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婚約者の恥ずかしい秘密の趣味に苦しめられた私は、婚約破棄されたおかげで小さい頃から大好きだったお兄ちゃんと婚約する
第一話 婚約者の秘密
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「ポーリシア、私は男爵令嬢であるそなたとの婚約を破棄し、こちらの男爵令嬢トレイティを新たな婚約者として迎え入れる」
エルヴィンは突然そう叫んだ。周りはざわざわしながら三人を見つめている。
(キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー! やっと婚約破棄の流れがきたのね!)
ポーリシアは心の中でガッツポーズをした。
(一応少しは動揺してみせた方が良いわよね?)
「え……。エルヴィン様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか?」
「何かしたかって? そもそも幼いころに親同士が決めた婚約。破棄したところで問題ないだろう?」
(ないない問題ないです! まぁ常識を言ってしまうと、家と家との関係なんだからむしろ問題あるでしょうけどね。相変わらずこの人は……)
「わたくしとの婚約を破棄したいというお気持ちは理解いたしました。ですがエルヴィン様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか? 理由を聞かせていただくまではわたくし納得が出来ません」
(きっと『トレイティのこといじめらやがってー』とか言うんでしょ?)
ジェロームは少し間を置いて理由を話した。
「お前がトレイティに嫌がらせをしていることを知っているのだ」
(はい、キターーーーーーーー! そうよね。そうくると思ってました)
「そんな……わたくしそんなことをしたつもりはございません」
(実際本当にしてないんだけどね。なんなら逆に嫌がらせされてましたけど。トレイティあきらかにあなたのことを狙ってましたもんね)
「言い訳はするな! 何人もの人間がその現場を目撃しているのだ!」
「わたくしが何を言っても信じていただけそうにございませんね。わかりました。婚約破棄を受け入れさせていただきます」
(やっと、やっとこの馬鹿から解放される……。トレイティ、あなたはまだ知らないだけなのよ。この公爵家嫡男エルヴィンには秘密があるんだから……)
エルヴィンは突然そう叫んだ。周りはざわざわしながら三人を見つめている。
(キターーーーーーーーーーーーーーーーーーー! やっと婚約破棄の流れがきたのね!)
ポーリシアは心の中でガッツポーズをした。
(一応少しは動揺してみせた方が良いわよね?)
「え……。エルヴィン様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか?」
「何かしたかって? そもそも幼いころに親同士が決めた婚約。破棄したところで問題ないだろう?」
(ないない問題ないです! まぁ常識を言ってしまうと、家と家との関係なんだからむしろ問題あるでしょうけどね。相変わらずこの人は……)
「わたくしとの婚約を破棄したいというお気持ちは理解いたしました。ですがエルヴィン様、理由をお聞かせください。わたくしが何かしてしまったのでしょうか? 理由を聞かせていただくまではわたくし納得が出来ません」
(きっと『トレイティのこといじめらやがってー』とか言うんでしょ?)
ジェロームは少し間を置いて理由を話した。
「お前がトレイティに嫌がらせをしていることを知っているのだ」
(はい、キターーーーーーーー! そうよね。そうくると思ってました)
「そんな……わたくしそんなことをしたつもりはございません」
(実際本当にしてないんだけどね。なんなら逆に嫌がらせされてましたけど。トレイティあきらかにあなたのことを狙ってましたもんね)
「言い訳はするな! 何人もの人間がその現場を目撃しているのだ!」
「わたくしが何を言っても信じていただけそうにございませんね。わかりました。婚約破棄を受け入れさせていただきます」
(やっと、やっとこの馬鹿から解放される……。トレイティ、あなたはまだ知らないだけなのよ。この公爵家嫡男エルヴィンには秘密があるんだから……)
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