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23歳・白露 ー愛しいひとたちー
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しおりを挟む「夕人。
これから先ーーー…きっと、いろんなことがあると思う。良いことも、悪いことも。
これまでに俺たちが何度もぶち当たったような……困難が、
これからたくさん待っているかもしれない。
だけど、それでも。
俺は絶対にーーー…夕人の手を放したりしないから。
必ず、そばにいる。
夕人だけを、ずっと見てるよ。
だからーーー…」
夕人の手からケースを取り、蓋を開けた。
リングベッドの中、細いプラチナの指輪を指で摘む。
菫色の宝石が中央に嵌め込まれたその指輪を持ち上げた。
袖廊の壁の美しいステンドグラスから光が差し込み、きらり、と反射する。
込み上げる涙を堪えて、夕人は一瞬、目を細めた。
ーーーチュ…
左手の甲に口付け、顔を上げ、見つめる。
何よりも誰よりもただ愛しい、美しい、僕だけのきみ。
ここまで来てくれて、ありがとう。
これまでのすべての日々に感謝し、
これからのあたたかく慈しむ日々を唯願います。
僕と、これからも歩んでいこう。
ーーーいとしいきみ。
僕だけの、いとしい、夕人。
「夕人。
ずっと、俺と死ぬまで一緒に。
そばにいてくれるーーー?」
涙が一粒、落ちる。
伏せた目を少しだけ上げ、見つめ返した。
「うん。
一緒にーーー…いよう。
愛してるよーーー速生。」
夕人の細い薬指に指輪を通し、速生は立ち上がる。
へーーいわのーーーきみーなるーーー
みこーーーをむーーかーーえーーー
すくーーいのーーーー
ぬーーしーーとぞーーーー
ほめたたーーえーーよーーーー
ほめーーたたえよーーーー
ほめたたーーえよーーーー
大きな十字架を前に。
ふたりは口付けあった。
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