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第五章 エバートン家の花嫁

71.二匹の終焉▼

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 熱に浮かされたように身体を重ねて、痛みの逃し方や、より強い快楽の得方が徐々に分かってきた。キスされると呼応するようにお腹の奥がきゅんとする。だから、何度も何度もねだるように唇を求めた。

「……っあ、また気持ちい、そこいっぱい、」
「シーア、好き…ここ?」
「んっ、そう、それ……!」

 的確な場所を確認するように擦られると腰がガクンと揺れる。それが達するということなのだと、ようやく理解してきたけれど未だに慣れない。鈍い痛みと共に押し寄せる抗いがたい悦びに、気付けば囚われていた。


「………ん、シーア…っ、」
「あ、ああっ……!」

 つたない私たちの初夜は、ルシウスの吐精によって終わりを迎えた。腹の上に出された乳白色の液体は生温かく、それが本当に彼の身体から出たのだと思うと不思議だった。

 上体を起こすと、まだピクンピクンと動く雄の姿が目に入る。あまり可愛くはないと思っていたけれど、これが自分の中に入っていたのだと思うと、少しばかり愛しく感じた。そっと手で触れてみると、ルシウスは苦しげに身動みじろいだ。

「ごめん、まだ敏感で、」

 そう言って片手で顔を覆うから、滅多に見れない彼の恥じらう姿をもっと見てみたくて、私は揺れ動く先端をチロっと舐めてみる。

「……少し苦いのね」
「汚いよ、そんなことしなくて良い」
「貴方はいつも舐めてくれるわ」
「俺がするのとは違う」
「どうして?嫌なの…?」
「嫌じゃないけど……」

 困ったように目を閉じるルシウスの意思に反するように、項垂れていた彼の分身は私の手の中でムクリと起き上がった。突然のことに驚いて手を離す。

「え、なんでまた…?」
「一度で終わる方が難しいよ、ごめん」
「どうするの?」

 言った瞬間にハッとする。どうするも何も、それを鎮める方法は一つしかない。こんな馬鹿な質問をわざわざ口に出してするなんて、煽るようなもの。

 案の定、ルシウスは狡い顔をして私の目を覗き込む。
 伸びて来た手がサラサラと私の髪を遊んで、唇に触れた。

「シーアは、どうしたい?」

 誘うような低い声で聞かれると、もう何も言えない。ただギュッと目を閉じて私はルシウスに抱き付いた。どうやら思いは伝わったようで、また様子を伺うように熱を持った剛直が押し当てられる。

「……っはん、あ、あ…!」
「ん、痛くない?」
「痛くな、い……おく、おくまでして、」
「奥がイイ?」
「そう、おく突かれたら、すっごいチカチカするの…っお…!?」

 ぬるりと肉杭を引き抜かれたかと思うと、一気に最奥まで挿し込まれてヒュッと喉が鳴った。そのまま腕を引かれてルシウスの上に座らせられると、自分の体重でより深みへと沈む。

 何がなんだか分からない。やっと戻って来ていた理性が霞のように消えていく。下から突き上げられながら、胸の頂を吸われると頭の中は真っ白になった。

「……っあ…あ、え…?」
「シーアまたイっちゃったね、嬉しい」
「わたし、もう……待って、今それダメっ!」

 惚けていたらズリズリと親指で蜜穴の上の芽を擦られて、腰が弓なりに反った。

「…っ……締まる、」

 勢いよく引き抜かれたルシウスの雄から、また白濁した液体が出る。私の腹に擦り付けられる熱のこもったそれを、呆然と眺めながら脱力する身体に従ってベッドに倒れ込んだ。

 もう何も考えたくない。
 停止した思考と共に意識を手放した。


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