龍馬が【異世界を】ゆく

clown

文字の大きさ
上 下
22 / 24
第2章 龍馬と海

閑話 出会い

しおりを挟む

私は、ケイ。

アルメレ王国で商会を営む商人だ。

これでも、アルメレ王国では、3本の指に入る大商会を営んでいる。

私の商会がここまで大きくなれたのは、理由があった。

それは、早くから、海上交通に目を付けて、船を使った輸送手段を駆使してきたからだ。

そのおかげで、今では、帆船を3艘も持つまでになった。

だけど、世間はまだ、海上交通の重要性を分かっちゃいない。

そのおかげで、海沿いの街ですら桟橋のひとつも作られない。

そんなある日、私は、商会を家族に任せて、自分の船で旅に出た。

旅と言っても、観光では無く、新たな商品を求めてあちこちを周るのだ。

今回は、隣国のルイビル連邦国を周る予定だ。

船で海沿いの町々を周り、その町の特産品を買い付けていく。

そして、衣服が特産品のカインへとやって来た時、驚いてしまった。

何と、そこには、桟橋が出来ていた。

他にも桟橋を作っているらしく、人夫達が工事をしている。

早速、桟橋に船を係留し、船を降りた。

工事をしている人夫達にこの工事は、誰の指示なのかを尋ねた。

すると、名前は知らないが、背の高い変な格好の男が、この工事の金を出したと言う。

話が良く分からないので、工事を取り仕切っている商会に行ってみる事にした。

商会に着くとそこは、衣服問屋だった。

何故、衣服問屋が桟橋の工事を取り仕切っているのか?不思議だったが店主に会わせてもらった。

「こちらで、桟橋の工事を取り仕切っていると聞いてきたのですが、間違い無いですか?」

「ああ、あれですか?まあ、取り仕切ると言うほどの事はありませんよ。ただのお手伝いみたいな物です。」

「実は、船でこの町に来て、桟橋があったので、勝手に係留させてもらいました。」

「ああ、どうぞお使い下さい。せっかく作ったのですが、使ってくれる船がまだ無いもんで。」

「それは、ありがとう御座います。それで、船が無いのにどうしてあんな物を作ったのでしょうか?」

「その事ですか?まあ、立ち話も何ですから、奥でお茶でも如何ですか?」

そして、私は店主に自分が商人だと名乗り、店主から桟橋を作る事になった経緯を聞かされた。

店主の話は、信じられないものだった。

ある日、この町に女神様の御使いが現れて、数々の奇跡を行ったと言う。

市場で子供達を助けた時に起きた奇跡、綿花の村で悪徳商人を懲らしめた話、神殿の孤児院を助ける為に女神様の祝福を受けた布を作った話。

どれも、まるでおとぎ話の様な内容だった。

そして、綿花の村やこの町を豊かにする為には、港が必要だと言ってお金を出したと言う。

「それで、その龍馬さんは、どちらに行けば会えますか?」

残念な事に龍馬さんは領主の招待を受けて船で出かけており、いつ戻るのかも判らないらしい。

私は、すぐに船に戻り、出航の準備をしていた。

行き先は、もちろん、領主のいる街だ。

いったい、その龍馬さんと言うのは何者なのだろう。

私、無性に会ってみたくなったのだ。

ところが、船で船員を指揮していると隣に別の船が、入港してきた。

何処の船か気になったが、龍馬さんに早く会って見たい一心で作業を急がせる。

そんな私の船に背の高い変な格好の男が入ってきた。

「ちっくと、すまんが、船主は何処や?」

これが、私の龍馬との出会いだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

幼なじみとセックスごっこを始めて、10年がたった。

スタジオ.T
青春
 幼なじみの鞠川春姫(まりかわはるひめ)は、学校内でも屈指の美少女だ。  そんな春姫と俺は、毎週水曜日にセックスごっこをする約束をしている。    ゆるいイチャラブ、そしてエッチなラブストーリー。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

処理中です...