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第3章 ダークエルフの隠れ里

第12話

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「よし!皆の者良いな?では、参るぞ! 」
「「「「はっ!」」」」

 セイリアの凜とした声に、応える家臣達。主従の声が森の中で響く……。
 
 出会った当初は悲痛な叫びやら悲しみに打ちひしがれた声しか聞けなかったが、本来の声は、こうした良く通る綺麗な声なんだな。護ることが出来て、本当に良かった。

 そうだ、例の件・・・を、レイナルドさんに言っておかないとな。面白くもない話だが。

 俺はレイナルドさんに近づくと、セイリア達には聞こえないように、小さな声でレイナルドさんに話しかけた。

「レイナルドさん…、 」
「おお、ヒロト様。……如何なされました? 」
「さっきの襲撃者達の事なんですが… 」

 俺の態度に、何かを感じたのか、レイナルドさんが声のトーンを落として、聞き返してきた。

 俺は、襲撃のタイミング、痺れ薬の矢など、如何にも用意周到であった事、またセイリア達が追い込まれた時の場所の選び方など、余りにも襲撃の際の手際が良過ぎた事などを踏まえた上で、内通者が居る可能性がある、とレイナルドさんに伝えた。

「ふむ…、やはりヒロト様もそう思われますか? 」
「と、いう事はレイナルドさんも? 」

 俺達は、他の者には聞こえないように配慮しながらお互いの考えを確認し合った。

「左様、今回の姫様の帰郷は、別に秘密にしていたという訳ではござらん。しかしながら、どれほど里に逗留するかなどは姫様のお心次第。予定を決めておった訳ではないのです。だとすれば、「今日、王都に帰る」と頬傷の男に知らせた者が居る、と考えるのが自然でござろう 」

 流石だな、やはりその可能性に考え及んでいたか。

「やはり気付いてみえましたか。すいません、差し出がましい事を言いました 」
「いやいや、重ね重ねのお気遣い、誠に痛み入ります。この事は、里に戻り次第御屋形様方に報告し、賊共と通じていた愚か者に、然るべき報いを受けさせなければなりません。……一族の者が裏切っておったなど、考えたくもありませんがな…… 」

 そこまで話すと、最後にレイナルドさんは寂しそうに笑う。

 そうだよな、仲間が裏切ったなんて、一番考えたくもないよな……。


 
 そうこうしている内に、出立の準備が整ったようだ。じゃあ、名残惜しいけど、きちんと挨拶しないとな。

「それじゃあ、セイリアさん、レイナルドさん。他の人達も気をつけて。また会うことがあったら、その時はまたお願いします。じゃあ、お達者で!」

「「「え…っ!? 」」」

 セイリア達に別れを告げ、踵を返して森の外へ向かおうとすると、三人は慌てて俺を引き留めてきた。

「ヒッ、ヒロト様!い、いったい、どどど、どちらに行かれるのですか!? 」

 噛みかみだな!? ホントにいったい、どうしたセイリア!?

「えっ!? 王都に向かおうと思ってるけど? 」

「おっ!お待ち下さい!まだ、充分なお返しをさせて頂いておりません! 」

 あら、ラーナちゃん、侍女という立場をわきまえていたのか、あれから一言も喋っていなかったが、どうしてそんなに慌ててるんだ?

「いや、御礼の言葉は充分頂いたよ?もう充分だよ 」

「あいや暫く、暫くお待ちくだされ! 」

 今度はレイナルドさんまで……。「あいや」って……。歌舞伎役者以外が使うのを初めて聞いたよ……。

「どうしたんですか?三人とも。早くしないと、日が暮れる前に里に着けませんよ? 」

 すると、その場に居た全員が俺の元へと駆け寄って来て……? また土下座された!?

「ヒロト様!もし、特にお急ぎの用向きがお有りでなければ、是非、我等と共に里へと御同行して頂きたく!伏してお願い申し上げます! 」

 なっ!?どうしたんだ?何だかセイリアがえらく必死な感じなんだが?

「いや、だって「隠れ里」なんだろ?だったら余所者の、しかも人間の俺が行くのは不味いんじゃないのか? 」

 今度はレイナルドさんが口を開く。

「何を申されますか!ヒロト様は、余所者どころか我等の大恩人に御座います!例えヒロト様が人間であろうと何も問題は御座いません!それに、これ程までの御恩を受けたお方を、何の御持て成しもしないまま帰したとあっては、それこそキサラギ家の名折れ、私共が御屋形様にお叱りを受けてしまいます! 何卒!何卒!! 」

「「「ヒロト様! 」」」

 うわ~~……。何でこんなに?っていうくらい必死に懇願してくるお侍さんズ……。

『アイ、どうしようか……? 』

 腕組みをして、考えるフリをしながら、声に出さずにアイへと話しかける。

『そうですね……?先程から「観察」していましたが、この人達の文化形態は、大和がまだ日本と呼ばれていた頃の「江戸時代」の武士社会に大変類似していると思われます。その場合、体面や礼節を非常に重要視していると推測されます。今のところ、私達は特に急がなければならない用事がある訳ではありませんから、彼女らの誘いを受け、「隠れ里」に赴くのは悪いことではないと思いますよ?   それに……、』
『それに?』

 何だろう?アイが、こんな含みを持った言い方をするなんて初めてだ。

『それに、「ダークエルフの隠れ里」なんて、マスターがいつも読んでた物語の中みたいで、なんだか”面白そう”じゃないですか?私、とっても”興味が湧いて”きました! 』

『……!?』

『〈生命体〉に成った影響でしょうか?私、今、見る物、聞こえるもの、全てが楽しくて仕方がないんです。ですから、もっとマスターと、色んなモノを見てみたい。色んな処へ行ってみたいなぁ、って。可笑しいですか? 』
『……いや、何も可笑しくなんてないさ。俺も”アイと二人で”色んな処へ行ってみたい。そうだな、じゃあ、先ず手始めにダークエルフの隠れ里にお邪魔してみようか?』
『イエス、マイマスター!楽しみです! 』

 俺は、思わず大声で笑い出しそうになるのを堪えるのに苦労した。だってそうだろう?

 ”面白そう”?”興味が湧いた”?”楽しみです”だって!? アイが!人工AIだった《アイ》が!?  

 嬉しくない訳が無い!周りにセイリア達が居なければ、飛び上がって喜んでいただろう。 ああ、何処へでも連れてってやるさ!……ヤバイな、何だかおれまで凄く楽しみになってきてしまったよ。

 俺は、思わずニヤけそうになる顔筋を必死に引き締めながら、セイリア達に向き直った。

「そ、…そうか、そこまで言ってもらってるのに…、無下に断る…のは、却って礼儀に反するよな。 分かった、是非、お邪魔させてもらうよ 」

「「「…!! 」」」

 了解の旨をセイリアに伝えると、三人はがばっ!と身を起こした。

「ありがとうございます!キサラギ家の総力を挙げて、誠心誠意、御持て成しさせて頂きます!! 」

 セイリアが、ぱぁぁぁぁぁっ!っと、擬音を背負っていそうな「喜色満面」としか表現出来ないほどの笑顔で答えてくる。

「えっ!?いやいや、そこまでしてもらわなくても…… 」

「何を仰いますか!そこまでしても、まだ足りないくらいで御座います!全身全霊を以て、御歓待させて頂きます!! 」
 
 何故かラーナちゃんまでもが凄い勢いで訴えてきた。そのあまりの勢いに、ついつい首を縦に振ってしまった。

「あ…ハイ、お願いします…… 」
「「はい!お任せ下さいっ!!」」

 う~ん、何がこんなに嬉しいんだ?よく分からん……?

 と、そこまで話していたところで「気配察知」に凄いスピードで近付いてくる反応があった。これは……?

 
 暫くして、一人の獣人の男性がすぐ側の繁みから姿を現した。男性は、俺の方を一瞬だけ窺い、レイナルドさんの前で跪いた。
 
 実は、護衛の二人を助けて小休止に入る前に、レイナルドさんが空に向けて魔法を撃ち放っていたのだが、何をしたのかと聞けば、森の外にある村に残してきた連絡員の部下を呼び寄せる合図との事だった。


「ゴーロゥ公様、お呼びによりヤヒッティ・ファン、只今参上仕りました ……っ!?  ゴーロゥ公様!その血は如何なされましたっ!? …まさか!この男が狼藉を!? 」

 ヤヒッティと名乗った男性は、レイナルドさんの胸元に滲んでいる血の跡を見付けると血相を変え、4枚の羽根飾りが付いた、長い針のような武器を構えて俺を睨みつけてきた。

「控えよ!ヤヒッティ!そちらのお方は、我等の窮地を御救い下さった大恩人であるぞ!無礼を致す事は、この儂が許さん! 」

 俺に向かって武器を構えたヤヒッティに対して、レイナルドさんがビリビリと空気が震えるような大音声で一喝した。

「それは…っ!? 知らぬ事とはいえ、大変御無礼を致しました!お赦し下さい 」

 すぐさま武器をしまい、平伏してくるヤヒッティ。……なんかもう、このノリは勘弁して欲しい……。

「頭を上げて下さい。大事な主人の惨状を見て、そこに見知らぬ俺が居れば警戒して当然ですよ。気にしないで下さい。 それよりレイナルドさん、そろそろ本当に出発しなくていいんですか? 」

 お侍さんズに任せておくと、いつまでたっても話が進みそうもない。俺の方からどんどん話を振ってしまおう。

「おお、そうでござった!ヤヒッティ、我等は今一度里に戻る故、そちに先触れを申し付ける。先に里へと赴き、この事を御屋形様に御報告申し上げるのだ ! 」
「御意!」

 レイナルドさんの命を受けて、ヤヒッティが風のように走り去った。

「さて、ではヒロト様、私共もそろそろ参りましょう 」

 セイリアが出発を促してきたが、俺は少し考えて待ったをかけた。

「ちょっと待ってくれるか?カークスさん、スケールさん、まだ身体が辛いでしょう?その荷物を貸して下さい 」
「えっ!?いやいや、ヒロト様、恩人である貴方に荷物持ちなどさせられませんよ!? 」
「大丈夫ですよ。いいから貸して下さい 」
「いやいやいやいや!」

 あ…、これまた押し問答になるな…、仕方ない。

「カークス!スケール!いいから荷物をそこに置け!! 」
「「…!? は、はい!」」

 少しだけ魔力を高めながら、二人を「威圧」して命令すると、二人はビクッ!と震えたあと、慌ててその場に荷物を置いた。
 「威圧」はそのままに荷物に近付いて、アイに声をかける。

『アイ、荷物をアイテムボックスに仕舞ってくれ 』
『イエス、マスター 』

「「「「「….えっ!?」」」」」

 手を荷物に翳した途端、その場から消えてしまったのをみて、カークスとスケールだけでなく、セイリア達までもが驚きに目を見張る。

「…まさか、ヒロト様はアイテムボックスのスキルをお持ちなのですか!? 」

 ラーナちゃんが、驚きに目を丸くしたまま尋ねてくる。

「ああ、まあね?ごめんな、いきなり大きな声を出して。吃驚しただろ?カークスさんもスケールさんもすいませんでした、急に呼び捨てにしたりして 」
「あ、いえ!どうかそのまま”カークス”とお呼び下さい 」
「某も同様に”スケール”と。先程のヒロト様の威風堂々とした御振る舞い、我等二名、大変感服仕りました!」

 そう言ってまた跪き、頭を下げてくる。ここで断わると、また押し問答だよなぁ……。仕方がない、

「分かった。カークス、スケール、まだ身体が辛いだろうから、荷物は俺がアイテムボックスに入れて持っていく。それでいいな? 」
「「はっ!」」

「ヒロト様…、なんて男らしい… 」
「素敵です……ヒロト様… 」

 ん?何だか女の子二人が、ポ~っとした表情でこっちを見てるけど? しまった、「威圧」が強すぎたかな?

「何と……、先程の賊共を一蹴した手際といい、あの回復魔法の威力といい、さらにはアイテムボックスのスキルまでとは……。何と多才な御方なのだ……。これは、先代様に……、 」

 レイナルドさんまで何かを考えているように、ブツブツと呟いている……。

『…クスクス……! 』

 アイまで何を楽しそうに笑ってんの!?


 ………あれ?もしかして、話が進まない一番の原因って、俺なのかっ………!?

 もういいから、皆、”隠れ里”へ出発しようよっ!?








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