リセット〜絶対寵愛者〜

まやまや

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第8章〜外交編〜

過大な戦力

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どうやら、この兄妹は思考も同じみたい。
2人に共通するのは、私の事。
当然のように、私の事にしか興味がないと言わんばかりの2人に苦笑いするしかない。


「どうやらユリーファは、ディア様に憧れているようなのです。」
「私に?」


視線を向ければ、恥ずかしそうに頬を染めて恥じらうユリーファ。


「その、とても烏滸がましい事なのですが、ディアレンシア様は、私の理想の女性であり、目指す指針なのですわ。」
「ーーありがとう。」


照れる。
こうやって面の向かって褒められるのは、いつまで経っても慣れないものだ。
背中がむずむずしてしまう。


「ですから、ディアレンシア様。必ず、また来て下さいね?」
「約束するわ、ユリーファ。」


こうも慕ってくれるユリーファと約束を交わし、私達はこの里から離れる準備を進める事にする。
ルーベルン国へ私達が戻ったのは、ユリーファに帰る旨を告げた5日後の事だった。


「「「お帰りなさいませ、ディア様!」」」


全員総出での盛大なお出迎え。
圧巻である。
私の帰還に一様に嬉しそうな表情の皆んなに頬が緩む。


「ただいま、皆んな。」


元気な様子の皆んなに、笑顔を返す。
ちょくちょく転移を使って、この屋敷へ帰って来ていたから、皆んなが元気な事は知ってはいたけどね?


「皆んな、変わりない?」
「特にディア様にご報告するような事は、ございません。ご安心を。」


ロッテマリーが笑みを浮かべる。
その横で、ルルーシェルが涙を浮かべているのは、気のせいかい?
目の錯覚かしら?


「そう?ロッテマリー、皆んなも、私達がいない間の留守番、ご苦労様。」
「ディア様も、迷宮攻略もされて、大変お疲れでしょう。どうぞ、お部屋でお身体をお休ませ下さい。」
「ありがとう、ロッテマリー。」


ロッテマリーに促され、屋敷の中へ入った私は、自室へと向かう。
自室は綺麗に掃除されており、清潔のまま。
自室のソファーへ腰掛け、息を吐く。


「少し疲れた、かな?」


行きのほとんどが馬車移動だったとは言え、色々な事があったしね。
帰りは転移で街の近くまで一瞬で戻り、門まで馬車に乗ったとは言え、疲れが蓄積している事は間違いがない。


「ディア様、疲れが取れるお茶です。」


私の目の前に、アディライトがすかさずお茶を入れたカップを置く。
よく出来た子である。


「ありがとう、アディライト。でも、アディライト達も疲れたでしょう?私のことは気にせず、アディライト達も自室で休んで良いんだよ?」


当たり前の様に私の自室へ集まる、いつもの皆んな。
それに、ロッテマリーとルルーシェルの2人も部屋の隅に控えている。


「大丈夫ですわ、ディア様。私達は、ディア様のお側にいれば、疲れなど吹き飛びますから。」


アディライトが良い笑顔で微笑む。
・・・うん、それは無理だと思うよ、アディライト。
他の皆んなも、なんでか頷いてるし。


「・・まぁ、皆んなが平気だって言うなら、良いの、かな?」


釈然とは、しないけど。


「無理だと思ったら、必ず休む事。約束だからね?」


釘を刺しておく。
そうでなかったら、無理してでも私の世話を焼きそうだもの。
過保護なのも困ったものだ。


「それで、ロッテマリー、ルルーシェル、私達がいない間の、皆んなの迷宮攻略の状況はどうなってる?」


だいぶ進んだかな?


「はい、ディア様。数名のグループがルーベルン国の迷宮攻略をすでに終えております。」
「・・はい?」


数名のグループが迷宮攻略を、すでに終えている?
目を見開く。


「えっ、それ本当に!?」
「左様です、ディア様。」


驚く私に、ロッテマリーとルルーシェルの2人が当然とばかりに笑顔で頷く。
アディライト達も驚いたのか、その目を見開いている。


「ロッテマリー、それ、報告する事だよ!?大事な事だよね!?」
「・・?ディア様の配下として、これぐらい当たり前の事だと思いますが?」
「・・はい?」

不思議そう表情のロッテマリーに言葉を失う。
・・・なん、ですと?


「ディア様のお側に侍り、配下と名乗るのであれば、これぐらいの事は出来て当然です。」


自分の事のように胸を張る、ロッテマリー。


「まぁ、確かに。」
「一理ありますね。」
「ロッテマリー、良く分かっている事。」
「「納得なの!」」


コクヨウ、ディオン、アディライト、フィリア、フィリオの順でロッテマリーの言葉に同意する。
ルルーシェルも当然とばかりに微笑んでいるだけだし。


「ーーはぁ、ロッテマリー、ルルーシェル、あった事の全てを報告して。」
「「かしこまりました、ディア様。」」


一礼した2人に、ひっそりと溜息を落とす。
・・この屋敷、最強レベルの戦力達で溢れていないか?


「・・・良い事、よね?」

うん、そうだ。
そうに決まっている。
私は1人、自分自身に言い聞かせた。


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