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【2020/05 不時着】
《第3週 日曜日 夜》⑥ (*)
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歓びと一層の興奮で己のものが昂り、熱と容積を増す。
「そや、ちゃんと見とき、誰に抱かれてるんか」
玲の体の下に腕を回り込ませ細い肩を引き寄せ、上半身を抑え込んで逃れようがない状態にして、結合した部分に腰を打ち付けるようにして、奥を抉るそれを更に深く突き入れた。喞子の如く抽挿する度に陰圧がかかって内部が畝り、吸い付いてくる。しかし熟れた入口は時折ひくついて締め付けようとはするものの、動くものをきつく締め付けダメージを負うような不出来なことはしない。甘い声とともに玲の反応を具に適切に伝えてくる。
脇腹を潜って肩を掴む玲の手に力が入り、指先が食い込む。おれの動きに合わせて玲の腰が動き、より奥深くに音を立てて当たり、同時にねっとりと絡みつくように柔らかい粘膜が中で踊るものを舐る。気がつくと夢中で腰を振りながら、たまらず無意識のうち口角から涎を垂らし、喘ぎ声を漏らしていた。啜り上げようと息を吸うと上咽頭に強く吸った空気があたり音が出た。まるで獣になったみたいだ。実際そうなのだろう。
玲は手を緩めて腕を抜き、おれの肩から腕を回して、右の手でシャツの後ろ身頃を掴み、力の弱い左の手でおれの頭を掻き抱いて、自分の肩口に抱えるようにして撫でた。
「先輩、須賀先輩、好き」
互いに熱っぽい息を吐きながら、合間に互いの名を呼んで、何度も口づけを交わす。小さい薄い舌が口内を乱暴に侵すおれの舌に触れるたび、綺麗に揃った小さな歯や上顎の凹凸をなぞるたび、それが深く繋がった下腹部の疼きと連動して気をやりそうになる。射出を逸るそこは何度も激しく痙攣し、おれは急かされるように抽挿を早めた。しかしそれを制するように玲が顔を傾げ、おれの肩を強く咬んだ。
「だめ、もっと、まだだめ」
こんなふうに痕が残ることをされたことは、おれが結婚してからは一度もなかった。それどころか、検事になったおれに縁談が来たのを境に、玲はおれと距離を取るようになった。結婚式には呼んだし、来てはくれたが、それ以降は「何かあったら相談に乗ってくださいね」と言ったきり、ほぼ没交渉だった。それが、今またこうやって頼られて、体を重ねて、おれの体裁とかそういうものを無視して甘えて咬み付いて。
愛しさで脳内を直に掻き毟られ、体中が灼き尽きそうになる。
「玲、愛してる、玲」
肩口から離れた玲の唇が耳朶に触れた。玲も耳元で小さく甘く喘ぎながらおれの名を呼んで応える。それ以外には、近代的で端正に整えられた設えの部屋に凡そ相応しくもない荒い息遣いと、内部でおれのものが蠢き這い回り底を打つ音、くぐもった互いの喘ぎ声だけが響いていた。
やがておれの体を締め付ける脚が振れ、シャツの生地越しに背中に爪が食い込んだ。受け容れている入口が堪えきれずきつく窄まり、締め付けてくる。
「せんぱい、やぁ、きもちいのきちゃう、やだ、いく」
玲の腰が反って跳ね、膝が振れる。おれは抵抗を許さぬよう玲に体を預けて体重をかけ止むこと無く更に速く打ち込み、玲が達する機を逃さぬよう脚を伸ばして身を反らし、全身を痙攣させ渾身の力を込めて、おれは呻くように声を上げて玲の中で吐精した。
力尽きて玲の体の上に凭れかかったまま息をついて、暫くしてなんとか体を起こすと、玲も脱力し、目に涙を浮かべ、唇を涎で汚したまましゃくりあげて泣くかのように息をしていた。頬を撫でて指先で涙を拭って、零れ出ていた雫を舐め取ってそのまま再び舌を差し入れて数度繰り返し口づけた。
玲の体から降りて仰向けに寝転がると、玲は直ぐに寝返りを打って傍らに寄り、しがみついてきた。抱き寄せて腕の根本に頭を載せさせた。おれはコンドームを萎みかけたものから引き抜いて口を縛り、さっき手を拭って放ったままだったチーフの上に置いた。
「玲、大丈夫か?しんどないか?」
頭をそっと撫でて呼びかけると玲は眠そうな目で小さく頷き、そのまま目を閉じておれの胸に頬を寄せて寝息を立て始めた。
「そや、ちゃんと見とき、誰に抱かれてるんか」
玲の体の下に腕を回り込ませ細い肩を引き寄せ、上半身を抑え込んで逃れようがない状態にして、結合した部分に腰を打ち付けるようにして、奥を抉るそれを更に深く突き入れた。喞子の如く抽挿する度に陰圧がかかって内部が畝り、吸い付いてくる。しかし熟れた入口は時折ひくついて締め付けようとはするものの、動くものをきつく締め付けダメージを負うような不出来なことはしない。甘い声とともに玲の反応を具に適切に伝えてくる。
脇腹を潜って肩を掴む玲の手に力が入り、指先が食い込む。おれの動きに合わせて玲の腰が動き、より奥深くに音を立てて当たり、同時にねっとりと絡みつくように柔らかい粘膜が中で踊るものを舐る。気がつくと夢中で腰を振りながら、たまらず無意識のうち口角から涎を垂らし、喘ぎ声を漏らしていた。啜り上げようと息を吸うと上咽頭に強く吸った空気があたり音が出た。まるで獣になったみたいだ。実際そうなのだろう。
玲は手を緩めて腕を抜き、おれの肩から腕を回して、右の手でシャツの後ろ身頃を掴み、力の弱い左の手でおれの頭を掻き抱いて、自分の肩口に抱えるようにして撫でた。
「先輩、須賀先輩、好き」
互いに熱っぽい息を吐きながら、合間に互いの名を呼んで、何度も口づけを交わす。小さい薄い舌が口内を乱暴に侵すおれの舌に触れるたび、綺麗に揃った小さな歯や上顎の凹凸をなぞるたび、それが深く繋がった下腹部の疼きと連動して気をやりそうになる。射出を逸るそこは何度も激しく痙攣し、おれは急かされるように抽挿を早めた。しかしそれを制するように玲が顔を傾げ、おれの肩を強く咬んだ。
「だめ、もっと、まだだめ」
こんなふうに痕が残ることをされたことは、おれが結婚してからは一度もなかった。それどころか、検事になったおれに縁談が来たのを境に、玲はおれと距離を取るようになった。結婚式には呼んだし、来てはくれたが、それ以降は「何かあったら相談に乗ってくださいね」と言ったきり、ほぼ没交渉だった。それが、今またこうやって頼られて、体を重ねて、おれの体裁とかそういうものを無視して甘えて咬み付いて。
愛しさで脳内を直に掻き毟られ、体中が灼き尽きそうになる。
「玲、愛してる、玲」
肩口から離れた玲の唇が耳朶に触れた。玲も耳元で小さく甘く喘ぎながらおれの名を呼んで応える。それ以外には、近代的で端正に整えられた設えの部屋に凡そ相応しくもない荒い息遣いと、内部でおれのものが蠢き這い回り底を打つ音、くぐもった互いの喘ぎ声だけが響いていた。
やがておれの体を締め付ける脚が振れ、シャツの生地越しに背中に爪が食い込んだ。受け容れている入口が堪えきれずきつく窄まり、締め付けてくる。
「せんぱい、やぁ、きもちいのきちゃう、やだ、いく」
玲の腰が反って跳ね、膝が振れる。おれは抵抗を許さぬよう玲に体を預けて体重をかけ止むこと無く更に速く打ち込み、玲が達する機を逃さぬよう脚を伸ばして身を反らし、全身を痙攣させ渾身の力を込めて、おれは呻くように声を上げて玲の中で吐精した。
力尽きて玲の体の上に凭れかかったまま息をついて、暫くしてなんとか体を起こすと、玲も脱力し、目に涙を浮かべ、唇を涎で汚したまましゃくりあげて泣くかのように息をしていた。頬を撫でて指先で涙を拭って、零れ出ていた雫を舐め取ってそのまま再び舌を差し入れて数度繰り返し口づけた。
玲の体から降りて仰向けに寝転がると、玲は直ぐに寝返りを打って傍らに寄り、しがみついてきた。抱き寄せて腕の根本に頭を載せさせた。おれはコンドームを萎みかけたものから引き抜いて口を縛り、さっき手を拭って放ったままだったチーフの上に置いた。
「玲、大丈夫か?しんどないか?」
頭をそっと撫でて呼びかけると玲は眠そうな目で小さく頷き、そのまま目を閉じておれの胸に頬を寄せて寝息を立て始めた。
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