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二章 ハンタイガワ
166 棕矢 ◆ Sohya 一安心
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「ただいま」
「お! お帰り」
恭と惺が買い物から帰ってきた。妹がやけに嬉々としている。
……何か良い物でも見付けたんだろうな。
恭は普段、大人しい方だが…私と居る時や、可愛い物や甘味を目の前にすると、急に子供みたいにはしゃぐところがあって、判りやすい。
案の定、駆け寄って来て、熱弁を振るい出す。
「お兄様! 今日ね! とっても素敵なお洋服を買ったのよ!」
「ふふ、良かったな」
「ええ、とっても!」
「ん? でも、惺の服は…?」
「大丈夫。勿論、買ったわ」
「そっか」
「うん!」
そこで、照れたような、困ったような…微妙な表情で立って居た惺が話に入ってくる。
「棕矢、財布ありがとう」
「ああ。良い服、見付かったか?」
「まあね」
今度は私の腕を掴んだ恭の手に、力が籠る。
「あ!! そうそう。お兄様、聞いて! 惺君、とってもセンスが良いのよ!」
「へえ」
……そうなのか。
思い当たる理由が記憶の隅で、ほんの一瞬うごめいた気がしたが、はっきりとは思い出せなかった。
「そんな事ないですよ」
惺が苦笑い気味に言っていた。
……良かった。何があったのかは知らないが、最近…お前達が急に、ぎくしゃくしていて心配だったんだぞ。
心で二人に言いながら、私は店の看板を『開店』にする為、外へ向かったのだった。
「お! お帰り」
恭と惺が買い物から帰ってきた。妹がやけに嬉々としている。
……何か良い物でも見付けたんだろうな。
恭は普段、大人しい方だが…私と居る時や、可愛い物や甘味を目の前にすると、急に子供みたいにはしゃぐところがあって、判りやすい。
案の定、駆け寄って来て、熱弁を振るい出す。
「お兄様! 今日ね! とっても素敵なお洋服を買ったのよ!」
「ふふ、良かったな」
「ええ、とっても!」
「ん? でも、惺の服は…?」
「大丈夫。勿論、買ったわ」
「そっか」
「うん!」
そこで、照れたような、困ったような…微妙な表情で立って居た惺が話に入ってくる。
「棕矢、財布ありがとう」
「ああ。良い服、見付かったか?」
「まあね」
今度は私の腕を掴んだ恭の手に、力が籠る。
「あ!! そうそう。お兄様、聞いて! 惺君、とってもセンスが良いのよ!」
「へえ」
……そうなのか。
思い当たる理由が記憶の隅で、ほんの一瞬うごめいた気がしたが、はっきりとは思い出せなかった。
「そんな事ないですよ」
惺が苦笑い気味に言っていた。
……良かった。何があったのかは知らないが、最近…お前達が急に、ぎくしゃくしていて心配だったんだぞ。
心で二人に言いながら、私は店の看板を『開店』にする為、外へ向かったのだった。
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