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23歳・白露 ー愛するひとー
2.▽-8-
しおりを挟む「…………」
物凄く深刻そうな面持ちで黙ったまま、速生は身体を起こした。
ーーーえっ、返事とかなし?せっかく恥ずかしさ堪えて言ったのに、何なの意味わからない、え?と赤面しつつ混乱しながら見上げていると、勢いよく両脚をグイッと持ち上げられた。
ーーーズッ…ググッ!
「い……!っ、ひああっ‼︎」
前置きも何も無く思い切り挿入され、驚きのあまり金切り声のような喘ぎが口から飛び出す。
速生の大きなものがどんどん奥まで侵入っては引きまた更に奥へ進み、どんどん激しい腰つきで繰り返していく。
夕人のなかの狭い内壁をガンガンと突き上げ、頭の奥までひどい振動が伝わり何も考えられず、ただひたすら目をぐっと瞑り声を上げる。
「あぁ、‼︎っ!あっあっ!
ぃ、あっ
だめ…はや、っ‼︎
んあぁっ!だめって、…や、あッ!」
「ーー…はぁ、っ…”だめ”…?
嘘つき、だなぁっ……っ夕人っ…!
こんな…になってんのに……いいんだろっ?
”もっと”じゃないのかよ…?
ほら、ちゃんと言えよっ……っはぁっ、…
好きなんだろっ……⁉︎」
まるで責め立てるような口ぶりで更に奥深く前へ前へ、思い切り突き動かすその動きは愛しさ余って憎さ数倍と言わんばかりで。
まるで愛玩動物を虐め抜くようなその速生の豹変ぶりに、恐怖を感じつつもぞくぞくと身体の奥底から湧き上がってくる興奮の波に抗えなくて。
「んぅ、あっ!…
す、好きっ…好きって……さっき言っ……!
ーーあぁぁっ、や、っすきっ、
はやみぃっ!
好きぃ、!もっと…っ……っ、好きっ!」
「~~~~……っ…あぁ、もう…っ
はぁっ、はぁっ……
やっぱりそれ以上言っちゃ、ダメ……
ゆうと、お前っ、てほんと……魔性?
なんか、はぁっ…!マジむかつくっ……」
ーーーもっとひどくしてやる。
俺のこと以外何も考えられないくらい、その体に教え込んでやる。
もっともっと悦くなれよ、
欲しがって、
“お願いだからもっとぜんぶちょうだい”って懇願するくらい、
もっとおかしくなればいい。
余裕そうな顔も減らず口も叩けないくらいに、俺無しじゃ生きていけないくらい、めちゃくちゃにしてやる。
ああ、くそっ…
夕人。ほんとに愛してるよーー……
背中の下に敷かれたラグが擦り減ってしまうのではないかというほどの勢いでひたすらに思い切り、ガンガンと突き続ける腰つきに下半身をビクビクと痙攣させ意識が飛びそうになりながら、
速生の肩に両腕を回してつかまる。
汗ばんだワイシャツの衣擦れの音が耳に響き、薄ら目で視線を上げると、全身を襲う地響きのような揺さぶりとともに上下する景色の中、胸元のネクタイの下部に挟まれたタイピンが今にも外れそうで、ああ早く外してあげたい…と頭をよぎる。
そしてまたすぐに快感の波に襲われ、中でずくんずくんと脈打っている速生のモノの先端で思い切り奥深く突かれた、その瞬間。
「ひっ、…‼︎ーーあああっ‼︎」
身体中にまるで電流が駆け巡るような感覚に襲われ、ビクビク!と思い切り痙攣する。
「はや、っみぃ…っ!
あ…だめ、っ!も、無理っ…っあっ!
もっ、あたま…おかしくなるっ!やだぁっ」
「いいよ、っはぁっ…!おかしくなれよっ…
あ、やばい、っ…!ぅ、イキそ、っ…
はぁ、っ……ゆうと、好きだよ、っ…あっ、」
思い切り開かせられた両脚へ繋がる股関節が悲鳴を上げているような気がするほど、速生が全身をかけて身体中に飛び込んでくる。
頭の中にチカッチカッと黄色い火花が散り、ああ、もう限界。と一気につま先の端から頭の中にまで駆け上る迸る快感。びくびくびくっともう一度射精してしまいそうなほどの、悦さに思い切り夕人は声を上げた。
「はやみっ、…!あぁっ好きっ…!
すき、あっあっや、だめ!あ、すきぃっ」
「…あ、っゆうと…っ俺もっ…!
好き、だ、っ………
あっ…イクっ、…イクよ、ーーっぅ、っ!」
ーーードクン、ドクンッ
叫び合いながら登り詰め、互いの身体を取りこみ溶け合いまるでひとつになるように。
速生は夕人の中で深く深く絶頂へ達した。
「はぁっ……はぁっ…はぁっ……ーーー…」
どちらのものかもわからない荒い呼吸が響き渡り、耳の奥までこだまする。
どうにか目を開けて、速生の赤らんだいとしい姿を見ようと思うのにーーー…
まったく言うことの聞かない身体と頭の中にそのまま翻弄されるように。
夕人の身体はまた、深い眠りへと誘われていったーーー…。
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