4 / 9
04 レイラ
しおりを挟むおそらく女性に疎いのだろう、とは思っていたけれど、案の定イオニアは性交の経験がないようだった。
でもそれで良い。むしろ嬉しく思う。
レイラは内心ほっと胸を撫で下ろした。
唾を垂らした肉塊をぬちぬちと上下に扱けば、イオニアは面白いほどの反応を返してくれる。堪え切れずに短く吐かれる息や、悩ましげに寄せられた眉なんかは、レイラの気分を一層良いものにした。
(……………可愛い、もっと見たい……)
舐めながら胸を甚振ったらどんな風に喘ぐのだろう?
きっとすべてが初めてのイオニアは、従順な生徒のようにレイラに従ってくれるはずだ。肉奴隷だなんて言い出した時は驚いたけれど、相手は非力な童貞。それなりに経験のあるレイラにとっては赤子同然。
「レイラ……ありがとう。もう良い」
「え?でもまだ、」
「早く挿れたいんだ」
困ったように少し顔を赤くしてそう言うイオニアを、レイラは思わず抱き締めたくなった。「なんて可愛いの!」とぐりぐり頭を撫でて、飼い犬にするようにキスしながら。
「あ、そ、そうね……ちょっと待ってね」
レイラは床に手を突いて体勢を整える。
「最初は私がリードするわ。任せてちょうだい。イオニアは寝てるだけで良いから、何かあったら教えて」
「分かった」
ドキドキしながらすっかり勃ち上がった肉棒を握る。
すでに潤った秘所まで誘導すると穴に充てがった。
「………んんっ!」
「あぁ、レイラ……、」
他人の童貞喪失の瞬間を手伝うのは初めてのことで、レイラは今までに味わったことのない感動を覚えた。自分のこの身体で、イオニアは女の味を覚えたのだ。
ちょっと良いことをしたな、という満足感に浸っていたらこちらを見つめる視線に気付いた。
「動いてみても良いか?」
「えっ?あ、まぁ、良いけれど……」
言い終わる前に下からグンッと深く突き上げられた。
「………っあ…!?」
「すごいな、レイラ。これも淫紋の効果か?ナカがうねってるみたいに吸い付いてくる」
「い、イオニアっ!貴方、童貞なんだから無理しちゃダメでしょう……!」
「はぁ?」
「え?」
「俺は童貞じゃない。たしかに女は苦手だし恋人が居たこともないけど、こう見えて淫紋術師だぞ。今まで稼いだ金は全部娼館に突っ込んできた」
「………へ?」
「それなりに経験はある。レイラは筋が良いな、時間はまだたっぷりあるし、とりあえず一回イっとくか」
レイラが頭の回転を止める傍ら、イオニアはふっと息を吐いてその手でレイラの腰を掴んだ。怯んだ時にはもうすでに遅く、ばちゅんっという卑猥な音と共に深々と剛直が突き刺さる。
「っあ……えぇ、まってよ、そんなぁ…っ!」
「お前が勝手に勘違いしたんだろう」
「ひゃだ、アンタにイかされるなんて、」
「あぁー具合良い。もうちょっと締めろ」
言いながら伸びてきた手がレイラの胸の先端に触れる。そのまま器用に二本の指で扱かれれば、意図せずきゅんきゅんと下腹部は疼いた。
「んっ、だめっ、つねっちゃ……!」
「はぁ、出そうだ、上手にイけよ」
「いやぁっ……ッ!」
自分の下でイオニアがビクッと大きく肩を震わせたかと思うと、お腹の中にあたたかなものが広がった。じんわりじんわりと侵食するような熱を心地良く感じる。
「嘘でしょう?今ナカに………」
抗議しようと口を開いたレイラは、自分の腹に刻まれた淫紋がぼうっと光るのを見た。黒い墨で塗ったような淫紋の四分の一程度が赤く輝いている。
「げっ、今のでまだ半分にも満たないのか」
「な、何なのよコレ?」
「淫紋が全部赤く染まらないとお前の発情は治らないんだ。悪いが俺は用事があるから、後は自分で何とかしてくれ」
「はぁっ……!?」
投げやりなイオニアの態度に驚愕する。
スタスタと部屋を出て行こうとする黒いローブを引っ張った。
「…………なさいよ」
「え?」
「アンタが責任を取りなさいよ!!」
無責任な魔術師を再び床に引きずり倒して、レイラはその上に跨った。
応援ありがとうございます!
75
お気に入りに追加
75
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる