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【2020/05 道連れ】
《第3週 木曜日 夜》② (*)
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車は路地を抜けて右折し、再び表通りに戻り芝大門を通過して竹芝に向かう。おれを迎えに行く前に竹芝埠頭脇のホテルに部屋を取っておいたという。車は地下駐車場に下りて停まった。先に降りてフロントへ向かい、先輩の名前を告げておれの名前でチェックインの手続きをする。そのまま部屋に上がって先輩に部屋番号をメッセンジャーで送った。
部屋はレインボーブリッジが見えるモノトーン基調のダブルルーム。眺めこそいいが、この周辺は店らしい店もなく、ホテルのルームサービスもなく、お世辞にも便がいいところではない。故に、不倫にはお誂え向きの部屋だ。窓に向けてベッドに腰を下ろして海辺を眺めていると、ドアをノックする音がした。入口に向かい、ドアスコープから先輩の姿を確認してからそっとロックを解除した。
開いた扉からするりと身を返して入り込むと、先輩はドアを足で閉めて再び施錠した。そしておれをきつく抱き寄せて、矢も盾もたまらないといった様子で屹立したものを押し付けながらおれの上着を剥いだ。
「先輩、待って」
「かなん、待たへん」
先輩のネクタイを引いて解き、床に落とす。どちらからともなく着ていたものをその場に脱いでバスルームに向かう。扉を閉めて浴槽の中に立ち、シャワーカーテンを閉じる。シャワーノズルをカーテンに向けて湯を出すと、水音に紛れて先輩の声がよく聞こえない。耳元で呼びかける先輩の声は柔らかくて、他の音に直ぐ吸収されてしまう。
「なあ、この首の、里子のあいつやろ?まだ一緒に住んでるん?」
「そうだけど、今は一緒じゃない」
そう伝えると勝ち誇ったように「はは、そうか。相変わらんとえらい嫉妬深いな」と微笑んで、ハルくんがつけた痕の上からおれの肌に歯を立て甘咬みした。
「…あ、明日大事な面談があるから、見えるとこは」
「わかってる、互いに立場ってもんがあるさかいな」
一度振り返って、ボディソープを手にとり備え付けのスポンジを戻して泡立てておれの体に塗布し、そのまま抱き寄せて背中や尻の方まで手を滑らせた。
「そういうとこ、ほんとさあ…」
「はは、やっぱ好かんか?相変わらずいらちやな思てるやろ」
慣れた手付きでおれの体の過敏で弱い部分を指先を立てて擽りながら囁く。
「そりゃあそうでしょ、久しぶりの再会なのにムードもクソもないったら…」
「どうせムード作ったとこでぶち壊しになるような胸クソ悪い話持ってきてんやろ?」
否定も肯定もせずにいると先輩は浴槽の底に跪き、脚の間から指先を尻朶の間に滑り込ませて、陰花の襞を探った。使われ慣れたそこは容易く開き、骨ばった指を受け容れて奥へと引き込んでいく。中の膨らみを撫で回されると膝が震える。
「そもそも、好きにしてええって言うたの誰やってん」
自分の口から甘い声が漏れるのを堪えていると、指を追加で脇から挿し入れて中で開かれ、閉じていた口が開く感触がした。
「なあ、あの頃みたいに呼んでぇな。年重ねたら余計似てきたやろ、呼んでみ」
今更そんなこと。羞恥で首筋から頬、耳まで熱くなる。
「それはだめ」
「なんで?」
意地悪くニヤニヤ笑いながらおれを見上げている。
「やっと振り切ったのに、また思い出しちゃうでしょ、もう、そういうのいい」
顔を逸して耐えていると、中で撫で擦っていた膨らみを中から指を手前に引いて押しつけ、ぐりぐりと責め立てられ、先端から透明なものが滴り落ちた。
先輩は溢れ出るものを唇を寄せて舐め取り、そのまま赤みを帯びた先端を口に含んで玩弄する。たまらず声を上げると、腿をピシャリと叩かれた。
「なんや、二人きりのときはお父さんお父さんって言うてたやん」
「やだ、もう20年以上、もう前のことじゃん…あんなの、ほんとの最初のうちだけじゃん」
同様と興奮で息荒く、きれぎれに答えると、先輩は乞うように言った。
「ええやん、呼んでよ。あの時みたいに甘えて縋って、おれをもっと恋しがって、翻弄してや」
部屋はレインボーブリッジが見えるモノトーン基調のダブルルーム。眺めこそいいが、この周辺は店らしい店もなく、ホテルのルームサービスもなく、お世辞にも便がいいところではない。故に、不倫にはお誂え向きの部屋だ。窓に向けてベッドに腰を下ろして海辺を眺めていると、ドアをノックする音がした。入口に向かい、ドアスコープから先輩の姿を確認してからそっとロックを解除した。
開いた扉からするりと身を返して入り込むと、先輩はドアを足で閉めて再び施錠した。そしておれをきつく抱き寄せて、矢も盾もたまらないといった様子で屹立したものを押し付けながらおれの上着を剥いだ。
「先輩、待って」
「かなん、待たへん」
先輩のネクタイを引いて解き、床に落とす。どちらからともなく着ていたものをその場に脱いでバスルームに向かう。扉を閉めて浴槽の中に立ち、シャワーカーテンを閉じる。シャワーノズルをカーテンに向けて湯を出すと、水音に紛れて先輩の声がよく聞こえない。耳元で呼びかける先輩の声は柔らかくて、他の音に直ぐ吸収されてしまう。
「なあ、この首の、里子のあいつやろ?まだ一緒に住んでるん?」
「そうだけど、今は一緒じゃない」
そう伝えると勝ち誇ったように「はは、そうか。相変わらんとえらい嫉妬深いな」と微笑んで、ハルくんがつけた痕の上からおれの肌に歯を立て甘咬みした。
「…あ、明日大事な面談があるから、見えるとこは」
「わかってる、互いに立場ってもんがあるさかいな」
一度振り返って、ボディソープを手にとり備え付けのスポンジを戻して泡立てておれの体に塗布し、そのまま抱き寄せて背中や尻の方まで手を滑らせた。
「そういうとこ、ほんとさあ…」
「はは、やっぱ好かんか?相変わらずいらちやな思てるやろ」
慣れた手付きでおれの体の過敏で弱い部分を指先を立てて擽りながら囁く。
「そりゃあそうでしょ、久しぶりの再会なのにムードもクソもないったら…」
「どうせムード作ったとこでぶち壊しになるような胸クソ悪い話持ってきてんやろ?」
否定も肯定もせずにいると先輩は浴槽の底に跪き、脚の間から指先を尻朶の間に滑り込ませて、陰花の襞を探った。使われ慣れたそこは容易く開き、骨ばった指を受け容れて奥へと引き込んでいく。中の膨らみを撫で回されると膝が震える。
「そもそも、好きにしてええって言うたの誰やってん」
自分の口から甘い声が漏れるのを堪えていると、指を追加で脇から挿し入れて中で開かれ、閉じていた口が開く感触がした。
「なあ、あの頃みたいに呼んでぇな。年重ねたら余計似てきたやろ、呼んでみ」
今更そんなこと。羞恥で首筋から頬、耳まで熱くなる。
「それはだめ」
「なんで?」
意地悪くニヤニヤ笑いながらおれを見上げている。
「やっと振り切ったのに、また思い出しちゃうでしょ、もう、そういうのいい」
顔を逸して耐えていると、中で撫で擦っていた膨らみを中から指を手前に引いて押しつけ、ぐりぐりと責め立てられ、先端から透明なものが滴り落ちた。
先輩は溢れ出るものを唇を寄せて舐め取り、そのまま赤みを帯びた先端を口に含んで玩弄する。たまらず声を上げると、腿をピシャリと叩かれた。
「なんや、二人きりのときはお父さんお父さんって言うてたやん」
「やだ、もう20年以上、もう前のことじゃん…あんなの、ほんとの最初のうちだけじゃん」
同様と興奮で息荒く、きれぎれに答えると、先輩は乞うように言った。
「ええやん、呼んでよ。あの時みたいに甘えて縋って、おれをもっと恋しがって、翻弄してや」
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