〜転移サイボーグの異世界冒険譚〜(旧題 機械仕掛けの異世界漫遊記) VSファンタジー!

五輪茂

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第8章 炎禍の魔女

第54話

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「あ….、あり得ない……、何だこの反応はっ!? 」
「素晴らしい!素晴らしいよキミ!! やっぱり研究をさせてくれないか!? そしてワタシのハジメテをっ!!」

 あれから暫し、ギャーギャーと騒ぐトーレスに、婆さんを崇拝するダルザ副長を何とか宥め、先ずは「魔力測定用」のオーブで俺の魔力を測ってみようという事になった。

 オーブは、およそ一メートル程の大きさで、水晶に魔術回路マギウス サーキットを組み込んだ「魔導具」らしい。

 ここで疑問になるのが「魔導具」と「魔道具」の”違い”だが、「魔道具」とは、魔道具職人が武器や防具、または何かの道具に対して魔術回路を書き込み、作成した物をいうそうだ。これ等はどれだけ出力が高く威力があったとしても、全て「魔道具」と呼ばれる。
 対して「魔導具」だが、こちらは簡単に言えば”迷宮産”、言わば天然物・・・のマジックアイテムとでも言うべきか?これ等の「魔導具」はその魔術回路の複雑さから、今現在の魔法工学では再現出来ない物が多く、中には解読すら出来ないモノまであるという。それだけに強力な物も多く、売りに出せば結構な値段になるらしい。
 しかし「冒険者」とは己の”命”を担保とした危険な商売でもある訳で、強力な武器や防具が有れば、その危険性はグッと減る事になる為、もしも見つかったとしても殆んどの場合が自分達の装備にしてしまい、まず売りに出される事は無いらしい。

 じゃあ、この「研究室」の魔導具達は何なのか?と言えば、魔導具は強力である反面、取り扱いも非常に難しいらしい。
 事実、ある中堅ランクのパーティが【炎餓】という、結構強力な魔剣の魔導具を迷宮で運良く手に入れた。だが、次の依頼である隊商の護衛任務の際に盗賊に襲撃され、”試し”とばかりに【炎餓】を発動させたところ、その噴き上げる炎の勢いも凄まじく、一撃で盗賊達を薙ぎ払ったという。
 
 だが、問題なのはここからだった。制御出来なかったのだ、炎が。

 噴き上げる炎はパーティのリーダーの魔力を全て吸い上げ、まさに餓えた炎・・・・の如く他のパーティメンバーや隊商に襲いかかった。

 一部の隊商の商人達は難を逃れ、命からがら逃げ延びたのだが、この事があってから、魔導具の発見、所持については必ず冒険者ギルドに報告する事や検査が義務付けられたそうだ。
 そして、”所有権”は発見者にあるものの、所持や装備、使用に関しては厳しい規制を設けて、使用者がコレを制御出来ない場合はギルドに保管して、制御出来るようになれば返却する、という事になったらしい。

 当然反発もあったのだが、さっきの「修練場」で、高ランク冒険者の立会いの元で”試用試験”と称して使わせてみれば一目瞭然、死にかける者も何人もいたそうで、納得するしかなかったようだ。
 いくら強力でも死んでしまっては何にもならない。この時点で適正価格でギルドに買い取ってもらう者、いつかは!と決意を込めて預ける者と様々だったが、そういった経緯を持つものが、この部屋にある魔導具らしい。

 それで、今俺が手を置いている物もその一つなんだが、このオーブ、結構な代物らしいのだ。
 さっき試しに婆さんが手を置いた時には、オーブの中心でバスケットボールくらいの大きさの紅い炎(のようなモノ)と緑の炎が混じり合って激しく燃え盛っていた。

 これらは大きさが魔力量、燃え盛る具合が練度を、色が属性を表しているようだ。因みにこの【魔力測定用オーブ】は低ランクでも測れるが、面白がったマーニャが触ると、ピンポン球くらいの大きさで、青と緑の炎がゆらゆらと揺らめく程度だった。

 ちょっぴりヘコんだ様子のマーニャの頭を撫でて慰めてから、さて次は俺の番~♪っと、ばかりに軽い気持ちでオーブに手を触れたのだが……、

 そこにあったのは様々な色に輝く、一メートル程の小さな『太陽』だった……。

 いや、そればかりじゃない、オーブが割れたりとかはしていないが、様々な色の光の帯が、まるで太陽から噴き上げるフレアの如くオーブの周りを取り巻き、揺らめいていたのだ。

「なん…っ!? だい、こりゃあ!? 見た事も無いよ、こんな反応は…!?  トーレス、どういう事なんだい、これ・・は? 」
「何って、見ての通りよ?お姉ちゃん。オーブから洩れ出す程のトンデモない魔力量、渦を巻き荒れ狂う程の凄まじい練度、属性なんか総ての色の光が入り混じって眩しいくらいね?」
「それはわかってる。こんなモノは見た事も聞いた事すら無い。信じ難いが、ムコ殿は全属性持ち・・・・・で、それを如何なく発揮出来る程に魔力の練度も高い。問題は”魔力量”だ。いったいどれほどになるのか見当もつかないよ……!?」

 婆さんが口元を僅かに戦慄かせながらトーレスへと尋ねるが、そのトーレスは婆さんとは打って変わって、やたらと楽しそうにオーブを見つめている。

「ん~?そうだね、仮に宮廷魔術師団二百人と比較してみると…?」
「まさか、同じ位あるのか!?」

 横で聞いていたダルザ副長が緊張感を漲らせた表情でトーレスの言葉に食いつく。

「これが?まさかっ!?」

 ケラケラと笑いながらダルザ副長の問いに否と答えるトーレス。ダルザ副長は ホッと緊張を緩めるが、次にトーレスの口から出た言葉は、そんなダルザ副長の安堵感を足元から突き崩すものだった。

二倍でも足りない・・・・・・・・ね 」


『『『…………………………っ!?』』』

 
 その瞬間、あるものは憧憬、あるものは畏怖と温度は様々だが、秀真から共に来た者以外の目が俺に集中する。

「バカな……!? 宮廷魔術師団の魔法使い四百人以上の魔力量だと……!? 」
「そうだねー、自分で言っといてなんだけど、ちょっと信じられないね?」
「ま、魔導具の故障ではないのか?」
「それこそ”まさか”だね。知ってるだろダルザ君?これが「いつ」「どこで」「誰が」発見したのかをさ? 」
「………………っ!?」

 グッっと押し黙るダルザ副長。どういう事だろう?
 疑問符を浮かべる俺の表情に気付いたのか、トーレスが説明をしてくれた。

「このオーブはね、「五百年前」に、今はもう無い「アジャンタ」の王都の瓦礫の下から、「お姉ちゃん炎禍の魔女」と「お兄ちゃん黒き武神」が発見したんだよ。滅茶苦茶に破壊された王宮のね 」
「【黒殻龍蟲ドラゴ ブラックビートル】………!? 」
「そうそう。そう言えばキミは秀真の國で、やや小型のそれを倒したんだってね?しかも単騎・・で? 最初に聞いた時はとてもじゃないけど信じられなかったけどね、この魔力量なら頷ける話だよ……ハァ……、いいなぁ……やっぱりキミ……!?ふふふ……! 」

 やばい……、何だかトーレスがプルプル、ハァハァしてきたぞ?何だか表情まで恍惚としてきたし!?
 だが、艶かしい感じはまるで無い。それは、彼女が俺の守備範囲外である”ロリ”だから…という理由では無い。

 だってさー、完全に”獲物を見る目”だよ、アレ?それも”性的”じゃなくて、完全に「捕食者」の目だ。
 どれだけ熱っぽく見つめられようと、寒気・・しかしないよ!?

「ねえ、キミ?ワタシを自由にしていいから、ちょっとだけ解剖・・…… 」
「ちょっと待てい! 今、解剖って言ったろアンタ!?」
「ちょっとだけ!ほんのちょっと!!先っぽだけだからっ!?」
「何の先っぽ・・・だ!? 断わるっ!!!! 」

 怖すぎるぞ、この偽幼女!?

 なおも取り縋ろうとするトーレスだったが、スッとその背後に近づく影がひとつ。

 ーーゴンッ!!ーー

「痛ったぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? 」
「ウチのムコ殿を、勝手に解剖しようとするんじゃないよ、この変態が!」

 音も無くトーレスの背後に近づいた婆さんが、その頭に拳骨を落としたのだった。

「お姉ちゃん、酷いよ~~~~っ!?」
「喧しい!アンタの所為でちっとも話が進まないんだろうがっ!! 」

 ーーゴンッ!!ーー

 偽幼女変態、轟沈!! 床の上でビクン ビクンしているトーレスは完全放置のまま、俺へと話しかけてくる婆さん。

「すまないねぇ、コレさえ無きゃ良い研究者なんだけどね?如何せん、どうにも”バカ変態”でねぇ……? 」
「まあいいさ。ところで、どうすりゃいいんだ俺は? 登録は出来るのか?」

 すまなそうに謝ってくる婆さんに問題無いと告げ、この後の事を聞いてみる。

「ああ、この結果と、これまでの実績があれば問題無いよ。アンタの魔力に耐えられる特別製のカードを用意したしね。ま、実力の方は図らずもアタシが直接が確認した事になるし、これならダルザも文句の付けようがないだろう。どうだい、ダルザ?」
「…………………仕方ありませんな 」

 婆さんの問いに、眉根を寄せ不承不承頷くダルザ副長。……何だろう?この人を見ていると誰かを思い出すような? …………………ああっ!?そうだ、アレン大尉だっ!? 風体は違えど雰囲気とかそっくりだ!
 と、いう事は、振り回されてるんだろうなぁ…、婆さんに。爺さんと似た者夫婦っぽいし。あっ!?レイナルドもなんかすごく優しい目で見てるよ!
頑張れ、ダルザ副長!!

「と、言う訳で、だ。もうカードの方は作っておいた・・・・・・。後はお前さんの魔力を流すだけだよ。ああ、万が一にも燃えちまう事は無いだろうが、流す魔力は、今オーブに触れた程度・・・・・にしときなよ?」

 そう言いながら婆さんはデイジマの時とは違い黒いカードを手渡して来たが、「仮登録」の時と手順はまったく同じらしい。
 前にもやった様にギルドマークに指を添え、ほんの僅かに魔力を流してみると…、やはり同じ様に、しかし今度はマークや文字の黒色だけを残してカード全体が色んな色を経て最終的に「白銀」色となった。

「……やっぱりねぇ…」
「こ…、こんな事が……!?」

 あれ?カードの最終色って、黄金色じゃなかったか?なんとなく嫌な予感を感じつつ婆さんに聞いてみると、

「ああ、実はね?「黄金色」の上に、まだ二色ほどあるんだよ 」
「と、言う事は………? 」
「おめでとう、ヒロト・”クーガ”殿、今日から君は史上三人目の〈ランクSSダブルエス〉「白銀」持ちの冒険者だ。世の為人の為、そして冒険者ギルドの為に頑張ってくれ 」

「やっぱりか~~~~~~っ!?」

「スゴいっ!?おめでとうございます、ヒロト様!!」
「さすがは我が主、心よりお慶び申し上げます。最上では無いのがやや不満ですが、なに、主でしたら直ぐの事でしょう!!」

 俺の〈ランクSS〉判定に、無邪気に喜ぶセイリアとノアの一人と一匹。
 だが、残り婆さんと突っ伏したままのトーレス以外の人間はもう、ドン引きどころか完全に表情が凍り付いていた。レイナルドですら笑顔のまま固まっている始末だ。

「なぁ婆さん?流石にそれはやり過ぎじゃないのか?ダルザ副長じゃないが、ポッと出の冒険者”見習い”がいきなり〈ランクSS〉なんて、他の〈ランクA〉や〈ランクS〉が黙っちゃいないぜ? 」
「はン!文句がある奴は実力で黙らせりゃいいのさ。所詮、冒険者なんざ、何処まで行っても実力勝負の商売さ、まあ、〈ランクA〉以上の奴なら、実力があるが故に、逆にアンタにイチャモンを付けてくる様な無謀・・な奴は居ないと思うけどねぇ?」

 ひらひらと手を振りながら、問題無いと言い切る婆さん。

「ま、基本的には〈ランクS〉以上に来る依頼なんて、殆どがひとつの都市を丸ごと巻き込むレベルのモノばかりさ。何てったって、〈ランクS〉ひとりが国の最高戦力である【宮廷騎士団】に匹敵するかそれ以上の戦力なんだ。〈ランクS〉がひとり居れば不利な戦局すらひっくり返せるんだからね?〈大戦乱〉の時のアタシと爺ィみたいにさ 」
「じゃあは?」
「決まってるじゃ無いか!一国の戦力丸ごと・・・・・・・・だよ!もう、〈旅団級〉の巨獣にも等しいね?そんなのが首輪・・も無しで野放しになってたらどんな騒動が起こるか……! だから、 アンタには”制限”を付けさせてもらうよ?」

 一転して真面目な表情をする婆さん。その真剣な眼差しに、思わずゴクリと硬い唾を飲み込んでしまう。だが、次の瞬間、ニヤリと口元を歪ませた婆さんは、トンデモない事を言い放ったのだった。

「アンタには、アタシの直轄に入ってもらう。つまりアンタへの依頼は基本的にアタシを通さなければ出来ない事にするのさ。ああ、ついでに『最高ギルド長代行権限』も付けるから、”ギルド最高戦力”として頑張っておくれ」
「ちょっと待てい!?何だその『代行権限』ってヤバ気なシロモノはっ!?」

 嫌な予感MAXだ!絶対厄介事しか想像出来ないだろ、それ!?

「『冒険者ギルド』ってのは結構な巨大組織でねぇ…、中には居るのさ、このアタシの目を盗んで悪さをしてる職員とかね?もし、そんな奴らの情報が入った時には、アタシに代わり『代行』として”お仕置き”しに行ってもらうのさ。まあ、いいじゃないか?その他にはアンタを縛るモノは何にもないからねぇ 」

 うわぁ……、婆さんがメチャクチャ悪い顔・・・してるよ……!?
 何かきっと以前にあったんだろうなぁ……?

「分かったよ、だが、ひとつ条件・・がある 」
「条件?何だい、言ってみな?」
「偽装用に、俺に〈ランクC〉のカードも作ってくれ。んで、〈ランクSS〉っていうのは当分ここだけの話で頼む。」

 やれやれと溜め息を吐きつつ婆さんにそう答えると、意外な所から”異論”が飛んできた。

「何でだよ兄貴!〈ランクSS〉って言ったら上位貴族と同じ扱いなんだぜ!? おまけに兄貴が最強だって証明じゃねえか!! 」

 ショックによるフリーズ状態から復帰したゴウナムが一生懸命に訴えて来る。
 若いなぁ~?ゴウナムめまだまだ十八歳、強さへの憧れと、やっぱり功名心もあるんだろうが……?

「そうか、なぁ婆さん? 」
「何だい?」
「〈ランクSS〉の俺が率いるとなったら、【蒼い疾風ブルーソニック】のパーティランク・・・・・・・はどうなるんだ?」

 最初、きょとんとした目でこちらを見る婆さんだったが、直後、俺の意図を読み取りニヤッっと笑う。爺さんによく似た”悪戯小僧”の笑い方だ。

「そうだねぇ……?その子等のランクが低くても、〈ランクSS〉の冒険者がリーダーなら、低く見積もっても〈ランクS〉だろうねぇ?」
「だ、そうだぞ?良かったなゴウナム、お前等も・・・・今日から〈ランクS〉パーティだそうだぞ?」

 そう言いながら、にこやかにポンッと肩を叩いて「いきなり最強」のお裾分けをしてやると、真っ青になったゴウナムはサッ!っと飛び退いてそのまま土下座のポーズ。

 うん、見事な”ジャンピング土下座”だな、ゴウナム。

「すんませんっしたぁぁぁぁぁぁっ!無理ですっ!?勘弁して下さいっ!! 」

 分かりゃいいんだ、分かりゃ。どう考えても無理がある話なのだ。『婆さん最高ギルド長の懐刀』をさせる気なら、尚更その方が良い。

「て、事だ婆さん。そんな権限をつけるなら、尚更表向きの顔・・・・・が要るだろう?その時はその時で仮面でも着けて正体を隠すから、取り敢えず周りに対しての〈ランクSS〉は内緒で頼むよ 」
「まあそうか、考えてみりゃそうだね?分かったよ、ダルザ、聞いたね?もう一枚カードを持って来とくれ。けどねぇ、申し訳ないが貴族ってヤツ等は格だ何だに煩くてね?アンタは孫娘の許婚なんだから、悪いが〈ランクB〉にさせてもらうよ?どうせ今回の事でそっちの坊や達も〈ランクC〉に上がるんだ、釣り合いも取れていいだろうよ 」

「ア、アタイ達が〈ランクC〉!? セ、セイレン様、アタイ達はまだ今〈ランクE〉なんですよ!?」

 婆さんの言葉を聞き、やっとソニアも戻って来たようだ。しかし、自分達まで「飛び級」でのランクアップは予想していなかったのか、慌てて婆さんに声をかける。

「問題無いさね、お嬢ちゃん達は自分達だけで〈ランクC〉上位魔獣の【熊狼王グリズリーハウンドリーダー】まで倒してるんだ、何にも問題無いさね。そしてセイリア、あんたも今日から〈ランクB〉だ。増長せず、慢心しないで精進するんだよ?」
「はい、お祖母様。キサラギ家の娘として、ヒロト様に恥ずかしくない女となる為精進致します 」

 婆さんの前に跪いて、恭しく頭を垂れるセイリア。それを見たソニアやゴウナム達【蒼い疾風】の面々も、慌ててセイリアの後ろで跪く。

「アッハッハッ!今更そんなに畏まらなくていいよ。ほら、全員カードを出しな、ぱっぱと済ませるよ! 」

 カラカラと笑う婆さんに、セイリア達がカードを差し出す。すると、婆さんは手ずから魔道具にカードを通して手続きを済ませていく。

 新しく更新されたカードを眺めながら、恐縮しつつも嬉しそうなソニア達を眺めていると、偽装用カードを持ったダルザ副長が戻って来た。
 新しいカードの方には一瞬だけ触れると、運良く〈ランクB〉の赤銅色のカードで反応を止める事が出来た。
 こうして、表向きには〈ランクB〉冒険者、その実体は婆さん最高ギルド長の最強の手駒の謎の〈ランクSS〉冒険者、ヒロト・クーガの誕生だ。

 手続きが終わった後は建物奥の倉庫に向かい、爺さん達に頼まれた魔獣の素材や魔晶石を取り出したのだが、あまりの量にまた・・婆さんに呆れられてしまった。

 やはり量が量なので、直ぐには査定が出来ず、また出来たとしても金額がトンデモない事になるそうで、とても一括では用意出来ないらしい。道中の危険も考え、いずれはまた俺がアイテムボックスに金を入れて運ぶことを、早速婆さんから依頼を受けた。

 これにて冒険者ギルドでの用事は一通り終わったが、何だか無駄に疲れた数時間だった………。








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