Over Rewrite Living Dead

きさらぎ冬青

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【2020/05 教育】

《第2週 月曜日 昼 リプレイ》③ (*)

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いつもそう。
苛立ってるときに煽られて怒りに任せて抱いても、体に手を加えるときも、手当するときも。
膚の肌理とか体温とか、匂いとか味、滑って吸い付く粘膜の感触とか伝わる震え、普段聞かないような甘えた声や人に見せない表情とかに湧き上がる、慈しみや愛しさとか、そういうもの。
そこに、好意を利用されていることの悔しさとか虚しさ、事件に対する悲しみや憤り、憎しみというものが内混ぜになって押し寄せてくる。
「ハルくん、泣かないで」
細い指が優しく頬を撫でる。
違う、おれは、泣いてなんかいない。
「全部おれが悪いんだよ」
違う、そんなこと絶対にない。
お願いだ、そんなこと言うな。
「ごめんなさいハルくん」
堪えきれず左の掌で口を塞ぐ。
呼吸を阻まれた身体が強張る。
右の手で背凭れを掴んで身を起こして、柔らかい内部を抉ると声を漏らし仰け反った。
久しぶりに聞いた嬌声に存分に昂ぶった性器で執拗に中を探る。
不随意に括約筋が痙攣し、込み上げる感覚を得て引き抜くと、肋骨が浮き上がった胸部に吐精した。
敷いていたタオルを引き抜いて拭う。
「いいから。片付けはやっといてあげるから、早く授業行きな遅刻するよ」
「ひどい、まだおれはイッてないのに」
不完全燃焼に不満を言いつつ手早く身支度を済ませ、背後から抱きついてきた。
「ハルくん、今でもおれのこと好き?」
子供が内緒話をするように耳元で囁く。
血潮が胸の奥から首筋まで駆け上がる。

本当は言いたい。
【好きじゃなかったら、本気で殴ってる】
何も言わず肯首するのを見て満足したのか、そっと腕を解いて部屋を出て行った。

初めて会ったあの日。
春の連休が明けた暖かい日に、教室に行けず保健室に篭り、独り布団に包まって泣いていたおれを、跪いて不思議そうに見つめて、頬を撫でてくれた。
あの日から、ずっとずっと、おれは苦しい。

汗ばんだ背中にはシャツの生地が張り付いている。身体が酷くだるい。
早く帰ってシャワーを浴びて、とりあえず一旦寝て、明日の準備をしないと。
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