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第15章 冒険者な日々 2

第99話

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「ヒロ兄ちゃん、帰っちゃイヤやぁ~~~~~~っ!! 」


 決して離すまいとするように、ギュウッと俺に一生懸命抱き付いて、わんわんと泣きじゃくるチェヂミ。

 ここまで慕ってもらえて嬉しい反面、どうやって納得させたモノかと悩んでいると、泣きじゃくるチェヂミに姉であるキムチェが優しく声をかける。

「チェヂミ、ヒロト様が困っていらっしゃるわ。ワガママは駄目よ?」

「いやぁーーっ! いやいやっ!帰ったらイヤやもんっ!うえぇぇぇぇぇんっ!」

 いつもは、サムゲータさんやコチュンジャさんがダメでも、大好きな姉であるキムチェが言い聞かせれば、だいたい聞き分けるらしいんだが、今回ばかりは、誰が何をどう言っても「いやいや」と首を振るばかりで一向に泣き止む気配が無い。……う~ん? あ、そうだ!

「じゃあ、チェヂミ? 俺達と?」
「ヒ、ヒロト様っ!? 」

 他の三人が、”何故そんな事を!?”という吃驚した顔でこちらを見る。そんな三人に、目と口の動きだけで『任せろ』と伝えると、膝を曲げてチェヂミと目線を合わせて言う。

「まあ、もちろん”ずっと”じゃないぞ?一度、王都まで遊びに行くか?って事だが……行くか?」
「ひっく…王都…、ひっく…に?……本当?」

 やっと泣き止み、泣き腫らした目で俺を見て、しゃくり上げながらも聞いてくるチェヂミ。

「ああ、本当だ。その代わり、その後はちゃんと皆んなの言う事を聞くって約束する事。俺もキムチェも、また何度でも此処に来るんだしな?そんな風にチェヂミが泣いちゃうんじゃ、逆に来れなくなっちまうからさ。…どうだ、行くか?」
「行ぐ……っ!!  やぐ…そく、する!もう、泣がないっ!」
「あ、でも、ちゃんとお父さんとお母さんに許可をもらわないとダメだぞ?きちんと今言った事を守るって約束もな 」
「ふぐっ……、うん……っ!」

 一生懸命泣き止もうとするチェヂミの頭を撫でてやりながら、サムゲータさん達の方を見る。

「どうだろう、サムゲータさん。キムチェもいる事だし、そうだな……? 一週間くらいチェヂミを遊びに連れて行ってやりたいんだが?」
「いや、それやと、またヒロト様がもう一往復余分にせんならんでしなきゃならないから、迷惑になってまわへんかしまわないか?」

 通常であれば、アソノ村~王都間は馬車で四日程度、往復では一週間強かかってしまうのが常識だ。
 これは、さすがに長距離を走れる馬といえど全力疾走で走り続ける事は出来ない為だ。
 この辺りは人間だって、短距離を走るトラック競技と、長距離の代名詞マラソンを例に例えればよく分かってもらえると思う。
 それに何より、そもそも重い馬車を引っ張るという負荷がかかっているのだから、通常はどうしたって”トロット”と呼ばれる「速歩」での移動になる。
 
 だが、俺の移動手段は”バイク型ゴーレム”だ。当然生物では無いのだから、馬のように休憩を取る必要も無い。
 デメリットと言えば自分で運転しなければならない事と、燃料となる魔力の消費くらいだが、魔力に関してはほぼ無尽蔵と同じ、運転に関してもアイに制御を頼めば自動航行と同じなので、全くデメリットにもならない。

 馬車の移動距離が大体一日に約三十キロ前後。短く感じるかもしれないが、前にも言った通り、道路状況を鑑みればこんなモンだろう。
 と、いう事は、片道大体百二十~百五十キロぐらいか?

 馬車で~日、と言うと随分かかるように感じるが、そう考えると逆にそれほど離れてはいないんだな。
 ゴーレム車両とかの装甲バスみたいなのを考えれば、街から街の移動時間は グッと短くなるかもしれない。

 要検討だな、ま、それはともかく ーー、

「移動についてはから……、ん?…ああ、そうか!サムゲータさん、カーフ畑の世話って、一週間くらい誰かに頼む事は出来ないか?」
ほらそりゃあ、出来ん事も無いが、何でやな?」
「いっその事、サムゲータさんとコチュンジャさんも、一緒に王都に行かないか?」
「は?……………はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 」


 盛大に驚くサムゲータさん。”何言っちゃってんのコイツ!?” ってな表情丸出しだ。

「いや、誘拐犯共の移送もあるし、ほら、【も、陛下と話を詰めなきゃならないしさ、出来れば村長であるサムゲータさんが来てくれれば話は早いしな、ってさ 」

 そう、今後の変化については未知数ではあるが、村が豊かになるなら……と、サムゲータさんは村長としての決断を下してくれたのだ。

「へ、陛下ぁっ!? いやいやいやいやっ! だいたいヒロト様、一週間じゃしか出来んてっ!? 」

 しかし、”陛下”と聞いて、更に顔色を変えるサムゲータさん。ブンブンと首を横に振っている。

「ああ、さっき言ったろ?”移動については別の方法がある”ってさ。まあ、特殊な方法なんで、あんまり大っぴらには出来ないんだがな?」

 困惑しているサムゲータさんをよそに、俺は早速念話でノアに連絡を取る。

『ノア、聞こえるか?』
『はっ!我が主、如何されましたか?』
『《空間転移》で戻る。こっちに来れるか?』
『承知致しました 』

 すぐ様俺の影が”闇”へと変化し、中から黒猫姿のノアが飛び出して来た。

「あっ!猫ちゃん!?」
「主の御呼びにより”闇精霊”ノア、罷り越しまにょわあぁぁぁぁっ!? 」

 影から飛び出して来たノアが、いつもの名乗りを上げ切る前に、目をキラキラさせたチェヂミがノアを抱き上げてモフモフし始めてしまった。

「こ、これ娘!ま、待てまふにょぉぉぉぉぉぉぉっ!? 」
「猫ちゃん可愛い~~~~!」

 ノア……、最近撫でられ慣れたのが仇になったな、チェヂミのモフモフ、ナデナデに悶絶してる黒猫を生暖かく見守る。一頻り撫でまくってチェヂミが満足した辺りで、ノアに再度声をかける。

「満足したか、ノア?」
「ふぉおぉぉぉ… ハッ! も、申し訳ございません主!」
「いや、可愛がってもらえて良かったな。で、この後何だが……、 」

 ”赤面する黒猫”という訳の分からないノアの状態はスルーして、再起動したノアに誘拐犯達を《ヒュプノ睡眠》で眠らせ回収してもらう。
 そして、”論より証拠”またサムゲータさんが、ああだこうだとゴネる前に サクッと王都に転移すると、はしゃいでいたのはチェヂミだけ、サムゲータさん達は疎か、キムチェまでが固まってしまった。

 ……しまった、そう言えばキムチェにも《空間転移》の事は伝えて無かったよ!?

「「\%♪$#$€%っ!?」」

 最早言葉にならない叫びを上げるサムゲータさんとコチュンジャさんを何とか落ち着かせて、もう一度アソノ村へと引き返し、カーフ畑の事をチュムルーロ達に頼むと、アイテムボックスに入れて持って来た馬車をバイクに繋いで移動する様に偽装してアソノ村を離れ、再度王都へと移動した。

「あっ!? ヒロ兄ちゃん!」

 屋敷へ戻ると、嬉しそうに駆け寄って来るチェヂミ。本当可愛いな?妹が出来るってのはこんな気分なんだろうか。
 サムゲータさん達とアソノ村に戻っている間は、チェヂミにはキムチェと一緒に屋敷に居る様に言っておいたのだが、戻ってみればその周りにはキムチェだけではなく、複数の姿が。

「お帰りなさいませ、ヒロト様 」
「兄貴お帰りっ!」

 そう、俺の、セイリアやソニア、その他の面々だ。

「ただいま、セイリア、ソニア。ラーナちゃんやゴウナム達もありがとうな、チェヂミと遊んであげてくれていたのか?」

「ええ、お帰りなさいヒロト兄さん。可愛らしい子ですね 」
「うん、お帰りヒロト兄ィ!元気だねチェヂミちゃん!」

 アーニャとマーニャもチェヂミの事を可愛がってくれていた様だ。

「ゴウナム、ちゃんと自分達でも鍛錬してたか?」
「してたよ!一言めでそれかよ!?…まあいいや、兄貴の事だ、また何か面白えモンでも見つけて来たんだろ?土産話、期待してるぜ?」

 ニヤリと笑うゴウナム。あれ?俺の留守中に何かあったのか?
 な~んか含みのある態度だな?ま、いいか、お互い同士で近況を話すのもなかなか楽しみだ。

「お帰りなさいませ、ヒロト様。御心配無く、スケールとカークスに鍛錬の相手をさせましたし、ソニア達はヒロト様の御不在の間もきちんと自分達だけで依頼もこなしておりましたよ。それで、そちらがキムチェの…?」
「ただいま、レイナルド。ああ、キムチェの御両親のサムゲータさんとコチュンジャさんさんだ 」
「それはそれは、お初にお目にかかります。セイリアお嬢様の専属執事のレイナルドと申します、以後お見知り置きのほどを ーーーーーー」

 ここに居るほぼ全員の紹介や挨拶が終わった辺りで、レイナルドに陛下への目通り、への集合して欲しい、という事を伝えると、ほんの少し驚いたようだが、すぐ様行動に移してくれた。

 さて、俺は俺で爺さん達を呼んで来るかね?



 ーー 三時間ほど経って……。

 チェヂミとコチュンジャさんをセイリアに頼み、護衛としてソニア達【蒼い疾風ブルーソニック】の四人を付けて、王都観光へと送り出した後、俺はサムゲータさんを連れて、へと赴いていた。


「さて、ヒロト。わざわざこの俺を呼び出したんだ、ちょっとやそっとのじゃ済まねえぞ?」

 テーブルを囲み、”コの字”形に配置されたソファーの上座に腰掛けたジオン国王が ニヤリと笑いながら聞いて来る。
 現在テーブルを囲んでいるのは、ジオン、レイラの国王夫妻、爺さん婆さんの英雄夫妻、レイナルドと俺、そしての七人だ。
 
 ま、座ってるのは四人だけ、俺とサムゲータさんはテーブルの端で立ったままだし、レイナルドはお茶の準備をしている最中だ。

「”面白いかどうか?”は、今後の展開次第ですが、非常に重要なのは確かですよ 」
「どういう事ですの、ヒロト殿?」
「まずはを御存知ですか?」

 俺は懐から三つほど経って【シーヴ柿】を取り出してテーブルの上に並べる。

「ん?こりゃあ【シーヴ柿】じゃねえか?」
「ヒロトよ、こんな”煮ても焼いても食えない”がどうしたんじゃ?」

 やっぱりそういう認識か?陛下と爺さんは、さも興味がなさそうに、俺が取り出した”ソレ”を手に取りながらつまらなそうに言う。

認識じゃあそうらしいな? じゃあ、? 」

 同じく懐から紙の包みを取り出しテーブルの上に広げる。中に入っていたのはスプーンに一掬い程の大きさの、褐色の塊だ。

「何だこりゃ?」
「そのままお一つづつどうぞ、召し上がってみて下さい 」

 爺さんと陛下はパクリと一口に口の中へ、婆さんとレイラ王妃はカリッと半分ほどを囓る。

「ん? 何じゃ、ただの砂糖ではないか、コレがどうかしたのか? 」

 もごもごと口の中の砂糖を転がしながら、爺さんがこちらを見る。

「そうだな、砂糖だよ。……ただし、その砂糖の原料は、さっき爺さんが”クズ果実”と呼んだ【シーヴ柿】だがな 」


「「「「な……っ!!!? 」」」」

 絶句し、驚きに見開いた目で俺を凝視する四人。そんな四人に、追加で説明をしてやる。

「爺さんが言った通り、一般には”煮ても焼いても食えない”という事になっているが、今回たまたまだったが【シーヴ柿】には”魔力を流しながら熱をかける”と、渋味が変化して砂糖の原料になる、ってことが分かったのさ 」

「マジでかっ!? 」
にわかには信じられん話じゃが、なるほどのぉ……。しかし、また情報を持って帰って来たのうヒロトよ?」
「そうですわね?元々砂糖は遥か南方の生産品、現在我が国では砂糖は百パーセント輸入品。その為非常に高価に為らざるを得ませんが、それが自国で生産出来るようになれば……!」
「ああ、砂糖にかかる費用が格段に安くなるね、それこそ庶民でも充分手が届くくらいにね 」

 さっきまでの何処か”お気楽”な雰囲気を消し、国の重鎮としての顔で話し始める四人。だがもう一点、この話で点を忘れている。

「陛下、俺はさっき”面白いかどうかは今後の展開次第”って言いましたね?」
「ああ、確かに面白い話だったな 」
「いや、四人共、大事な事を忘れてないか?」
「大事な事?なんだいそりゃあ?」

 四つ並んだ怪訝な顔。いかん、『砂糖発見』のインパクトが強すぎて、本気で分かってないみたいだな?

 そんな四人に対して、ニヤッと唇の端を吊り上げ勿体ぶった言い方で答えてやる。

「さっき、砂糖は全て輸入品とレイラ王妃は仰いましたが、ではその?」

 その一言で四人は ハッ!とした顔になり、次いで俺以上に口の端を吊り上げて、凶悪に

「ひいぃ…っ!? 」

 四人の異様なまでに迫力のある笑みと魔力波動に、ただでさえ緊張でカチコチになっていたサムゲータさんが、可哀想に真っ青になっている。
 
「で、ヒロト? は何処のどなたさんなんだい? 此処に座すはこの国のトップだよ? 面識も無しに連れてくるなんざ、ちゃんと身許の確かな奴なんだろうねぇ?」
「レンの叔母御、”曲がりなりにも”ってのはあんまりだぜ…… 」

 俺を窘めながら陛下を落とす、という器用な事をやってみせた婆さんだが、その眼力に曝されたサムゲータさんは溜まったもんじゃ無い。
 口をパクパクとさせて過呼吸寸前だ。

「そう脅かすなよ婆さん?こちらはサムゲータさん、俺の専属侍女をしてくれているキムチェのお父さんだよ。同時に【シーヴ柿】の群生地のある”アソノ村”の村長さんだ。今後の”国産砂糖の生産”について、「機密保持」の為にも現地のとの相談が必要だろ? だから無理を言って同席してもらったんだ。今後の重要人物だぜ?宜しく頼むよ 」
「ああ、そうだったのかい。そいつは済まなかったね、アタシはセイレン、冒険者ギルドの最高ギルド長をやらせてもらってるよ、良しなに頼むよ」

 俺の説明を聞いて、ああ、という表情へと変わる婆さん。だが、話を振られたサムゲータさんといえば……?

「は、はは…っはいっ! た、只今御紹介に預かりました、キ、キムチェのち、ちちちち父、サムゲータで御座いますっ! ほ、本日はお日柄も良く、縁持ちまして…………っ!! 」
「待って!落ち着いてサムゲータさん!? 大丈夫だから!」

 テンパり過ぎて、目はグルグルしてるし、結婚式での新婦の父の挨拶みたいになってるから!! 

 
 
 その後も緊張とプレッシャーのあまり暴走し掛けるサムゲータさんを何とか落ち着けながら、今後の【シーヴ糖】生産に向けて、具体的な話を進めるのだったーーーーーー 。








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