が入金されている事が確認できた。


「大丈夫です。ちゃんとギルドカードの中に入金されていました。」


ギルドカードへの入金を確認して、ポシェットの中、から空間収納の方へしまう。
よし、これで冒険者ギルドでの用は全て終わった。
早く図書館へ行こう。


「今日は、色々とありがとうございました。」
「いえ、お疲れ様でした、ソウル様。」
「私の事はディア、と呼んで下さい。お姉さんのお名前を聞いても?」
「あっ、はい、私はミュアと申します。ディア様のまたのお越しをお待ちしておりますね。」


ミュアさん。
今日はこんな良い人に会えてよかった。
にこやかにミュアさんと笑顔を交わし合い、カウンターへ背を向ける。
さぁ、お待ちかねの図書館へ行こう!

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