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第6章 蒼い疾風
第34話
しおりを挟む門番をしているダークエルフのサムライが非常に綺麗な所作で頭を下げて礼の姿勢を取る。
レイナルドさんは軽く手を上げて礼を返しながら門を潜るが、門を越えてすぐにカークスと共に脇へとどき、同じように頭を下げて礼の姿勢を取る。
その前を、顎を下げて軽く頷く程度の返礼で当然のように通り過ぎていくセイリア。
まあ、当然なのだ。外とは違ってここは敷地内、門の中に一歩入れば「秀真領」と同じなのだ。
セイリアはお姫様だから、先に立って歩くのが当たり前、外を歩く時には護衛、先導、VIP、護衛の順番でも、公の時には他の家臣は主人に付き従って歩くものだ。
だが、困ったのは俺である。どうしていいかわからずオロオロしていると、それに気付いたレイナルドさんが、ニッコリと微笑んで、手でどうぞ、と促してくれた。
結局セイリアに続いての順番になったが、少々挙動不審気味である。だって…ねぇ?
地球でも、職業柄VIPと動くことはよくあったけど、その時は護衛の立場。まさか自分がそのVIPになるとは…。挙動不審になってしまうくらいは勘弁してほしい。
庭を通り抜け、屋敷の入り口まで来ると、ラーナちゃんの格好に良く似た”和装メイド”の女の子が二人、丁寧にお辞儀をしてから扉を開けてくれた。
ーー『『『姫様、お帰りなさいませ』』』ーー
扉の中は武家屋敷のような三和土ではなくエントランスホールになっていて、どうやって連絡したのかは分からないが、使用人の人達がズラリと左右に並んでセイリアを出迎え頭を下げる。
「姫様、お帰りなさいませ、ようこそおいで下さいました! 」
「ああ、ホータン、出迎えありがとう。また世話になる。だが、色々あって遅くなってしまったが、私は早く学院に帰らなければならない。明日の午前中にはデイジマを発つ予定なので、逗留するのは本当に今夜一晩のみになる。慌ただしくてすまんが宜しく頼む 」
両側に並んだ使用人さん達の中央にいた人物が、一礼をしてから歓迎の意をセイリアへと伝える。名前は【ホータン・ボータン】見た目は二十代後半、ダークエルフではなく普通のエルフ族の男性だ。
サムライではないが、この別邸を任されている人だそうだ。
事前に爺さんから聞いているのだが、サムライではないものの、実はこの人、所謂”裏の顔”がある。つまり爺さん直属と、そういう事だ。
だが…、この人、スマートで長身のモデル体型が多いエルフ族にあって、プクッとかポチャポチャっとか、そんな体型をしているのだ。おまけに恵比寿顔と言うか、レイナルドさんの穏やかな笑顔とはまた違ったスマイルで、もの凄くニコニコしていて、遥か昔、グルメリポートに革命をもたらした「宝石箱や~!」とか「まいう~~!」とかのセリフが非常に似合いそうな感じで、パッと見にはとてもそんな人には見えないだろう。
ーーそう、”素人”には………。ーー
だってさぁ…、セイリアは気付いていないが、会話をしながらめっちゃ俺を探る気配がこっちに向いてるんだもん!気付かれてないつもりだろうけど…。
並んだメイドさんの何人かからも同じような気配をいくつも感じるし。あ、レイナルドさんは笑ってる。もともと知ってるんだろうけど、この笑いは”俺が”気付いてる事に対する笑いだな?
「そうですか…、残念です。ですが、一晩とはいえ一同誠心誠意でお持て成しさせて頂きますよ!…ところで姫様、もしかしてこちらが”あの”? 」
「あ、ああ…。え~、そうだ。わ、私のこ、こ、こ!婚約ちゃ…のヒ、ヒリョト様、だ……… 」
ぷしゅ~っと湯気を出しながら真っ赤になったセイリアが俺の紹介を試みるが…、やっぱり噛み噛みである。
こ、こ、こ、て….、コケコッコ?可愛いけど。
「おお!? では、こちらがあの【龍蟲殺し】の英雄殿ですか!そして姫様の御婚約者の「ヒロト・クーガ」様!お会い出来て光栄です。私は当キサラギ家別邸の管理を勤めさせて頂いております、ホータン・ボータンと申します。今後とも宜しくお願い致します 」
【龍蟲殺し】!? 何だそりゃ!また爺さんだな…?トンデモない二つ名付けやがって….!今度会ったら覚えてろよ!
「あ、初めまして、ヒロト・クガです。そんな大層な者じゃありません。縁あってセイリアの許嫁になりましたが、田舎育ちの無作法者です。何か失礼があったら遠慮なく叱って下さい 」
初対面だし、ホータンさんの挨拶に丁寧な挨拶でそう返すと、ホータンさんは破顔し、見た目にぴったりの笑い声を上げると、今度はレイナルドさんに話しかける。
「はっはっはっ!今時珍しく折り目正しい若者ですなぁ、レイナルド様。まことにセイリア様のお相手に相応しい。私めは大変気に入りましたぞ! 」
「そうであろう、ホータンよ?何せ先代様が”爺さん”と呼ぶのを許すほどの御仁じゃ。腕っ節は勿論、なかなか鋭い御方でな、そう、色々とな、ん? 」
片目を瞑り、暗に”俺が”全部お見通しだぞ?と告げ、この時だけは、「全てを知っていながら咎める事なく悪戯っ子に注意をする先生」のような笑い方をしたレイナルドさん。
その言葉を聞いたホータンさんはほんの僅か、すぐ正面のセイリアすら気付かないくらいだが一瞬だけピクリ、と眉を跳ね上げ目を瞠る。
「何と!? あの先代様を爺さん呼ばわりとは!なるほど、これは失礼致しました。しかし…、はっはっはっ!ますます気に入りました! さあ、お疲れでしょう、あちらに冷たいものをご用意してあります。奥へどうぞ 」
探るような気配が一斉に消える。どうやら認めてくれたみたい…かな?
ホータンさん自ら先導して別邸内の一室へと案内される。ビルが乱立し、ゴミゴミとした大和の都会暮らしだった俺にとってはリビングと呼ぶには広過ぎる部屋へと通され、用意されていた冷たい果実水をソファーに座って飲んでいると、二人の獣人の男性が部屋へと入ってきた。
「姫様~!御無事でよかったです!姫様が賊に襲われたと聞いた時には、あっしゃあ心配で心配で飯も喉を通らなくて!? 」
「嘘を言うな、ウッガ。どうせ丼飯が三杯から二杯に減った程度だろうが 」
「ひっでえなぁ、スケールさん!あっしは本当に心配してたんですぜ!?…その通りですけど… 」
部屋に入ってきたのは、デイジマに残してきたと言っていた三人の内の二人だった。一人は既に面識があった狼獣人のヤヒッティ・ファンさん。部屋に入って来た時に、目礼ではあるが俺にも挨拶をしてくれた。もう一人、如何にも”食いしん坊のお調子者”といった感じの狸獣人?の男性とスケールの気易いやり取りは、どうやらいつもの事なんだろう。素直すぎるその言葉に一同に笑いが起こる。
「あっ!?こちらが噂の姫様の”好い人”ですかい!挨拶が遅れて申し訳ありやせん、あっしは姫様のお供をさせて頂いておりやすウッガ・リエイトと申しやす、以後宜しくお願いしますね、旦那!」
「ああ、こちらこそすいません。玖珂 大翔…いえ、ヒロト・クガです。ウッガさん、こちらこそお願いします 」
「や、ですよぅ、旦那!あっしのことは”ウッガ”で結構ですって! 姫様の好い人にそんな風に話されちゃケツが痒くなっちまいますよ! 」
セイリアは本当にただのお供だと思っているらしいが、ニコニコと、やっぱりお調子者な感じで話してくるこの「ウッガ」と名乗った男性も、そのどこか間の抜けた風体とは裏腹に、やっぱり爺さん直属の”影疾”の一人なんだそうだ。人は見かけによらない…いや、見かけに騙されてはいけない。
セイリアのお供のお調子者、という姿を隠れ蓑に、その実『影疾十傑衆』の一人に数えられる程の諜報員らしい。
しかし、この喋り方にこの姿、どっかで見覚えがあるような?
ウッガ・リエイト…ウッガリエイト…ウッカリ・エイト……っ!?
レイナルド・ゴーロゥ公様、スケールさん、カークスさん! ヤヒッティ・ファンにウッカリ・エイト!?
……いやいや、待て待て。まだお風呂のシーン担当のあの人とか、もう一人も居ないじゃないか。
「なあ、セイリア。もしかして、もう一人って猿獣人で「トビー」とかいう名前だったりしないか? 」
「…っ!? な、なぜ知ってみえるのですか、ヒロト様!? 」
恐るおそるセイリアに聞いてみるが、その俺の一言にその場に居た全員の、驚きの視線が俺に集中する…いやいや、そこの諜報員のお二人さん、そんな警戒した目で見ないで下さい。
「この場には居ませんが、確かに馬の世話を任せている者が、猿の獣人で名前を『ドビー・ザール』と言いますが、ヒロト様は何故それを? 」
「えーと…、じゃあ、ついでに聞いちゃうけど、『シルバー』って人はいたりする? 」
「あっ!? 私です!私のフルネームが『ラーナ・シルバー』です。希少種の銀狼族なんですが…? 」
……なん…だとっ!? ラーナちゃんが『シルバー』!? …と、いうことは、これから旅の間は毎回ラーナちゃんのお風呂のシーンがっっ!?
『マスター?エッチぃのはダメですよ! 』
…は!? アイにダメ出しをされてしまった。あまりの衝撃、まさかの登場人物フルコンプに妄想大全開になってしまった…!?
周りを見回せば、驚きの為か更に目を瞠っている御一同様。だーかーらー、そこの密偵二人!その目を止めなさい!
「あ~…いや、実はね?子供の頃に親父が話してくれた、ずっと昔、東の国の英雄譚の登場人物達の名前にそっくりなんだよ。しかも全員 」
もちろん大ウソである。元ネタは当然、あのお話。時代劇と言えばコレ!と言われる程のジャンルを確立し、現代においてもシリーズが何度もリメイクされているあの作品である。
「そうなんですか!?何だかとっても面白そうです!それはどんなお話しなんですか、ヒロト様? 」
ところが…、なんとセイリアがえらく食いついてしまった!? 仕方がないので、少しずつアレンジして話を教えてやった。
「え~と、ちょっとうろ覚えなんだけど…、昔、ある国で一線を退いても「御老公様」と呼ばれ親しまれる副王様が、腕利きの部下の「カク」、「スケ」の二人と、凄腕の密偵の「ヤヒティ」、「トビーサル」、同じく凄腕の女密偵「シルバー」、なんで一緒にいるのかは知らないけど、お調子者で食いしん坊、ムードメーカーの「ウッカリ・ハチーベ」を連れ、身分を隠して旅に出る。あっ!?男装の美少女剣士も居たな?ゴメン、名前忘れちゃったけど…。とにかく旅に出た一行は、その国のあちこちを旅するんだ、北から南へ、東から西へと。そうして各地の王様の目を欺いて、隠れて悪さをする役人達を懲らしめ、被害にあっている力無き者を助けていく…ってお話しだよ。決めゼリフもあって、最初は身分を隠してるから、悪人がいい気になって悪さをするんだ。そこに颯爽と現れて、部下に命じて、時には自分も一緒になって、悪人達を打ち据えて泣かされている人達を助け出す。そして、頃合いを見計らって、「カク」と「スケ」が「御老公様」の両脇に立ち、王家の者しか持てない【王の印】を取り出してこう言うんだ、『一同控えい!控えおろう!!この【王の印】が目に入らぬかぁっ!!こちらにおわす御方をどなたと心得る!この御方こそ、先の副王様「御老公様」なるぞ!一同頭が高い!控えおろうっ!! 』ってね。そこで悪人達は自分達の悪事が王国政府にバレたことを悟っておとなしくなり、「御老公様」が平伏した悪人達に向かって正義の裁きを下す。かくして悪は滅び、笑顔を取り戻した人々の感謝の声に見送られ、「御老公様」一行は次の世直し旅へと旅立って行くのでした。ってお話…… 」
「す、素晴らしい英雄譚です!痺れます!その女性剣士は活躍したんですか!?もっと詳しく教えて下さいヒロト様!!」
「ヒロト様!ぜひ「カク」の活躍のところを詳しく!? 」
「いやいや!?「スケ」は、「スケ」の活躍を是非!」
「すいません、ヒロト様!「シルバー」の活躍は無いんでしょうか!? 」
「あっしは!?いや、「ハチーベ」はどうだったんですかい、旦那!? 」
「…コホン、よろしければ「ヤヒティ」の事も……是非 」
いつの間にか俺の前へと集合していた一同が、目をキラキラさせながら拍手喝采と共に話の続きというか、よく似た名前の英雄の活躍を聞かせろとせがんでくる。その勢いたるや、思わずこの俺がちょっと引いてしまったくらいだ。
ーー子供か、アンタ等!?ーー
ふと横を見れば、何故か一人だけ妙に迫力のある笑顔のレイナルドさんが立っていて、いきなり、ガッ!と肩を掴まれてしまった!?
「”弱きを助け強きを挫く”、大変素晴らしい英雄譚でございました。しかし……今のお話は、”先代様”の耳には決して、決して!!入れないようにお願い致します。いいですか?くれぐれも!決して!!入れないで下さい。宜しくお願い申し上げますよ、ヒロト様?絶対ですよ!! 」
肩を掴み、ガクガクと揺らされる俺。必死に、何度も何度も繰り返し念を押してくるレイナルドさん…。
ああ、そうか……、どっちかといえば、◯門様のイメージに近いのって、爺さんの方だよなぁ……。
あの爺さんの事だ、こんな話を聞いたら絶対にマネをしたがるに決まってる。若い頃から爺さんに振り回され続けて来たレイナルドさんが、何を心配しているか良く分かる。
『マ、マスター!? 何だかレイナルドさんが怖いです!? 』
ーーうん…、俺も怖いよ、アイ。絶対に爺さんには言わないでおこうな…。ガクガクーー
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