鉄道戦艦

ばっちゃん〈O.B.A おーば〉

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旧鉄道戦艦~中学時代に書かれた小説を原作のまま.ver~

第1話 C57型29号「桜」発進!

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2125年4月10日、宇宙人が地球に侵略してきた。宇宙人はアフリカを最初とし、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカと侵略して行った。
 宇宙人はタッコ星人と言って、タッコ星を起点とし、宇宙でも軍事力が最大と、呼ばれている星である。
そんなタッコ星人には地球人も敵わなかった。ほとんどが降伏し、植民地化とした。しかし、日本国だけは無事であった。そして、日本は古代の文化を活かし、「鉄道戦艦」を作った。
鉄道戦艦はC57型29号を機関車とし、メインエンジンを水素燃料電池機関(水素を使った電気式モーターと思ってもらえばよい)とし、サブエンジンは蒸気機関車特有の石炭で動く。
次の文には各車両の役割を書いている。
1両目   第1主砲
2両目   第1航空母艦
3両目   第1ミサイル発射管
4両目   第1対空砲、客車(兵員及び助けた人物)
5両目   第2対空砲、客車
6両目   ヘリ収納及びヘリポート、救護室
7両目   司令所、作戦室、通信室
8両目   衛星通信車
9両目   第3対空砲、客車
10両目 第4対空砲、貨物車
11両目 第2ミサイル発射管
12両目 第2主砲
13両目 第5対空砲、戦車積込車
14両目   第2航空母艦
15両目   第6対空砲、戦車積込車
16両目 第3主砲
17両目 第3ミサイル発射菅、監視所

2125年10月6日、午後10時。東京駅1番線。そこには新幹線より長い客車が連結され、黒光りに輝いて、大きな車輪が三つある蒸気機関車。鉄道マニアにはたまらない存在であろう。
この蒸気機関車は元JR西日本が持っていたSLやまぐち号(C57型1号)である。このSLやまぐち号は新山口駅(小郡駅)と津和野駅を行き来していた機関車である。
ではなぜ、このSLやまぐち号が戦争に用いられたのであろう。鉄が足りなかったから?と、思われている読者がいると思うが、確かにそれも理由の内である。そのころの日本は鉄の採掘場であるオーストラリアから輸入していた。だが、宇宙人のタッコ星人により、この採掘場である、オーストラリアも侵略したのである。実を言うと、オーストラリアの大統領は「まもなく、ここ、オーストラリアも危険が来るかもしれない・・・よし!オーストラリアの鉄を全て、日本に送れ!どんな交通手段を使ってでも、無事に日本に鉄を送れ!」と、命令したのだ。日本はオーストラリアの鉄を軍事に全てを使った。だが、それでも、足りなかった。その為にSLやまぐち号を使った。
話を戻す。
SLやまぐち号は利用者の減少と山口と島根の高齢化が原因であり、SLやまぐちは2050年をもって、廃止された。だが、SLやまぐち号は政府の援助金をもらい、鳥取県にある米子駅の車両基地に置かれることになった。
しかし、宇宙人との戦争が始まったことにより、戦艦や航空母艦、駆逐艦、巡洋艦、イージス艦、潜水艦など色々作った事で、鉄が少なくなった。

 話を東京駅に戻す。
 蒸気機関車、桜は煙を出しながら、兵員たちを待っていた。
 ここで、兵員たちを紹介しよう。まず、司令官。司令官の名前は「小枝 鳳仙花」という人だ。彼は元陸上自衛隊第八師団指令長官であり、沢山の賞をもらった一流の軍人であった。
 次に機関長を紹介しよう。機関長の名は「黒雲 汽笛」と言う人である。彼は日本一・・・いや世界一の機関車の運転が上手く、国際鉄道連合(通称UIC)から賞をもらった人である。
 一通り、兵員たちの紹介したが、これがすべてではない。それは後にあきらかにになるだろう。
 桜は、兵員たちを全員乗せていた。出発をしようとした時、ホームに小走りしながら来た人がいた。そう、天皇皇后両陛下である。その後ろには内閣総理大臣がいる。この3人がなにを話したのかはよく聞こえなかったが、読者たちは大体の想像はつくだろう。遂に東京駅を出発しようとした。甲高い汽笛が鳴った。車輪が動く。ガタゴトと音をたてながら、桜は東京を後にした。東海道本線を通り、名古屋、大阪、姫路、広島を通過して行った。博多に到着すると、8両目の司令所で作戦会議が行われた。
「まずはアジア近辺の国を取り戻さないといけないな。」
と、小枝が言った。
「確かにそうですね。ここを取り戻せば、今後の戦略にも役に立ちますね。」
と、機関長の黒雲が言った。確かに戦略的には有効的だ。物資も手に入れれるし、戦線を伸ばすこともできる。だが、それを達成するには大きな壁があった。そう、守備力だ。攻撃力が増しても、守備力がダメだと、ほとんどが水の泡となってしまう。かつての日本は防衛力が小さすぎたから負けたのだと自分は思う。しかし、それを心配することはない。現在、知識が高い、大学生や各企業から集めた研究員を全国から集めて、チームを作った。そのチームの名を「ユーラシア戦線守備力膨大研究チーム」と言う。そのチームが守備力を高めるための兵器を現在、研究中である。
「では、まず韓国の首都「ソウル」を取り戻そう。」
「はっ!」
桜は日本で最後の補給を行うと、いよいよ韓国へ向かおうとした。言うのが遅くなってしまったが、当時日本と韓国の間には「日韓連絡トンネル」と呼ばれる鉄道トンネルが作られていた。
 桜が日韓連絡トンネルを通ると、荒れ果てた土地が広がっていた。
「ひどいな。」
と、小枝は言った。
「確かにひどすぎですね。」
と、機関長が言った。すると、小枝はこう言った。
「機関長。速度を100km/hに上げてくれ。」
「了解!」
「通信室に一度だけ、電探をするように命じろ。」
「電探作動!」
「十時方向(北西)に敵機!攻撃機のようです!数は6!」
「第一、 第二主砲、左へ!第一ミサイル発射管、日ノ丸(対空ミサイル)を装填!電探と連動させる準備をしろ!」
と、小枝が言った。
「敵機まで、1000メートル!」
「主砲撃てー!」
初の実戦で使った主砲。とてつもない破壊力だった。小枝もさすがに驚いている。
「す、すごい!」
「こ、これが桜の威力・・・!」
機関長も初めて見たので、驚いている。
「機関長、桜の底力が見たい。最大速度!」
「サブエンジンも点けてよろしいでしょうか?」
「うーむ。そうだな。よしいいだろう。」
「ありがとうございます。石炭を沢山ボイラーに入れろ!石炭自動入れ込み機を使ってでもいい!」
石炭自動入れ込み機とは何か。石炭自動入れ込み機とは文字通り、石炭を自動的にボイラーに入れ、速度も設定した速度になるまで自動に調節してくれる機械である。

「GPSレーダーに10時の方向にて、敵、戦車部隊発見!数は・・・少々お待ちください。」
と、機関長が言った。
「第一航空母艦に連絡!爆撃機「浜井」(艦上爆撃機)を20機発艦せよ。第二航空母艦は「浜井」の護衛をする為に「F‐15」10機と「F‐2」10機を発艦せよ。」
と、小枝が言った。すると、通信室から連絡があった。
「司令官、戦車の数が分かりました。数は100両であります。」
「ごくろう。引き続き監視をしてくれ。」
「はっ!」
「司令官、爆撃機の発進に時間がかかるようなので、先程準備していた、日ノ丸ミサイルを発射したらどうでしょうか。」
と、機関長が言った。すると、小枝がこう言った。
「うむ。確かにそうだな。よし、いいだろう。ただちに第一ミサイル発射菅に日ノ丸ミサイルを発射するようにしろ。そして、第二ミサイルに対地ミサイル「達人」の発射準備をしろ。」
機関長は小枝が言った「対地ミサイル達人の発射準備をしろ。」が気になった。なぜ、司令官は対地ミサイルが戦車に当たらないとわかっているのに対地ミサイルを装填させたのか。それは機関長も知らない小枝の考えがあるようだ。
そうこう話をしていたら、第一ミサイル発射菅が花火でも打ち上げるかのように日ノ丸ミサイルを発射した。日ノ丸ミサイルはタッコ星人の戦車に直撃した。
「司令官、日ノ丸ミサイルが敵に当たりました!」
「よし、次弾を装填しろ。」
「司令官、第二ミサイル発射菅車のものですが、対地ミサイル達人はいつ発射されますか?」
と、第二ミサイル発射菅の「西東 泰助」が言った。
「達人は指示があるまで撃つな。」
と、小枝が言った。
「了解」
「司令官、爆撃機浜井が発進してよいか、と聞いております。」
「よし・・・いいだろう。浜井を発進せよ。」
と、小枝が時計を見ながら言った。
浜井が発進した後、小枝はマイクを持って言った。
「全車に告ぐ、これよりC57型29号桜は初の戦闘行為を行う。総員、気を引き締めて戦闘に臨んでほしい。総員、戦闘配置に着け!」
小枝が言うと、桜全車の警報機器が作動した。
「機関長、サブエンジンの蒸気タービンを止めてくれ。敵に発見される恐れがあるからな。」
「はっ!」
その頃、浜井爆撃隊はタッコ軍の戦車を爆撃していった。
「司令官、浜井から連絡です。爆撃が完了した。後は鉄道戦艦『桜』に任せる。以上です。」
「敵の戦車の数は分かるか?」
「敵の数ですか?残念ですが我が桜の電探にしてもわかりません。ここで司令官に意見具申します。人工衛星『ふじ』を使ってよろしいでしょうか?」
「構わん。使ってくれ。」
人工衛星「ふじ」とはなにか。人工衛星「ふじ」は敵の座標と宇宙写真を味方の艦やこの桜に伝わる。GPSレーダーシステムも扱っている。タッコ星人が地球に攻め込んできた際に人工衛星が全て破壊され、衛星による通信が困難となった。そこで、桜を建造する際に、小型の人工衛星の開発も急がれた。
「今、特定しました。戦車の数は32両、そしてこの敵の戦車の後方に増援部隊50両もいます。」
「増援部隊の出発点は分かるか。」
「少々お待ちください。・・・只今特定が完了いたしました。場所は中国の北京です。」
「そうか、ありがとう。」
小枝は思った。ここが敵の作戦基地ではないのか、と。その考えは正しかった。確かに敵の作戦基地はある。だが、アジア方面の総司令部ではなかった。
「よし、第二ミサイル発射菅に連絡!達人の発射をせよ、と。」
と、小枝は言った。
対地ミサイル「達人」はすぐに発射した。
「全主砲、9時方向に砲塔を回せ、撃ち方準備をされたし。」
「敵車両、射程圏内です。」
「うてぇ!」
敵戦車の戦車は全て走行不能又は戦闘不能になってしまった。
「待機中のF‐15とF‐2は増援部隊を攻撃せよ。」
「了解。」
増援部隊も我が攻撃機によって殲滅されてしまった。
その頃、北京では対地ミサイル「達人」が飛んできた。北京も殲滅かと思われたが、まだ三分の一しか、被害がなかった。
「総員、戦闘配置解除。速度を80km/hに落とせ。」
と、小枝が言った。
 まだ世界はタッコ星人によって支配されている。今後、桜は北京へ向かい、それからどうするのだろうか。桜は明日をという星をつかみながら今日も走る。



続く・・・
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