28 / 69
第一章 魔王と夜伽
27 クロエ、触手と戯れる2※
しおりを挟む「んぁ、これすごい、ああぁっ」
「まだ挿れたばかりだぞ……すごい締まりだ、」
暗闇の中、大きなスライムに後ろから抱かれて、押さえ付けるように後ろから突かれている。それは言葉にすると異常な事態だと理解しているし、見る人は恐怖を覚えるかもしれない。
だけど、私の名前を呼ぶ声や、肌を這う触手の動きは優しい。ぱちゅんぱちゅんと淫靡な音を立てながら深く奥を抉られると、自分が征服されていくなんとも言えない気持ちが込み上げる。私は今、この雄に服従しているのだと、脳が白旗を振っているみたいで。
ブヨブヨだったスライムは、どういうわけか膣内で確かな硬さを保って暴れている。反応が良いところを執拗に責めるのは魔王の憎い癖で、私はもう先ほどから会話らしい会話が出来ないぐらいには余裕がなかった。
「……っあ、やあぁ…ッ…ギデオン、んぅっ」
「クロエ、もっと教えてくれ……っあぁ、俺の手で乱れる君は堪らない」
「きもちぃ、すごいの、ずっと奥が、」
その時、後ろから音もなく伸びて来た触手が二手に分かれてピトッと胸のあたりに付着した。ずりずりと這い上がったそれらは強弱を付けて頂を弾く。
「っあ……!? いじめないで、ギデオン…!」
「硬くなっているな、美味そうだ」
「なにを、んあぁっ、吸わないで、両方は……っ!」
「っはぁ……もっと、もっとお前を感じたい、」
低く甘い声を聞いて身体の奥が共鳴するように疼く。
それを察知したのか、膣内を掻き回すスライムの硬さも幾分か増した。加勢した三本目の触手がだらしなく垂れ流される蜜をすくって花芯に塗りたくる。
ゾワゾワする快感に身を捩っていると、陰核を弄んでいた触手がきゅむっと根本を摘んだ。
「────っんん!?」
耐え切れない大きな刺激にビクビクと腰が揺れて、私は無様にベッドに倒れる。余韻に浸る間もなく、四つん這いになったままで曝け出されたぬかるみに、再び屹立が当てがわれた。
「あぁっ、ギデオン、少し休憩を……っあん、」
「すまない……クロエ、止め方が分からない」
「そんな、これ以上したら、こわれちゃ……ッ…いまダメ、潰しちゃダメ、もれちゃう…!」
制止も聞かずに、私の手をすり抜けて股の間に入り込んだ透明な触手は、またもやプクッと膨れた肉芽を捉える。捏ねるようにクニクニと押していたかと思うと、強く力を掛けて押さえ付けられて私は勢い良く潮を撒き散らした。
「………あ……んぅ…??」
「可愛いなぁ、クロエ。イきすぎて朦朧とした顔も良い。そろそろ俺も出そうだ。もう少し頑張れるか?」
「へ…? あ、あぁっ、また……はげし、」
吐精するための身勝手な抽挿が始まる。
抜けないギリギリまで引き抜いて思いっきり最奥を突かれれば、私はもうずっとイキっぱなしでよく分からなくなる。気持ち良い、私のナカを掻き回す彼の分身が愛おしい。
「クロエ……っあぁ、出すぞ…!」
やがて大きく跳ねると、お腹の上に温かなものが広がった。シーツの上に伸びたままで、同じく隣にボヨンと広がる脱力したスライムを撫でてみる。
「こういう形態でも精は出るんですね」
「………そうだな」
「ふふっ、丸くて可愛い」
むにっと摘むとまた表面にさざなみが立った。
私はまだ人肌を保っているスライムに身体を預けて寝返りを打つ。形は違っても、私を安心させてくれるこの温かさは、ギデオンがここに居ることを証明していた。
120
お気に入りに追加
335
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームの世界だと、いつから思い込んでいた?
シナココ
ファンタジー
母親違いの妹をいじめたというふわふわした冤罪で婚約破棄された上に、最北の辺境地に流された公爵令嬢ハイデマリー。勝ち誇る妹・ゲルダは転生者。この世界のヒロインだと豪語し、王太子妃に成り上がる。乙女ゲームのハッピーエンドの確定だ。
……乙女ゲームが終わったら、戦争ストラテジーゲームが始まるのだ。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々
くも
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。
「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。
お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。
「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

【一話完結】断罪が予定されている卒業パーティーに欠席したら、みんな死んでしまいました
ツカノ
ファンタジー
とある国の王太子が、卒業パーティーの日に最愛のスワロー・アーチェリー男爵令嬢を虐げた婚約者のロビン・クック公爵令嬢を断罪し婚約破棄をしようとしたが、何故か公爵令嬢は現れない。これでは断罪どころか婚約破棄ができないと王太子が焦り始めた時、招かれざる客が現れる。そして、招かれざる客の登場により、彼らの運命は転がる石のように急転直下し、恐怖が始まったのだった。さて彼らの運命は、如何。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私を選ばなかったくせに~推しの悪役令嬢になってしまったので、本物以上に悪役らしい振る舞いをして婚約破棄してやりますわ、ザマア~
あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
乙女ゲーム《時の思い出(クロノス・メモリー)》の世界、しかも推しである悪役令嬢ルーシャに転生してしまったクレハ。
「貴方は一度だって私の話に耳を傾けたことがなかった。誤魔化して、逃げて、時より甘い言葉や、贈り物を贈れば満足だと思っていたのでしょう。――どんな時だって、私を選ばなかったくせに」と言って化物になる悪役令嬢ルーシャの未来を変えるため、いちルーシャファンとして、婚約者であり全ての元凶とである第五王子ベルンハルト(放蕩者)に婚約破棄を求めるのだが――?
悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。
三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。
何度も断罪を回避しようとしたのに!
では、こんな国など出ていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる