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8. 危機...?

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「…痛くない?」



ポタポタと垂れる血は狼の歯茎からだった。

少女に噛み付いた部分の歯が根こそぎ折れている。

……?

横っ腹に噛み付かれた気がしたんだけどな。


「キャインッ」


と声がしたかと思えば口を上手に前足で抑え痛みを堪えている姿が見える。その時ひょっこりと私の後ろから何かが顔を出してきた。



「うひゃああっっ!!なになになにっ」


少女は驚き振り向く。


また敵が現れたのだろうか?



そこにはなんと純白な天使がいた。


…馬がいた。

キョトンとこっちを見ている。これを好機に思ったのか狼が馬に飛びかかる。あと数センチで肌にたどり着こうとする時。


「ぶるぶぶるぶるるぶるーー」


盛大に鼻水を飛ばした。鼻が詰まっていたのだろう。鼻水と共に出たため息があれよという間に狼を吹っ飛ばした。

「ははは…」


「はははっははははははっぶふっふふ」


少女は馬に怪訝そうな顔をされながら一人で笑い続けいた。



何とか危機?は去ったようであった。

………………



周辺を太陽が赤くそめはじめる…また一日がはじまるようだ


「お腹減ったなぁ…」


あの可愛い子馬は大きくなっていた。

今までが当歳と言った子馬なら、現在は一歳と言った子馬だろうか。

多分あの光が原因だろう。

私の魔力栄養豊富なのかもしれないな。

なんて馬鹿なことを考えていた。

子馬のあの可愛らしい姿が見れなくなったのは本当に非常に残念…

あわよくば成長を24時間見ていたかったなと思う。

でもそれと同時に大きくなったこの子には前とは違う魅力がある。

この子は鼻が柔らかいフニフニのピンクの鼻だ。

大きくなったおかげで前よりも器用に動かせるのか、首筋をもしょもしょもしょもしょしたり髪の毛をもしょもしょハミハミしている。

私に決して歯を立てない良い子だ。やっぱり大好きだ。




グイッ

「おっとっ」

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