リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

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第8章〜外交編〜

幼女竜の名前

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涙目の幼女に呆然とする。
・・泣かすような事、何か私したっけ?


「あの、?」
「っっ、良かろう!」
「へ?」
「一緒に風呂に入ってやると言っておるのだ!」


真っ赤な顔の幼女。
・・うん、その顔も、とても可愛い。
って、そうじゃなくて。


「本当?一緒に、お風呂に入ってくれるの?」
「妾に二言はないのじゃ!」


びしりと、幼女に指を突きつけられる。
そんな仕草も可愛らしい。


「あ、ありがとう。」
「うむ、感謝すると良い。」
「ふふ、うん、感謝してます。」


尊大な口調。
でも、なぜか憎めない。


「全身、私がきっちり綺麗にしてあげるね?」
「!?」


笑顔の私に、幼女の顔が引き攣った。
・・ふふ、とても楽しみ。


「ーーディア様、そろそろ屋敷の中へ入りませんか?」


笑う私に、アディライトが声をかける。


「ん?そう、だね。」


話は、屋敷の中でしようか。
てな訳で、幼女を屋敷の中へ招き入れると、ソファーへ座らせる。


「・・ふむ、この屋敷の中は精霊の力が満ちておるな。」


ぐるりと、幼女は室内を見渡す。


「あ、分かる?精霊達の力を借りて、この屋敷を建てたの。」
「ほう、精霊が人間に力を貸したか。」


珍しいと、幼女が笑った。


「ふっ、ディアよ、そなたは、本当に面白い人間よの。」
「そうかな?」
「知らぬのか?精霊は、滅多に人間に力を貸さぬのだぞ?」
「うーん、そう言われても。」


頬を掻く。
こればっかりは、幸運の成り行きとしか言えないんだよね。


「少し、理由があるのよ。」
「ほう?」


興味を引いたらしい。
仕方ない、私の秘密を話すとしますか。


「ーーと、言う訳なの。」


この世界に来た経緯を話し終わる。
魔族とも戦ったし?
なかなか、壮大な話だ。


「くくっ、そなたが神の采配でこの世界に来たとはな。」
「・・今の話、信じてくれるんだ?」


結構、突拍子も無い話なのに。
あっさり、私の話を信じるなんて、ね?
少し意外。


「何を言っておる。そなたが妾に嘘をつく理由などなかろう?」


呆れたように笑う幼女。


「・・まぁ、そうだけど、異世界とか、転生とかってありえないと話だと思うよ?」


私だったら、疑う。
あるいは、頭がおかしくなったと思うね。


「ーー信じるよ。」
「え?」
「ディアは、嘘をついておらぬ。」
「っっ、ありがとう。」


ありがとう、信じてくれて。
胸が温まる。


「ふむ、そうと決まったら、さっそく妾に名前をつけるのじゃ!」
「・・名前、」


じっと、目の前の幼女を見つめた。


「うーん、」


どんな名前が良いだろうか?
彼女の名前はーー


「ーー・・ヴァレンティーナ。」


それは、直感。
一つの名前が、私の口から零れ落ちた。


「ヴァレンティーナ?』
「うん、貴方にぴったりだな名前と思うんだけど、どうかな?」


ヴァレンティーナには、「勇敢」・「活発」の2つの意味を持っている。
目の前の竜に相応しいと思う。


「うむ、ヴァレンティーナ、か。なかなか良い名じゃな。」
「気に入ってくれた?」
「あぁ、気に入ったぞ。」
「ふふ、なら、良かった。」


安堵する。
この名前を気に入ってくれなかったら、どうしようかと思ったよ。


「さっそくなんだけど、ヴァレンティーナにお願いしても良い?」
「何じゃ?」
「ヴァレンティーナの事、鑑定をしても良いかな?」
「む、スキル付与の為、じゃな?構わぬぞ。」
「ありがとう。理解が早くて助かるわ。」


ヴァレンティーナの了解を得て、さっそく鑑定を発動させる。



名前:ヴァレンティーナ
LV1
種族:竜(水竜)
隷属:ディアレンシア・ソウル
HP:1360/1360
MP:1120/1120
スキル
気配察知、危険察知、状態異常耐性、咆哮、威嚇、水魔法、風魔法、ブレス



「おぉ、」


結構なスキルを、思っていた以上に持っているヴァレンティーナ。
本当に、期待以上である。


「ヴァレンティーナは、水竜なんだね?」


ステータスの種族が、竜(水竜)になっているヴァレンティーナ。
だから、髪色も青いんだ。


「うむ、妾は水を司る竜なのじゃ。」
「なら、水を司るヴァレンティーナ以外の竜もいるの?」
「おるぞ。」


頷く、ヴァレンティーナ。
いわく、水、火、風、地、闇、光の六竜がいるらしい。
おいおい、ヴァレンティーナ以外の竜についても聞くとしようか。


「ヴァレンティーナ、欲しいスキルとかある?あるなら、付与するよ?」
「ふむ、スキル、か。何でも良いのか?」


何でも、か。
うーん、世界を滅ぼす規模のスキルはダメ、かな?


「一応、この世界の害にならないスキルなら、付与するのは何でも良いよ。」


天候操作とか?
作物への影響があるのは、却下である。


「ふん、分かっておるわ。妾とて、この世界を滅ぼしたい訳ではないからな。」
「それは、何より。」


自分の従魔がこの世界を滅ぼすなんて、シャレにもならない。


「では、妾が欲しいスキルはーー。」


ヴァレンティーナがいくつかの欲しいスキルを上げていった。

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