鉄道戦艦

ばっちゃん〈O.B.A おーば〉

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第一章 東アジア

第二話 釜山での戦友

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桜は釜山に向かい、列車を走らせていた。
8両目の作戦室では今後の作戦について話していた。
「やはり、釜山は何が何でも、確保しなければならないな。」
と、小枝が言い、続けた。「情報によると、釜山には韓国人も沢山捕まっているようだからな。」
「そうですね。ならば空爆や艦砲射撃などの重火器による攻撃は出来ないことになりますね。」
と、機関長が言った。
「そこで俺の意見なんだが、タッコ軍の無線を傍受出来ないか、と考えているんだが。」
「なるほど。確かに敵の無線を傍受すれば韓国人が捕まっている場所も詳しく特定できますね。」
「それもそうなんだが、敵の動きも知りたい。よし、ただちに通信室に向かう。」
と、小枝が言った。
 早速、小枝は通信室に頼み、ラジオがでっかくなったみたいな機械で傍受しようと試みた。この時代では通訳システムが発達しており、タッコ星人の言葉もインポート済みである。
「…反応なし。」
「やはり無理か…」
誰もが諦めかけていたその時だった。
「待ってください!なにか聞こえます。」
通信室の隊員がヘッドホンからスピーカーに変えると誰もが一度は聞いたことがある言語が聞こえた。
『こちら韓国陸軍第56戦闘師団。至急救援を求める!我が陸軍は現在、タッコ星人により攻撃を受けてる。現在、我々は釜山。』
スピーカーから韓国語が聞こえた。通信が傍受でき、みな喜んだ。だが、その喜びは通信の傍受成功の喜びではなく、今もなお、韓国が今だに占領されていなかったことだった。小枝はすぐに無線をとり、韓国軍の応答をした。
「こちら日本国陸上自衛隊戦闘列車「桜」。援軍に参上した。貴官の詳しい座標を送れ。」
『…日本だって…!どうしてここに…?』
「説明は後だ。まずはそこの軟体動物野郎共を駆逐する。貴官の座標と敵の大まかな戦力を送れ。」
『…了解!現在、我々は金海国際空港キメこくさいくうこう。敵の戦力は…攻撃ヘリ10、戦車20、装甲車30、輸送機2、戦闘機20。対する我々の戦力は攻撃ヘリコプター5、戦車10、装甲車13。以上だ。』
数で負けているじゃないか…!小枝はこう思い、再び無線機を手にとり、話した。
「了解!現在、我々は金海市キメしに入ったばかりだ。航空支援でよければ支援をする。」
『航空支援だけでも十分だ。航空支援の要請をする。』
「了解、5分間持ちこたえろ。」
小枝は無線機を戻すと、その場にいる幹部自衛官に言った。
「甲板にある機はすべて発艦!攻撃ドローンATD-4、攻撃ヘリAH-1Sコブラ、AH-60Dアパッチの各5機は発艦せよ。OH-1ニンジャ2機もただちに発艦開始!急げ!」
「はっ!」
航空自衛隊の幹部自衛官は直ちに発艦準備に入った。言い忘れていたが、この桜のヘリ以外の航空機はすべて航空自衛隊が担当している。さらに90式艦対艦誘導弾などのミサイルは海上自衛隊が運営している。元々海上自衛隊の兵器だから海上自衛隊に任せている。つまりこの桜は陸・海・空の3つの自衛隊が合わさって運営しているのだ。
 航空自衛隊のスクランブル発進の成果なのかとても迅速に戦闘機が飛び立った。
「トマホーク発射!目標、敵車両!」
小枝が叫ぶとミサイル担当の自衛官も叫んだ。
「第1ミサイル発射菅VLS、トマホーク発射!」
第1ミサイル発射管から巡航ミサイルトマホークが8つ飛び出した。トマホークは速度を維持し、見事敵車両に命中した。トマホーク命中の数秒後、日本の戦闘機隊が金海の地にて舞い降りた。戦闘機は次々と敵車両・航空機を灰の塊に仕立て上げた。
「おぉ、すごい。」
約半数を失った軟体動物軍は撤退をしようとして輸送機を発進しようとしていた。
「そうはさせない。」
攻撃ドローン・攻撃ヘリ部隊が到着し、TOW、ヘルファイアを残りの車両を発射した。輸送機も破壊され、後を無くしたタッコ星人は遂にやけになったのか突進してきた。突進してきたタッコ星人を韓国軍が戦車砲や機銃で掃討した。掃討がちょうど終了した時には桜は空港駅に到着した。小枝は武装した陸上自衛隊員4名の護衛の下、空港駅で降り、金海キメ国際空港の国内線ターミナル内に入った。中は避難している韓国人でいっぱいだった。親を亡くしたのか、兄妹2人は1つの毛布でくるんで肩を寄せ合っていた。小枝はその光景を見て帽子を深くかぶり、目線を足元に向けた。奥で韓国軍の1人が手招きをしていた。小枝はその手招きしているところの元へ行った。警備をしていた韓国軍の兵士の間の扉に入った。
「ようこそ、韓国の釜山へ。ま、席にお座りください。」
将軍のような人物に言われ、将軍と机を挟んで小枝は座った。
「まずは自己紹介からしましょう。私は韓国陸軍第56戦闘師団団長の『チャン・テンス』と申します。」
「ご丁寧にどうも。私は日本国陸上自衛隊戦闘列車「桜」司令長官の『小枝 鳳仙花』です。」
「どうぞよろしくお願いします。小枝司令。」
チャンはごっつい右手を差し出した。小枝も「こちらこそよろしくお願いします。チャン団長。」と言い、右手を差し出し握手をした。日韓の友好が再度確認されたかのように見えた。
「さて、まずは何からおっしゃればよいか…」
チャンはそう言いながら考えていた。確かにそうである。この数年間、連絡も取れていない状態だったので何から話せばいいのかわからないのも無理はない。
「では、まず私から質問してよろしいでしょうか?」
小枝は先陣を切るかの如く先に喋った。
「どうぞ。」とチャンが言うと、小枝は進めた。
「現在の韓国の状態と韓国軍の現戦力についてお聞きしたい。」
「現在の韓国はほとんど制圧され、我々の部隊が把握しているのだけでこの金海国際空港だけが制圧されていない地域となっています。」
チャンはつらそうな顔をしながら言った。
「ソウルのほうはどうなっていますか?」
小枝は聞いた。
「残念ながらなんとも…」
チャンは最後の方を濁らせながら言った。
「…わかりました。お気持ちを察します。」
「ありがとう小枝さん。」
「では、あなた方が把握しているだけでいいですから、現地点でのあなた方の戦力をお教えください。」
「現在、我々の戦力は無線でもおっしゃった通り、攻撃ヘリ5、輸送ヘリ3、戦車10、装甲車13、大型バス5です。兵員は3000人です。さらに我々の兵員は度重なる敵の襲来により、かなり疲労がたまっています。」
ちょうどそこに韓国兵が2人にお茶を差し出した。小枝はそのお茶をすするとチャンに言った。
「このお茶を見て思ったのですが、食料調達はどうなっていますか?こんなにも避難民がいるんだ。大丈夫なんですか?」
「それについてはご心配ありません。実は金海キメ国際空港の少し南の沿岸にでかい貨物船が泊まっているのですが、その中に大量の食糧が入っており、なんとか大丈夫な感じです。ですが、医療関係が整えず、衛生状態がとても悪いです。さらに弾薬が先の戦闘で尽きてしまいました…」
「わかりました。至急母国に連絡を取り、救援物資を運んでもらいましょう。さらにごく少数ですが、医療関係者も呼んでおきましょう。幸いなことにここは空港です。2時間あれば来ると思います。ですが、その時に一時的に日本が韓国の領空を侵犯しますが…」
小枝は最後になぜそのようなことを言ったのか?彼は朝鮮戦争を思い出したのだ。歴史が進んでも、戦争の記憶は未だに消えない。この金魚国際空港にも日本の自衛隊が来てくれたおかげでうれしいと思っている人もいれば、日本の軍隊が韓国の地を踏むんじゃねぇ!と思っている人もいる。小枝はこのようなことを踏まえ、チャンにそういう言い方をしたのだ。だが、チャンは
「侵犯なんてとんでもない!むしろ我々韓国人は日本にとても感謝しております。確かに先の戦争のことはありました。ですが、今は地球の危機です。今は人類が結集しないといけないと思っています。」
と言った。小枝はほっとした表情でこう言った。
「そう聞いて安心しました。では至急連絡をとってもらいます。」
小枝は隣にいた通信員にこのことを母国へ連絡させた。
「では、我々はまだ仕事が残っていますので…」
そう小枝は言い立ち上がり、退出しようとするとチャンがそれを止めた。
「ちょっと待ってください!仕事というのは何かをお聞かせ願いたい。」
すると、小枝が答えた。
「我々、日本国陸上自衛隊の任務はタッコ星人からの地球奪還です。その実現をするためにも今すぐにでも主要都市、いや、全都市の奪還が急務です。ですので、我々は今から釜山の奪還をいたします。金魚キメ国際空港の防衛は我が自衛隊が防衛しますのでご安心ください。」
「…あの、誠に恐縮ですが、その仕事、我々が行ってよろしいでしょうか?」
小枝は驚いた表情で言った。
「お言葉ですが、あなた方の第56戦闘師団はすでに壊滅状態であると思われますが…」
「小枝さんの言う通りです。我々の戦力はほとんどない。いつ全滅してもおかしくない状態だ。けどね小枝さん。ここ釜山は私たちの母国の1つなんだ。他の国の軍隊が韓国を助けてもらっちゃあ、韓国軍は自分の国を守ること、占領された時の奪還ができないのか!っとこの戦争が終わった後に国民から笑われちまうよ。頼む、小枝さん!我々が自国を奪還したいんだ!これは韓国軍のプライドでもある!」
小枝は考えた末にチャンに答えた。
「わかりました。あなた方第56戦闘師団に韓国奪還をお任せいたします。」
「本当か!ありがとう小枝さん!」
小枝はチャンに待った!というポーズをして続けた。
「ただし、我々もあなた方をそのまま見過ごしたくはありません。ですので、我々陸上自衛隊戦闘列車『桜』は援護という形をとるというのが我々の条件です。」
「それはとても心強いです。これからどうぞよろしくお願いします。」
チャンは右手を小枝に差し出した。その行動を見た小枝は自身も右手を差し出し、再度握手をした。
「韓国奪還を我々の師団で行うとチャンさんはおっしゃいましたが、戦力の補充はどうなさるおつもりですか?」
小枝はチャンに聞いた。
「その点についてはご心配なく。実はつい先日、我々の偵察隊が捜索していたところ、この金魚国際空港の南に乙淑島ウルスットという島があるのですが、どうやらそこに強制収容所らしきものをつくっているという情報がありました。さらにその強制収容所では韓国軍兵士3万と民間人15万、在韓米軍1万と韓国軍と米軍の兵器があるとの情報です。」
「なるほど。確かにそれなら戦力の補充ができますね。ですが、なぜタッコ星人は地球の兵器を壊さず保管しているのですか?」
チャンは束になった資料のページをめくりながら言った。
「そこまでは情報が入っていませんが、私の推測ではありますが、たぶん研究をしているのだと思われます。ですが、今はそんなことは問題じゃない。問題は…」
「民間人ですね。」
チャンが言おうとしていたところを割って小枝が言った。
「さすが小枝さんです。この民間人をどうするかによって戦略が大きく変わります。」
「同感です。」
「一番いいのは航空写真を撮って、戦略を考えることがいいのですが、小枝さんの部隊でなんとかできませんでしょうか?」
「今、制空権を握っているのは我々です。可能ではありますが、もし、するならば今しかありません。この制空権もいつタッコ星人に握られるかわかりませんので。」
「では、至急、航空写真の撮影の要請をお願いします。」
「わかりました。動画と写真の両方で撮りますので、チャンさんもご一緒願いますか?」
「もちろん。」
小枝とチャン一行は桜へ向かった。
「これが桜ですか…想像以上です。」
チャンは口を広げて驚いていた。
「驚くのはまだこれからですよ。」
小枝は桜の扉を開け、共に入った
「なんだか、子供に戻った感じですな。」
チャンの言葉に小枝は微笑んだ。一行は7両目の司令室に向かった。
「おぉ!これが桜のCIC戦闘指揮所ですか!」
「改めまして、ようこそ我が桜へ。本当は車内をご案内させたいのですが、そのような時間がないため、省かせていただきます。」
「いや、案内なんてとんでもない。桜の脳と言ってもいいぐらいのここCICに入れただけで恐縮極まりないです。」
「ありがとうございます。では、早速、偵察機を発艦します。」
「頼みます。」
小枝から連絡を受け、第一航空母艦から無人偵察機RQ-4グローバルホークを一機発艦させた。
「小枝さん、作戦中申し訳ないが、少し質問をしてもよろしいか?」
チャンはCICに映っている第一航空母艦のカメラ映像を見ながら言った。
「どうぞ。構いませんよ。」
「今、発艦したのは無人偵察機グローバルホークですか?」
「よくご存じで。あなたのおっしゃる通りです。今発艦したのは無人偵察機グローバルホークです。それが何か?」
「いや、実は我々韓国軍には偵察ドローンがあるのだが、日本自衛隊はこのドローンを持っておらんのか?」
「いえ、我が桜には多彩なドローンを備えております。…チャンさん。申し訳ないが、あなたが一体何を言いたいのか全く分かりませんが…」
「これはこれは失礼!私はなぜ見つかる危険性が低いドローンではなく、大きい無人偵察機を使ったのかを聞きたいのです。」
チャンの言う通りだ。ドローンの場合、レーダーに発見はするかもしれないが、目視による確認はほぼ難しく、かつ撃墜されても安価であるため、この時代ではドローンのほうが向いている。一方、無人偵察機のほうはステルス効果で、機影をレーダーで確認することは近距離でないと難しいだろう。だが、目視の場合見ることはできないこともない。つまりチャンは小枝に「わざわざ敵に堂々と偵察していることをアピールするのか」と言いたいらしいのだ。だが、小枝には考えがあったのだ。
「チャンさん。あなたが思っていることはわかります。ですが、あなたが思う見つかる相手・・・・・・と私が思う見つかる相手・・・・・・は大きく異なります。」
「どういうことですか?私はただ、敵に見つかる可能性がある。と言いたかったのですが。」
「それです。あなたが思っている見つかる相手とは敵であるタッコ星人。ですが私が思っている見つかる相手とは収容所にいる地球人です。」
「!」
「その顔はわかったという顔ですね。さすがです。私は強制収容所に収容されている地球人に私たちが助けに来たということをアピールしたいのです。」
「さすが小枝さんです。いやー私にはそんな考えはありませんでした。確かに収容されている人にとっては勇気と希望を与えてもらえるような感じですね。」
「その通りです。」
グローバルホークは金魚国際空港から南へ約7キロ、乙淑島ウルスット上空へ差し掛かっていた。
「司令官、目標上空です。」
「おう、わかった。チャンさん、どうぞご覧ください。」
小枝とチャンはグローバルホークの映像をモニターで確認した。

強制収容所では19万人の民間人と韓国軍人と在韓米軍人が収容されていた。
「俺たちどうなるんやろうな。」
在韓米軍の『ジョージ・ダンカン』は収容所の中の堅いベットに仰向けになって言った。
「さあな。もしかするとタッコ星にでも連れていかれて奴隷のように使われるんじゃね?」
同じく在韓米軍である、『エドガー・ピアース』はあぐらをかいてタバコの火を着けて言った。
「ああ。そうかもな。」
ジョージはえどがエドガーとは正反対に横向きに態勢を変えて眠りにつこうとしていた。
「おいおい。もう諦めてるのか?」
「しょうがないだろ。あいつらに従わないと殺されるんだから。」
強制収容所ではまさに刑務所のような暮らしだった。いや、刑務所以上だった。飯はよくわからない緑色の肉みたいなもの。口にすることはできなかった。刑務所の中と外には24時間タッコ星人の軍が見張っており、そいつらに反抗でもすれば射殺されてしまう。彼らは我々をただの動く的だと思っているに違いない。収容所にいる人、全員が生きる希望を無くしかけていた。そんな時だった。彼らに勇気を与えてくれる天使エンジェルが現れた。
「おい!ジョージ!見ろ!天使エンジェルがやってきたぞ!」
「…お前、ついに精神状態がおかしくなっていかれちまったか?」
「なわけねぇだろ!空を見てみろ!空を!」
エドガーに言われ、重たい体を起こし、鉄格子から空を見上げた。そこにはRQ-4、無人偵察機グローバルホークが飛んでいた。
「本当だな。天使が俺たちを救いに来たようだな。」
「ああ!」
その途端、収容所内に警報が鳴り響いた。
「何事か!」
韓国釜山強制収容所の所長であるケルビン所長が言った。
「敵偵察機のようです!」
「すぐに撃退しろ!」
ケルビンは兵士にそう言い、所長室の椅子にもたれかけながら思った。
(一体、どこがそんな航空機をもっておるのだ。ほとんどの国は制圧したはずだが…)
ケルビンは立ち上がり、窓を見ながら再度思った。
(あれが敵の偵察機か…無人機のようだな…)そう思うと彼は双眼鏡を覗いた。(ん…?あれはまさか…噂のジャパンという国か…!)彼はグローバルホークの胴体に描かれてあった日の丸を見て思った。視線をそらしたその後、突如爆発音がした。彼はすかさず電話をとった。
「…あぁ。私だ。どうやら撃墜したようだな。ご苦労であった。」
『所長からの御礼。誠に感謝の極みであります。それで、何か他に御用があり、電話をされたのでは?』
「ああ。さっきの偵察機がどこからやってきたかを解析してくれないか?」
『所長。もうすでに解析済みです。この航空機は7キロ北にある金魚キメ国際空港からやってきたもののようです。』
「さすが君は早いな。そこで君にお願いなんだが…」
『すでに準備万端です。いつでも出撃ができます。』
「これは一本取られた。よし。君の指揮であいつらを再起不能にしてやってくれ。」
『ミーヤ!(タッコ語で了解という意味)』

「司令官、グローバルホーク、撃墜されました。」
グローバルホークを操縦していた隊員が言った。
「ま、予想通りだろ。肝心の写真は撮れたか?」
「は!写真、動画とも撮影成功です。」
「モニターに出してくれ。」
モニターに強制収容所がある乙淑島ウルスットの写真が現れた。
「自然があふれていた乙淑島ウルスットが…」
チャンは語尾を濁らしながらもそう言った。
「チャンさん。お気持ちは察します。ですが、今は彼らの救出作戦が先です。」
「そうですな。彼らの解放が先ですね。この乙淑島ウルスットはタッコ星人を出ていかせてから元の状態に取り戻します。」
「きっと、動物たちもそれを望んでいます。」
小枝がそう言った瞬間、車内に警報が鳴り響いた。
「何事か!?」
「敵機の来襲です!他にも地上部隊がいる模様です!」
「総員戦闘配置!」
小枝はそう叫んだ。
「やはり彼らは来ましたか。」
チャンはそう小枝に言った。
「そのようですね。チャンさん、我々の戦いをこの目でみてください。」






次回予告
ついに釜山に到着した日本自衛隊。そこには強制収容所があるとの情報が。金魚キメ国際空港で攻防戦を行っていた第56戦闘師団の団長であるチャン氏と共に強制収容所の解放を行おうとしていた。だが、そこに釜山強制収容所から来たタッコ星人の防衛部隊が金魚キメ国際空港に迫ってきた。果たして、日本自衛隊は防衛部隊に勝ち、収容所で捕らわれている民間人という壁を越えることはできるのであろうか?!

次週お楽しみに。

P.S.鉄道戦艦の第一話で桜が博多駅に到着したときに「8両目の司令塔で作戦会議が…」の部分があるのですが、「7両目の作戦会議室で作戦会議が…」の間違いです。現在は訂正されております。すみませんでした。
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