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1年生4月
第弐話 桜葉遊園地攻防戦[前編]
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「今回、我が桜葉高等学校を護っていただき、誠に感謝しておる。この防衛部を創設して本当によかったと、思っておる。この防衛部の創設には色々な先生、PTAなどから大きく反発があったのじゃが…」
長い…なぜ校長先生の話というのは長いのだろうか?校長先生にもマニュアルというものがあり、そのマニュアルに沿っているらしいが、それにしても長すぎると思う。読者たちもきっと一度は思ったことだろう。
桜葉高等学校防衛部は校長先生から呼ばれたので、代表者として出席した盛田、橋本は校長室にいた。感謝状と一枚の紙をもらい、防衛部の部室に戻った。
「校長先生の話は長すぎる…」
と、盛田が言った。
「お疲れさまです!隊長!」
と、星野が敬礼しながら言った。
「そういえば、結局誰に隊長にするのか決まっていなかったけど、俺でいいの?」
「いいんじゃない?」
「誰でもいいと僕は思いますよ。」
「飛鳥もねぇ、いいと思うよ!」
全員一致で盛田がこの桜葉高等学校防衛部の隊長となった。
「そういえば、その左手に持っているのはなんですか?右手にある感謝状をもらうのはわかりますけど…」
と、星野が言った。盛田がテーブルの上においてある羊羹を取ろうとしたが、星野が問いかけてきたのでその手を止めて答えた。
「ああ、この紙か?この紙には今回の戦いで見事、防衛することができたということで、あらたな武器を追加してくれるということでその武器のリストだ。」
「どんな武器なの?ヘリコプターがくるのは知っているけど…」
橋本は盛田が取ろうとしていた羊羹を取って食べながら言った。
「確かに真里亜の言う通りヘリもいるぞ。ま、詳しくはこの紙を見てくれ。」
盛田は紙をテーブルにおくと、橋本が羊羹を食べていたことに気がつき、その皿を見て落ち込んだ。紙にはこう記載されてあった。
防衛力強化の為の武器追加
ヘリコプター
AH‐1S(コブラ)一機
CH-47JA(チヌーク) 一機
車両
軽装甲機動車 一台
74式戦車 一両
以上が追加した車両である。
「え?戦車!?やったー!」
星野は戦車が来てとてもうれしいようだ。しかも自分が好きな戦車というのがなによりもうれしいようだ。
「えー、ちょっと待って、戦車は安奈ちゃんが運転できるとしても、ヘリは操縦できないんじゃないん?」
と、谷村が言った。
「さすがにヘリは無理…」
読者の皆さんは先程から疑問が生じたであろう。大半の高校生は戦車はもとより車が運転できないのではないかと、確かにその通りなのである。車両等の運転はこの時代になっても、普通免許は十八歳からである。しかも、盛田たち五人は入学したての高校一年生。つまり、十五歳ぐらいがほとんどである。だが、この防衛部及び、全国の軍事組織と言われる部活動は法律により、十五歳からすべての乗り物が特別な教習所で免許をとることができ、運転できるのである。ただし、大型の飛行機《C‐1など》や工事車両、鉄道、船舶は禁止となっている。(特定の高校のみ許されている場合がある)
「ふっふっふっ、そこはちゃんと俺が問題を解決したのだ。」
不気味な笑い声を出しながら盛田は言った。
「どういう意味?」
「じゃ、中に入ってー」
そう盛田が告げると部室の扉がノックされた。ドアが開かれると、一人の少年がいた。
「おい、盛田。さすがに外にいると寒いぜ…」
がたがたと震えながらその少年は言った。春とはいえ、まだ寒い風が吹いている季節である。結構な時間待ったと思われるが、さすがに堪えるだろう。
「わりいわりい。ちょっと話が長くなっちまってな。」
「隊長、この人は一体どなたですか?」
星野は首をかしげながら言った。
「こいつは俺の小学校から幼なじみの『留田 哲也』だ。ま、詳しいことはこいつが話すはずさ。」
投げやりかよ…留田はそう思いつつ、自己紹介をした。
「改めて俺の名前は『留田 哲也』だ。あいつから戦闘ヘリがこの部で操縦できるってことだから、この部に入ることにしたわけだ。ってことでよろしく頼むぜ。」
って、誰も聞いてねーじゃん…留田がこの部活動でやっていけるか自信がなくなりそうになったのはさておき、この『留田 哲也』は戦闘ヘリ・観測ヘリなどの小型のヘリならプロ並みの操縦ができる凄腕の持ち主だ。輸送ヘリなどの大型は一度はやってみたものの、危うく墜落しそうになったので、小型である戦闘ヘリ・観測ヘリのみしか操縦できないのであった。
「とにかく、こいつが入ったことでヘリの問題は解決やな。」
と、盛田が言うと、ずっと女性向けのファッション誌を見ていて口を動かさなかった橋本が雑誌を閉じると、口を開いた。
「てかさ、私もヘリを操縦出来る人を呼んだんだけど…」
「え…?」
幼なじみの二人はきょとんとした顔で言った。
「隊長、いよいよ完成ですね。」
「ああ、研究活動部のおかげで、すばらしい兵器ができた。」
時を同じとして、桜葉高校と敵対関係である「帝国第二高校」の研究ルームではある兵器が開発されていた。帝国第二高校とは桜葉高校からみて西にある高校である。他にも桜葉高校周辺には様々なライバル校がいる。(資料「桜葉高等学校周辺の高校」に記載)
その帝国第二高校なのだが、前回桜葉高校にスパイを潜入させた高校である。その作戦は桜葉高校防衛部により阻止され、失敗という結果になった。そのためなのか帝国第二高校は今後の桜葉高校の活動に警戒し、情報収集を強化したらしい。
「この兵器があれば、桜葉高校防衛部なんて楽勝っスね。」
「甘く見てはだめだぞ。やつらは部員が少ないが、腕は確かだぞ。例に我が部員が足を負傷されたではないか。」
と、隊長こと『大嶋 泰助』が言った。彼は帝国第二高校戦闘部第二戦闘部隊の隊長で陸上自衛隊の階級で言えば、一等陸尉である。銃の腕は確かで、彼にパンツァーファウスト3(日本陸上自衛隊のLAMと同類)を持たせたら百発百中の名手である。そんな彼だが、いつもなら大胆に任務をこなすが、今回だけは慎重にやるようになっていた。
「その通りですね。」
「隊長!桜葉高校の今後の動きがわかりました!」
と、一人の隊員が大嶋に桜葉高校の今後の動きが記載されている紙を渡した。
「うむ、近々歓迎遠足があるらしいな…よし、これを狙おう。作戦会議だ!」
「了解!ただちに代表者を集めます!」
一方、帝国第二高校が桜葉高校の歓迎遠足中を襲うとは知らない、防衛部員は橋本がヘリを操縦出来る人を呼んだというので、防衛部一同は部室の隣にあるヘリポートにいた。
「ここにいるのか?」
盛田が言うと、続けて留田が言った。
「みたところ、俺が乗って来たコブラしかないんだけど…」
「ちょっと待ってね。」
橋本はそう言うと、無線機を取り出し、マイクに向かってこう言った。
「こちらチェリー、空の散歩はいかが?着陸を許可する。ヘリポート2に着陸せよ。送れ。」
『こちらブルーバード、愉快な空だった。ヘリポート2に着陸を開始する。危険範囲に入らないように願いたい。送れ。』
「了解。終わり。」
上を見上げると、一機のチヌークが降りようとしていた。チヌークはローター音を上げながら着陸した。運転席から一人の少女が降り立った。
「うちの名前は『川本 春奈』や。この度、真里亜からお願いされたから、所属したわ。ほんじゃ、よろしく頼むわ。」
いきなりの自己紹介なのか、橋本以外みな、きょとんとした感じである。
「えーっと、この娘は私と幼なじみの春奈ちゃん。彼女は大型ヘリ、主に輸送ヘリ関係を運転するのが得意なんだ。」
橋本が説明すると、やっと今の状態を理解したようで、盛田が代表とする形で話した。
「つまり、この春奈ちゃ…川本さんがチヌークを運転できるんだね。ヘリの操縦士は一人でもおおくいたほうがいい。ありがとう。」
なんだかんだで、ヘリの操縦士が桜葉高校防衛部に二人入部したのである。
「あ、そうだ、チヌークの中に軽装甲機動車も一緒に持ってきたから、運んどいてや。」
川本はそういうと、橋本と谷村が軽装甲機動車に乗り、防衛部の車庫に運んだ。
「あと、戦車運転できる人って誰や?」
「私です。」
手を上げながら、星野が言った。
「ほな、うちのチヌークに乗ってや、戦車を取りに行くけ。」
「わかったわ。」
星野と川本がチヌークに乗ろうとした途端、「ちょっと待てやー!」という声がした。
二人が振り返ると、留田と加藤がいた。
「俺はちょいと、おまえさんの操縦を見たいぜ。」
と、留田がニヤニヤしながら言うと、
「僕はチヌークについて拝見したい。」
と、加藤が指でメガネを押しながら言った。
「仕方がないねー。じゃあ、とっとと、乗ってや。」
川本は二人の搭乗を許可すると、四人はチヌークに搭乗して離陸をした。
一人残された盛田は携帯を取り出すと、チヌークのローター音で今まで気づくことが出来なかった着信を見た。一通の着信が入っていることを確認すると、その着信を残した本人に電話をした。
「もしもし、こちら防衛部の盛田です…え?護衛の依頼?…はい、わかりました。すぐに行きます。」
盛田は電話を切ると、校舎のほうに向かって走った。
「二時の方角、敵戦車!」
「こちら、スサノオ。スパローに下命!TOWミサイル発射!」
『了解!』
どうして…
「十時の方角、敵影!」
「小銃、撃ち方始め!」
こんなことに…
時系列は防衛部が再度全員そろったところに戻る。
「みんな、これは重要なことだから聞いてくれ。」
盛田がそういうと、全員の行動が止まった。
「今回、新たに防衛・警備の依頼が入った。内容は歓迎遠足及び桜葉遊園地の防衛だ。」
「歓迎遠足の防衛?」
全員が首を傾げながら口々に呟いた。
「ああ、そうだ。防衛部初の任務だ。」
「さすがにいくら敵でも楽しいひとときに襲撃はしないでしょ。」
橋本はこう反論をしたが、盛田は首を振りこう言った。
「残念だが、そうも言ってられんのだ。実は桜葉高校防衛部が創設されたことにより、各校は焦りだしたらしい。」
「それはやはり、軍事バランスが関与しているということですか?」
加藤はそう言うと盛田が後に続けた。
「その通りだ。今は帝国第二高校のみが我が桜葉高校の敵ということだが、他にも敵が増えるのかもしれない。その時はその時なんだが、各校は全力でこの桜葉高校防衛部を排除したいと思っている。そして、この桜葉高校を山分けにするらしい。そうならないためにも我が防衛部が全力で生徒を護らないといけない!これから作戦会議を行う。手元の資料を見てくれ。」
盛田はそう指示すると、全員が手元にある資料をみた。
「まず、入口と出口は西の一つしかない。そのため…」
「死守しないといけない、ということですね。」
星野は大日本帝国海軍の重巡洋艦「愛宕」のプラモを組み立てながら言った。真面目に聞いていないように見えた盛田だったが、正しい質問をしていたので後々盛田はプラモを作りながらでも真面目に聞いていることがわかり、質問に答えた。
「その通りだ。だが、敵は我々より遥かに兵が多く、遥かに火力が違う。このままでは負けてしまうが、場所は広大な草原ではなく、建物がたくさんある場所だ。うまく利用すれば勝率はかなりあると俺は思う。」
確かに盛田の言う通りである。例えば91式携帯地対空誘導弾を持っている一人の兵が見晴らしのよい草原で戦闘ヘリと戦おうとしても、これは自殺行為である。だが、場所が市街地ならどうだろう。兵が建物の陰に隠れて91式携帯地対空誘導弾を撃つと戦闘ヘリは対処不可能であろう。要は戦略なのだ。
「つまり入口さえ守ればいいってことか?それなら74とコブラさえあれば、楽勝じゃね。」
留田はそういうと、川本が反論した。
「そんな簡単なわけがあるはずがないやろ。うちが敵だったら、遊園地に囲ってある壁をC4(プラスチック爆弾)等で爆破して侵入したり、コブラを対空ミサイルで撃墜してヘリで侵入してラぺリング降下するヘリボーン作戦(ヘリコプターを用いて敵地などへ派兵する戦術)をするわ。」
「川本の言う通りだ。この作戦では『自分が敵だったらどうする。』という感じで考えないといけない。空からの侵入はコブラで対処できるが、問題は壁を爆破したときに74だけでは対処ができないな…」
盛田はそういうと悩んでいた。だが、この悩みは加藤の言葉ですぐに解決する。
「その心配は無用です。もうすでに遊園地周辺の壁に赤外線センサーをしかけました。それで敵の位置もまるわかりです。もし、敵が壁を爆破して侵入したとしても、軽装甲機動車四台できっと対処できますよ。」
「ちょっと待ってくれ、今さっき、『軽装甲機動車四台』と言わなかったか?」
「はい、いいましたけど。」
「どこでその情報を?」
「学校のホワイトボードで」
「誰が?」
「校長」
(またあの校長…極秘情報だったのに…)
盛田は呆れたように校長のことを思っていた。軽装甲機動車はこの遊園地の防衛を任されたと同時にもう三台を追加することを盛田だけに言っていたらしいのだが、どうもここの校長は自慢したいがために学校職員共有のホワイトボードにポスターを貼って職員・生徒にアピールしたかったようだ。発表されようが、されなかろうが、どちらにせよ、防衛部全員に知れ渡ることなので「ま、いっか」と思い、自分を納得させた。ちなみに歓迎遠足を防衛部が防衛するという事実は公式発表されてはいない。
「けど、軽装甲機動車三台あっても、人がたりないんじゃ、宝の持ち腐れだよ?」
橋本が言うと、盛田が答えた。
「それについてはご心配無用。実は例の事件によって新たに25人ほど応募があり、現在谷村が指導している。」
「なるほど、だから飛鳥ちゃんがいないわけね。」
アイドルを目指しているというのになぜか影が薄い谷村であった。
「よし、話を戻すぞ。今回は全部隊を使おうと思ってはいるが、ヘリは極力使わないようにしたいと思っている。」
これを聞いた、留田と川本は反発した。
「なしてや!今回が一番の見せどころちゃうん?」
「俺はTOWミサイル(対戦車ミサイル、コブラに装備)を撃ちたいぜ。」
「話は最後まで聞いてくれ。」
盛田は冷や汗をかいて留田と川本を落ち着かせた。
「今回、航空科には第二駐車場で指示あるまで待機をしていただきたい。」
遊園地の駐車場は桜葉高校防衛部用として貸してもらう予定になっている。無論、チヌークが余裕で停めれるサイズである。
「なしてや?」
「もし、遊園地の上空で敵が地対空ミサイルをいきなり撃たれたら撃墜されるやん。お前たちだけではなく、下にいる生徒まで巻き込まれるだろ?しかも楽しんでいる最中にヘリの爆音(ローター音)がうるさいって苦情が来るぞ。」
「言われてみればそうやな。」
「だろ?そういうことだからわかってちょーだい。ちなみに留田にはたまにコブラを飛ばして上空を偵察してもらいたい。」
「了解した。」
留田は了承すると、今度は星野が言った。
「あの、質問いいですか?」
「いいぞ、なんでも質問したまえ。」
盛田は戦略を考えるのに対して興奮しているのか今日は機嫌がいい。
「出入口を守るということと航空機は極力使わないという方針は分かりましたけど、現地にいる兵どのように兵員を配置するのですか?」
「今回は主に地上戦を想定している。従って、まず西の入口に74を配置し、戦力がこちらの方が優位であるということを敵に見せつける。74の搭乗員は星野と他隊員三人で、指揮は星野に任せる。」
「了解。出入口は任せてください。」
盛田は机に桜葉遊園地の地図を広げ、遊園地の出入口に戦車の模型を置いた。
「次に軽装甲機動車三台を北・東・南にそれぞれ一台ずつおく。橋本は谷村と他隊員三人軽装甲機動車に乗って、東についてくれ。谷村には俺から伝えておく。」
「わかったわ。」
盛田はそれぞれ遊園地の北・東・南に自動車の模型を地図上に置いた。
「そして、コブラに乗る操縦士の留田と射撃手の加藤は20分毎の警戒をしてもらいたい。駐機場は第二駐車場とする。なお、加藤には遊園地周辺の赤外線センサーの反応も確認と周辺の状況を各軽装甲機動車の隊員に報告してもらいたい。」
「よっしゃ!初の防衛や!」
「了解です。」
コブラの模型を第二駐車場においた。
「最後にチヌークなんだが、これは万が一の際にヘリボーンを行うために機内に軽装甲機動車と残りの隊員九名と燃料・弾薬を乗せ、第二駐車場にて待機させておく。この隊員九名に関しては、俺が指揮する。もしなんらかの事態が起きたら、すぐに飛ばし、対空ミサイルなどの対空武器に注意し、遊園地内のどこかに着陸する。着陸と同時に隊員五人が乗った軽装甲機動車が出動する。残りの四名と俺はチヌークを守る。もしかすると、逃げ遅れた生徒を運ぶかもしれないが、そのときはそのときだ。操縦は川本、頼んだぞ。」
「うちに任せとき!どんな場所だろうが着地してみせるけ!」
ヘリの模型を第二駐車場に置き終わると、盛田は言った。
「以上が今回の兵員の配置だ。他に質問はあるか?」
全員が無言であった。
「なければ、一週間後の桜葉遊園地の防衛に向けて特訓だ。解散!」
それから防衛部は一週間という短い時間に特訓をした。あるものは小銃の射撃訓練、またあるものはヘリの操縦訓練という感じで昼夜問わずとして特訓をした。
そして一週間が過ぎた。歓迎遠足当日朝六時、防衛部の隊員全員は部室前に整列した。運動会などで校長がなにかを話すときに上がる台、すなわち指揮台(朝礼台)と呼ばれる台に盛田が上がり、防衛部員に言った。
「みな、厳しい特訓を耐えよくがんばってくれた。今日はその成果を発揮できる機会である。敵は絶対といっていいほど今日攻めてくるはずだ。絶対に勝つとこの場では言わないといけないが、戦いに『絶対』の二文字はない。万が一に備えて遺書を書いたものがおれば、出していけ。出撃は桜葉遊園地が開園時刻『〇八:○○』と同時に出撃する。防衛戦闘および撤収終了時刻は『一八:○○』。最後に一つ、俺たちは生徒を守る防衛部であることを忘れるな。解散!」
隊員たちは解散すると、銃の点検、チヌークへの物資搬入などをして、出撃時間を待った。
「隊長、『○八:○○』時間です。」
「桜葉高校防衛部、防衛の為、総員出撃!」
勇敢な戦士たちは生徒を守るという一心で今、桜葉遊園地に向かうのであった。
続く
長い…なぜ校長先生の話というのは長いのだろうか?校長先生にもマニュアルというものがあり、そのマニュアルに沿っているらしいが、それにしても長すぎると思う。読者たちもきっと一度は思ったことだろう。
桜葉高等学校防衛部は校長先生から呼ばれたので、代表者として出席した盛田、橋本は校長室にいた。感謝状と一枚の紙をもらい、防衛部の部室に戻った。
「校長先生の話は長すぎる…」
と、盛田が言った。
「お疲れさまです!隊長!」
と、星野が敬礼しながら言った。
「そういえば、結局誰に隊長にするのか決まっていなかったけど、俺でいいの?」
「いいんじゃない?」
「誰でもいいと僕は思いますよ。」
「飛鳥もねぇ、いいと思うよ!」
全員一致で盛田がこの桜葉高等学校防衛部の隊長となった。
「そういえば、その左手に持っているのはなんですか?右手にある感謝状をもらうのはわかりますけど…」
と、星野が言った。盛田がテーブルの上においてある羊羹を取ろうとしたが、星野が問いかけてきたのでその手を止めて答えた。
「ああ、この紙か?この紙には今回の戦いで見事、防衛することができたということで、あらたな武器を追加してくれるということでその武器のリストだ。」
「どんな武器なの?ヘリコプターがくるのは知っているけど…」
橋本は盛田が取ろうとしていた羊羹を取って食べながら言った。
「確かに真里亜の言う通りヘリもいるぞ。ま、詳しくはこの紙を見てくれ。」
盛田は紙をテーブルにおくと、橋本が羊羹を食べていたことに気がつき、その皿を見て落ち込んだ。紙にはこう記載されてあった。
防衛力強化の為の武器追加
ヘリコプター
AH‐1S(コブラ)一機
CH-47JA(チヌーク) 一機
車両
軽装甲機動車 一台
74式戦車 一両
以上が追加した車両である。
「え?戦車!?やったー!」
星野は戦車が来てとてもうれしいようだ。しかも自分が好きな戦車というのがなによりもうれしいようだ。
「えー、ちょっと待って、戦車は安奈ちゃんが運転できるとしても、ヘリは操縦できないんじゃないん?」
と、谷村が言った。
「さすがにヘリは無理…」
読者の皆さんは先程から疑問が生じたであろう。大半の高校生は戦車はもとより車が運転できないのではないかと、確かにその通りなのである。車両等の運転はこの時代になっても、普通免許は十八歳からである。しかも、盛田たち五人は入学したての高校一年生。つまり、十五歳ぐらいがほとんどである。だが、この防衛部及び、全国の軍事組織と言われる部活動は法律により、十五歳からすべての乗り物が特別な教習所で免許をとることができ、運転できるのである。ただし、大型の飛行機《C‐1など》や工事車両、鉄道、船舶は禁止となっている。(特定の高校のみ許されている場合がある)
「ふっふっふっ、そこはちゃんと俺が問題を解決したのだ。」
不気味な笑い声を出しながら盛田は言った。
「どういう意味?」
「じゃ、中に入ってー」
そう盛田が告げると部室の扉がノックされた。ドアが開かれると、一人の少年がいた。
「おい、盛田。さすがに外にいると寒いぜ…」
がたがたと震えながらその少年は言った。春とはいえ、まだ寒い風が吹いている季節である。結構な時間待ったと思われるが、さすがに堪えるだろう。
「わりいわりい。ちょっと話が長くなっちまってな。」
「隊長、この人は一体どなたですか?」
星野は首をかしげながら言った。
「こいつは俺の小学校から幼なじみの『留田 哲也』だ。ま、詳しいことはこいつが話すはずさ。」
投げやりかよ…留田はそう思いつつ、自己紹介をした。
「改めて俺の名前は『留田 哲也』だ。あいつから戦闘ヘリがこの部で操縦できるってことだから、この部に入ることにしたわけだ。ってことでよろしく頼むぜ。」
って、誰も聞いてねーじゃん…留田がこの部活動でやっていけるか自信がなくなりそうになったのはさておき、この『留田 哲也』は戦闘ヘリ・観測ヘリなどの小型のヘリならプロ並みの操縦ができる凄腕の持ち主だ。輸送ヘリなどの大型は一度はやってみたものの、危うく墜落しそうになったので、小型である戦闘ヘリ・観測ヘリのみしか操縦できないのであった。
「とにかく、こいつが入ったことでヘリの問題は解決やな。」
と、盛田が言うと、ずっと女性向けのファッション誌を見ていて口を動かさなかった橋本が雑誌を閉じると、口を開いた。
「てかさ、私もヘリを操縦出来る人を呼んだんだけど…」
「え…?」
幼なじみの二人はきょとんとした顔で言った。
「隊長、いよいよ完成ですね。」
「ああ、研究活動部のおかげで、すばらしい兵器ができた。」
時を同じとして、桜葉高校と敵対関係である「帝国第二高校」の研究ルームではある兵器が開発されていた。帝国第二高校とは桜葉高校からみて西にある高校である。他にも桜葉高校周辺には様々なライバル校がいる。(資料「桜葉高等学校周辺の高校」に記載)
その帝国第二高校なのだが、前回桜葉高校にスパイを潜入させた高校である。その作戦は桜葉高校防衛部により阻止され、失敗という結果になった。そのためなのか帝国第二高校は今後の桜葉高校の活動に警戒し、情報収集を強化したらしい。
「この兵器があれば、桜葉高校防衛部なんて楽勝っスね。」
「甘く見てはだめだぞ。やつらは部員が少ないが、腕は確かだぞ。例に我が部員が足を負傷されたではないか。」
と、隊長こと『大嶋 泰助』が言った。彼は帝国第二高校戦闘部第二戦闘部隊の隊長で陸上自衛隊の階級で言えば、一等陸尉である。銃の腕は確かで、彼にパンツァーファウスト3(日本陸上自衛隊のLAMと同類)を持たせたら百発百中の名手である。そんな彼だが、いつもなら大胆に任務をこなすが、今回だけは慎重にやるようになっていた。
「その通りですね。」
「隊長!桜葉高校の今後の動きがわかりました!」
と、一人の隊員が大嶋に桜葉高校の今後の動きが記載されている紙を渡した。
「うむ、近々歓迎遠足があるらしいな…よし、これを狙おう。作戦会議だ!」
「了解!ただちに代表者を集めます!」
一方、帝国第二高校が桜葉高校の歓迎遠足中を襲うとは知らない、防衛部員は橋本がヘリを操縦出来る人を呼んだというので、防衛部一同は部室の隣にあるヘリポートにいた。
「ここにいるのか?」
盛田が言うと、続けて留田が言った。
「みたところ、俺が乗って来たコブラしかないんだけど…」
「ちょっと待ってね。」
橋本はそう言うと、無線機を取り出し、マイクに向かってこう言った。
「こちらチェリー、空の散歩はいかが?着陸を許可する。ヘリポート2に着陸せよ。送れ。」
『こちらブルーバード、愉快な空だった。ヘリポート2に着陸を開始する。危険範囲に入らないように願いたい。送れ。』
「了解。終わり。」
上を見上げると、一機のチヌークが降りようとしていた。チヌークはローター音を上げながら着陸した。運転席から一人の少女が降り立った。
「うちの名前は『川本 春奈』や。この度、真里亜からお願いされたから、所属したわ。ほんじゃ、よろしく頼むわ。」
いきなりの自己紹介なのか、橋本以外みな、きょとんとした感じである。
「えーっと、この娘は私と幼なじみの春奈ちゃん。彼女は大型ヘリ、主に輸送ヘリ関係を運転するのが得意なんだ。」
橋本が説明すると、やっと今の状態を理解したようで、盛田が代表とする形で話した。
「つまり、この春奈ちゃ…川本さんがチヌークを運転できるんだね。ヘリの操縦士は一人でもおおくいたほうがいい。ありがとう。」
なんだかんだで、ヘリの操縦士が桜葉高校防衛部に二人入部したのである。
「あ、そうだ、チヌークの中に軽装甲機動車も一緒に持ってきたから、運んどいてや。」
川本はそういうと、橋本と谷村が軽装甲機動車に乗り、防衛部の車庫に運んだ。
「あと、戦車運転できる人って誰や?」
「私です。」
手を上げながら、星野が言った。
「ほな、うちのチヌークに乗ってや、戦車を取りに行くけ。」
「わかったわ。」
星野と川本がチヌークに乗ろうとした途端、「ちょっと待てやー!」という声がした。
二人が振り返ると、留田と加藤がいた。
「俺はちょいと、おまえさんの操縦を見たいぜ。」
と、留田がニヤニヤしながら言うと、
「僕はチヌークについて拝見したい。」
と、加藤が指でメガネを押しながら言った。
「仕方がないねー。じゃあ、とっとと、乗ってや。」
川本は二人の搭乗を許可すると、四人はチヌークに搭乗して離陸をした。
一人残された盛田は携帯を取り出すと、チヌークのローター音で今まで気づくことが出来なかった着信を見た。一通の着信が入っていることを確認すると、その着信を残した本人に電話をした。
「もしもし、こちら防衛部の盛田です…え?護衛の依頼?…はい、わかりました。すぐに行きます。」
盛田は電話を切ると、校舎のほうに向かって走った。
「二時の方角、敵戦車!」
「こちら、スサノオ。スパローに下命!TOWミサイル発射!」
『了解!』
どうして…
「十時の方角、敵影!」
「小銃、撃ち方始め!」
こんなことに…
時系列は防衛部が再度全員そろったところに戻る。
「みんな、これは重要なことだから聞いてくれ。」
盛田がそういうと、全員の行動が止まった。
「今回、新たに防衛・警備の依頼が入った。内容は歓迎遠足及び桜葉遊園地の防衛だ。」
「歓迎遠足の防衛?」
全員が首を傾げながら口々に呟いた。
「ああ、そうだ。防衛部初の任務だ。」
「さすがにいくら敵でも楽しいひとときに襲撃はしないでしょ。」
橋本はこう反論をしたが、盛田は首を振りこう言った。
「残念だが、そうも言ってられんのだ。実は桜葉高校防衛部が創設されたことにより、各校は焦りだしたらしい。」
「それはやはり、軍事バランスが関与しているということですか?」
加藤はそう言うと盛田が後に続けた。
「その通りだ。今は帝国第二高校のみが我が桜葉高校の敵ということだが、他にも敵が増えるのかもしれない。その時はその時なんだが、各校は全力でこの桜葉高校防衛部を排除したいと思っている。そして、この桜葉高校を山分けにするらしい。そうならないためにも我が防衛部が全力で生徒を護らないといけない!これから作戦会議を行う。手元の資料を見てくれ。」
盛田はそう指示すると、全員が手元にある資料をみた。
「まず、入口と出口は西の一つしかない。そのため…」
「死守しないといけない、ということですね。」
星野は大日本帝国海軍の重巡洋艦「愛宕」のプラモを組み立てながら言った。真面目に聞いていないように見えた盛田だったが、正しい質問をしていたので後々盛田はプラモを作りながらでも真面目に聞いていることがわかり、質問に答えた。
「その通りだ。だが、敵は我々より遥かに兵が多く、遥かに火力が違う。このままでは負けてしまうが、場所は広大な草原ではなく、建物がたくさんある場所だ。うまく利用すれば勝率はかなりあると俺は思う。」
確かに盛田の言う通りである。例えば91式携帯地対空誘導弾を持っている一人の兵が見晴らしのよい草原で戦闘ヘリと戦おうとしても、これは自殺行為である。だが、場所が市街地ならどうだろう。兵が建物の陰に隠れて91式携帯地対空誘導弾を撃つと戦闘ヘリは対処不可能であろう。要は戦略なのだ。
「つまり入口さえ守ればいいってことか?それなら74とコブラさえあれば、楽勝じゃね。」
留田はそういうと、川本が反論した。
「そんな簡単なわけがあるはずがないやろ。うちが敵だったら、遊園地に囲ってある壁をC4(プラスチック爆弾)等で爆破して侵入したり、コブラを対空ミサイルで撃墜してヘリで侵入してラぺリング降下するヘリボーン作戦(ヘリコプターを用いて敵地などへ派兵する戦術)をするわ。」
「川本の言う通りだ。この作戦では『自分が敵だったらどうする。』という感じで考えないといけない。空からの侵入はコブラで対処できるが、問題は壁を爆破したときに74だけでは対処ができないな…」
盛田はそういうと悩んでいた。だが、この悩みは加藤の言葉ですぐに解決する。
「その心配は無用です。もうすでに遊園地周辺の壁に赤外線センサーをしかけました。それで敵の位置もまるわかりです。もし、敵が壁を爆破して侵入したとしても、軽装甲機動車四台できっと対処できますよ。」
「ちょっと待ってくれ、今さっき、『軽装甲機動車四台』と言わなかったか?」
「はい、いいましたけど。」
「どこでその情報を?」
「学校のホワイトボードで」
「誰が?」
「校長」
(またあの校長…極秘情報だったのに…)
盛田は呆れたように校長のことを思っていた。軽装甲機動車はこの遊園地の防衛を任されたと同時にもう三台を追加することを盛田だけに言っていたらしいのだが、どうもここの校長は自慢したいがために学校職員共有のホワイトボードにポスターを貼って職員・生徒にアピールしたかったようだ。発表されようが、されなかろうが、どちらにせよ、防衛部全員に知れ渡ることなので「ま、いっか」と思い、自分を納得させた。ちなみに歓迎遠足を防衛部が防衛するという事実は公式発表されてはいない。
「けど、軽装甲機動車三台あっても、人がたりないんじゃ、宝の持ち腐れだよ?」
橋本が言うと、盛田が答えた。
「それについてはご心配無用。実は例の事件によって新たに25人ほど応募があり、現在谷村が指導している。」
「なるほど、だから飛鳥ちゃんがいないわけね。」
アイドルを目指しているというのになぜか影が薄い谷村であった。
「よし、話を戻すぞ。今回は全部隊を使おうと思ってはいるが、ヘリは極力使わないようにしたいと思っている。」
これを聞いた、留田と川本は反発した。
「なしてや!今回が一番の見せどころちゃうん?」
「俺はTOWミサイル(対戦車ミサイル、コブラに装備)を撃ちたいぜ。」
「話は最後まで聞いてくれ。」
盛田は冷や汗をかいて留田と川本を落ち着かせた。
「今回、航空科には第二駐車場で指示あるまで待機をしていただきたい。」
遊園地の駐車場は桜葉高校防衛部用として貸してもらう予定になっている。無論、チヌークが余裕で停めれるサイズである。
「なしてや?」
「もし、遊園地の上空で敵が地対空ミサイルをいきなり撃たれたら撃墜されるやん。お前たちだけではなく、下にいる生徒まで巻き込まれるだろ?しかも楽しんでいる最中にヘリの爆音(ローター音)がうるさいって苦情が来るぞ。」
「言われてみればそうやな。」
「だろ?そういうことだからわかってちょーだい。ちなみに留田にはたまにコブラを飛ばして上空を偵察してもらいたい。」
「了解した。」
留田は了承すると、今度は星野が言った。
「あの、質問いいですか?」
「いいぞ、なんでも質問したまえ。」
盛田は戦略を考えるのに対して興奮しているのか今日は機嫌がいい。
「出入口を守るということと航空機は極力使わないという方針は分かりましたけど、現地にいる兵どのように兵員を配置するのですか?」
「今回は主に地上戦を想定している。従って、まず西の入口に74を配置し、戦力がこちらの方が優位であるということを敵に見せつける。74の搭乗員は星野と他隊員三人で、指揮は星野に任せる。」
「了解。出入口は任せてください。」
盛田は机に桜葉遊園地の地図を広げ、遊園地の出入口に戦車の模型を置いた。
「次に軽装甲機動車三台を北・東・南にそれぞれ一台ずつおく。橋本は谷村と他隊員三人軽装甲機動車に乗って、東についてくれ。谷村には俺から伝えておく。」
「わかったわ。」
盛田はそれぞれ遊園地の北・東・南に自動車の模型を地図上に置いた。
「そして、コブラに乗る操縦士の留田と射撃手の加藤は20分毎の警戒をしてもらいたい。駐機場は第二駐車場とする。なお、加藤には遊園地周辺の赤外線センサーの反応も確認と周辺の状況を各軽装甲機動車の隊員に報告してもらいたい。」
「よっしゃ!初の防衛や!」
「了解です。」
コブラの模型を第二駐車場においた。
「最後にチヌークなんだが、これは万が一の際にヘリボーンを行うために機内に軽装甲機動車と残りの隊員九名と燃料・弾薬を乗せ、第二駐車場にて待機させておく。この隊員九名に関しては、俺が指揮する。もしなんらかの事態が起きたら、すぐに飛ばし、対空ミサイルなどの対空武器に注意し、遊園地内のどこかに着陸する。着陸と同時に隊員五人が乗った軽装甲機動車が出動する。残りの四名と俺はチヌークを守る。もしかすると、逃げ遅れた生徒を運ぶかもしれないが、そのときはそのときだ。操縦は川本、頼んだぞ。」
「うちに任せとき!どんな場所だろうが着地してみせるけ!」
ヘリの模型を第二駐車場に置き終わると、盛田は言った。
「以上が今回の兵員の配置だ。他に質問はあるか?」
全員が無言であった。
「なければ、一週間後の桜葉遊園地の防衛に向けて特訓だ。解散!」
それから防衛部は一週間という短い時間に特訓をした。あるものは小銃の射撃訓練、またあるものはヘリの操縦訓練という感じで昼夜問わずとして特訓をした。
そして一週間が過ぎた。歓迎遠足当日朝六時、防衛部の隊員全員は部室前に整列した。運動会などで校長がなにかを話すときに上がる台、すなわち指揮台(朝礼台)と呼ばれる台に盛田が上がり、防衛部員に言った。
「みな、厳しい特訓を耐えよくがんばってくれた。今日はその成果を発揮できる機会である。敵は絶対といっていいほど今日攻めてくるはずだ。絶対に勝つとこの場では言わないといけないが、戦いに『絶対』の二文字はない。万が一に備えて遺書を書いたものがおれば、出していけ。出撃は桜葉遊園地が開園時刻『〇八:○○』と同時に出撃する。防衛戦闘および撤収終了時刻は『一八:○○』。最後に一つ、俺たちは生徒を守る防衛部であることを忘れるな。解散!」
隊員たちは解散すると、銃の点検、チヌークへの物資搬入などをして、出撃時間を待った。
「隊長、『○八:○○』時間です。」
「桜葉高校防衛部、防衛の為、総員出撃!」
勇敢な戦士たちは生徒を守るという一心で今、桜葉遊園地に向かうのであった。
続く
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