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第4章 王都へ
第43話 大宴会
しおりを挟むムサシは、しばらく、難しい顔で考え事をしていたが、考えるのを諦めたのか、サメという魚を剣で捌き始めた。
さらに、漁師達に頼んで大鍋、まな板、包丁などを準備してもらっている。
やがて、ムサシの指示で漁師達が料理を始めた。
なんでも、この魚は、ちょっとクセがあるが非常に美味らしい。
いつの間にか漁師の家族まで、集まり料理を手伝っている。
あ、テーブルが準備され始めた。
なんか近くの漁村の住民全員が集まってる。
そんな中、料理が配られ始めた。
えーっと、スープ、ソテー、煮物、あとは、何これ生じゃない?
「ムサシ、なんで生の魚なんか出してるの?」
【良いから、食ってみろ、その魚醤、黒い汁を掛けてな。】
周りを見渡すと、皆、美味しそうに食べている。
私は、覚悟を決めて生の切身を、口に放り込んだ。
「美味しい。」
ムサシの料理は、どれも美味しかった。
そんなこんなで、場が盛り上がり始める。
いつの間にか、酒まで振る舞われ始めた。
私も、ジョッキに注がれた酒を渡される。
これは、どぶろくだ。きっとシュセンで手に入れたのだろう。
次の日、目覚めると、何故か砂浜で寝ていた。
あー頭が痛い、昨日、お酒を飲んだ後の記憶が無い。
周りには、大勢の人が寝ている。
私は、自分で光魔法を掛けて、頭痛を治療してみたが、頭痛は治らない。
二日酔いは、光魔法でも治らない事を始めて知った。
取り敢えず、二日酔いを堪えながら3人を起こす。
サキ意外は、反応が悪い。
全然、気にしていなかったけど、サキは飲まなかった様だ。
サキに酒を飲まなかった事を褒めると、
『不味かったもん。』
と返して来た。
後で酒を勧めた奴を確認しよう。
そういえば、サキの肩にヤタが居ない。
サキと一緒に探すと、ムサシの腹の上で寝ている。
こいつも飲んだらしい。
「サキ、ムサシとヤタを起こして!」
「さあ、みんな準備して、出発するよ。」
そこら中に寝ている人々を放置して準備を始めた。
ふと、ムサシを見ると鍋で何かを作っている。
「何してるの?出発するわよ。」
【ちょっと、待ってくれ。出発は朝飯を食べてからにしようぜ。】
「もう、気分が悪くて食べれないよ。」
ムサシは、【二日酔いに効くぞ!】と、笑う。
それ以上、何も言えなかった。
ムサシは、大鍋いっぱいにスープを作っている。
大鍋を見つめていると、何かを察したのか。
【ああ、これは、漁師達の分だ。】
そうゆう所だけは、気が利くと感心した。
ムサシ特製の、二日酔いに効くスープを頂く。
「美味しい。」
気がつけば、みんながおかわりしてた。
マリーナ、それ何倍目だよ。
【そういえば、最近、この辺りでは行方不明が増えているそうだ。】
私が意味が判らずにいると。
【わにだよ。多分、あいつのせいだ。】
【だから、漁師達が取っておきの酒をふるまってくれたのさ。】
酒といえば、大事な事を思い出した。
「あ。サキ。昨日、サキにお酒を飲ませようとしたのは、誰?」
『ムサシのおじちゃんだよ。』
私は、呆れてこれ以上何も言えなかった。
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