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2. 食料探し
しおりを挟むきゅるきゅるきゅるぅ~
「なんだろう…?お腹のあたりがぽっかりと穴があいたような…んん?」
なんか懐かしい感じがする。
お腹…お腹…?
「これはお腹がすく…。思い出した」
思い出すと途端に意識し始める。私は食べられる物を探すことにした。幸いにも、ここは森の中だ。なにか口にできるものが一つや二つあってもいい気がする。
「何が食べれるの…」
それもそのはず。少女は記憶喪失である。会話は出来るかもしれない。だが、知っているけど目の前の事とは結びつかない。そのため、何が食べれて何がダメなのかさっぱり分からなかった。
お腹がすいたときのように、また違和感が喉を襲う。
さきほどより、早く言葉がみつかる。
「…喉が…かわいてる」
今の状態を表すのにこれ以上の言葉は見つからない。
水を求めて森の中を歩く事にした。
サクサク サクサク…
芽吹いたばかりの草の上。少し乾いた土の上を少女はひたすらあるく。
(チョロチョロ…チョロチョロ…)
聞こえる…?液体のようだ。
少女は音のする方へ歩をすすめる。
さっきよりも力強く意志を持って歩く。
ザクザク ザクザク…。
「飲める…?」
少女は、この液体を口にしていいか迷う。
ゴクゴクゴキュッゴクンッ
だが、喉の乾きは抑えきれない。
貪るように。周りの目なんて気にならない。
「ぷはぁあああ…」
喉の乾きがいえる。
途端に今まで気にならなかった事が気になってくる。
ここは…どこだろうか?
この川に腹をみたすものはあるか?水面を見つめながら考える。が、急に意識が別の方へ向かった。
水面にうつる自分の姿が目に入ったのだ。
(黒髪…先の方は金色だね。肌は普通?目は…澄んだ金色。 …………目鼻立ちは普通?だね。…普通って何?)
金色の目は数秒間。少女の目を魅力した。
少女は自覚していない。道行く人が皆振り返る。そして「美女…っ」と呟く未来がそう遠くないという事を。
もう一度言うが自覚なしだ。
パキリパキパキッ
またとつぜん音がなる。またこぶしをひろげる。
やはり手の中に描かれた卵にはヒビが入っていた。
最初の時よりもこころなしか酷くなっている。
ぐぅうううぅ~きゅるきゅる…
…………
「卵美味しそう…」
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