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23歳・立秋 ー混ざり合い、重なるー
3.簡単に飼えると思うなよ?
しおりを挟む「俺の会社、住宅補助出るんだ。だからそこらへんはあんまり気にしなくていいよ。
まだ新卒2年目の下っ端社員だけど……これでも一応、大手の本社勤務だから。福利厚生は結構充実してる。
ーー夕人1人くらい、養っていけるほどの給料は充分貰えるようになるから……まあ、その……ーーー。
ーーーー嫌?」
ーーーなんだか、まるでプロポーズでもされてるみたいだ。
「嫌………じゃ、ない。
ーーーま、前向きに検討……しといてやるよ」
「なっ、なんだよ?堅いなぁ、もう……。
照れ屋さんめ。
あっ、あとさ。そのマンションはそのままアトリエとして使えば?
俺、夕人には絵続けてて欲しいし、やっぱりそういう場所も大事だと思うからさ……」
「うん………」
「あ、けど籠りっきりになるのはやめろよ?
心配になるから、毎回ついていくからな?
マンションに、俺の方が通い妻みたいになっちゃうかも」
「なんだよそれ、一緒に住む意味ないじゃん?」
二人は小さく笑った。
相変わらず、いとしくて。
こんな会話をしているときとても思う。
やっぱり、もっと、ずっと。
飽きるくらいにーー…たくさん。
一緒にいたいよ。
「ーーやっぱり、泊まろうかな。
この前の、俺用のスウェット、あれ出してよ」
「あっ……。あれは……だめ。いま使用中。
違うやつ出すからさ、そっちにも匂いつけてよ」
「な……っ何に使用してたんだよ……?
こ、この……変態」
「秘密だよ。変態でも何でもいいしぃ。
何とでもいえばぁ?もう今の俺、無敵だし。夕人がそばにいるなら怖いものなんてないしぃ?
ーー夕人の愛が籠りまくった料理、1人で食べちゃおうかな?」
「ーーーえっ?あっ、忘れてた。まだ食べられるかな?傷んでない?」
「冷蔵庫保管、抜かりないよ。当たり前じゃん?傷ませるかよ、夕人の初手料理。
ーーー温め直して、食べようぜ?」
「こんな時間に……明日胸焼け必須だな」
「その腰と可愛いおしりが治るまではどこにも行けないから、いいんじゃん?
…まあ、いつ治せるかは……謎だけど?ぐふふ」
「ひいいぃぃ」
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