Over Rewrite Living Dead

きさらぎ冬青

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【2020/05 友よⅢ】

《第3週 水曜日 未明》② (*)

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ハルくんはおそらく、最初からこの時間を、この流れを待ち兼ねていた。
普段はおれが押しかけたり要求したときに応じる感じで、気が乗っているかどうかはその時に凭る。結構ハルくんは従順なようで案外そうでもなくて気まぐれなところもある。熱心で執拗なときもあれば、しょうがなくやってる感アリアリのときもある。
でも、今日みたいな日は違う。ハルくんは怒ってる。しかも最初からそのつもりで、自分を怒らすために態々おれの反応まで予測を立てて、ここまでの流れを完璧にセッティングして、本気で挑んでくる。出勤ギリギリまでおれを翻弄するつもりだろう。
指を裾に引っ掛けて捲りあげて、腹や胸に口づけてから、胸の先のピアスを咥えて引っ張る。
「やだ、やめて」
「やめて、って言っても絶対おれを制することしないよね、そういうとこ好きだよ」
ピアスごと口に含んで吸って甘咬みしながら寝間着のボタンを外していく。前身頃をすべて開かれて肩口まで露出すると、首筋にしゃぶりついて犬歯で深く咬んだ。
「痛っ…」
本気で咬まれて痛がるおれの口を一回り大きな手が覆う。息が詰まる。
「自分のしたことがどういうことかわかってるでしょ、たまには憂さ晴らしじゃなくて、本気になってよ」
腕の内側の皮膚の薄いところや肩の筋肉を上から何度もきつく咬んで、鬱血するまで吸い付く。息苦しさで頭がぼうっとしているのに、痛みが意識を手放すことを許さない。
ボトムスを下着ごと脱がされて鼠径部の横や、強引に開いた腿の内側、脹脛までも同様に傷めつけていく。くるぶしや土踏まずを擽るように舐めて、足の指まで舐り、咬んだ。
顔を上げたハルくんは、普段見せないようなうっとりした表情でおれを見てからおれの体を俯せに返し、背後から覆い被さって、耳元で囁く。
「ねえ、アキくん、ちゃんといい子に出来る?悪い人とお付き合いしたり、若い子にちょっかい出したりしないって約束できる?」
「直人さんにはしばらく会わないよ、けど、長谷は」
そこまで言ったとこで、ハルくんがおれのももの外側を強く抓った。
「長谷くんは、何?」
「一緒に住みたいっていうから、そのうち住むと思う」
位置を変えて、今度は尻の肉を抓る。
「痛い、やめて」
「やだよ、やめない。ダメだよ人の気持ち利用しちゃ」
サイドテーブルの引き出しからローションのチューブを出して指にとり、おれの尻の谷間に滑り込ませる。縦割れした孔を指の腹で恭しく撫でられておれは身震いした。
やがて尻の肉たぶを開き、重ねた中指と薬指をゆっくりと侵入させて手を返すと中で指を交互に滑らせ、過敏な部分を刺激し始めると、腹の奥から股の間、内腿までもが連動して痙攣し始める。
呼応して甘い声を出したおれを制するように、ハルくんは背後から近づいておれの項を強く咬んだ。咬み付いたまま執拗に指を中で広げたり返したりを繰り返して、解しながらも今は本当に触ってほしい部分は一切いじらず、おれを焦らしている。
「ハルくん、むね、さわって」
「やだね、自分でしなよ、してるとこ見せてよせっかくだから」
冷たい声色で耳元で意地悪く囁かれて、おれは言われるまま、自分の体の下に手を入れて胸の先の膨らみを摘んだ。身震いして熱帯びた吐息を漏らしながら喘ぐおれの頬や耳元にキスしながらハルくんは指を引き抜いて、自分のものを押し当てた。
熱を持った先端部と孔の境目にローションを新たに垂らされて、ひやりとした感触が広がる。馴染ませるように摺りつけながらハルくんがおれの様子を伺っているのがわかる。
「だいぶ物欲しそうな顔になってきたね、でもまだだよ。ちゃんと言えるまであげないよ」
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