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23歳・立秋 ー混ざり合い、重なるー

2.▽-1-

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「ん、ぅ…!っ…ーーーんっ…」

ーーギシ、ギシッ!ギシ…ッ


上から思い切り押さえつけられているかのような今までにないほどの勢いと強い力に、ベッドが激しく軋んで音を立てる。


「ぅ、…んっ………はや、っ……ん、!
苦し……っ……ん!んぅ、ーーっ!」


息継ぎなどまったくできない激しいディープキス。苦しさのあまり、瞳には涙が滲み、頬の赤みはどんどん増してしまう。


その妖艶な雰囲気に、速生は昂り夕人の唇をさらに求めてベッドに身体を押さえつける。
 

「んんっ…ぅ、っ…!ふ、っ…ーー!」


まるで大きな獣に襲われてるのかと思うほどの勢いに、驚くあまり夕人は腕に力が入る。


覚悟して、自分から“してもいいよ”なんて言ったはずが…こんなにも、激しく、まるで押しつぶされそうな程に求められるなんて。
 

ーー見誤っていたかもしれない、どうしよう、やっぱり怖い、でもそんなの言えないーー…と、動揺して慄く。



「はぁっ、もう、止まんねぇからなっ…?
やめてとか、待てとか…言うなよ?いいな?」


ぎらぎらした目で見つめてそんなことを言う速生の顔。

まるで別人のように感じてしまい、何も返事を返せずただ、潤んだ目を逸らしてしまう。


少し意地悪な口ぶりはあってもそれでも、自分へ対する優しさや思いやりを含む手でふれていたいつもの速生は、今は、どこにも感じられない。



「や、…やっぱり、ごめ、っ…ちょっと……あ、あのっシャワー浴びてから……っ
んっ、……痛……っ!」


言いかけたところで、首筋に思い切り吸い付かれる。


「はぁっ、ダメに決まってんだろ…黙れよ、もう…」


強く強く肌を吸い、紅い内出血をいくつも作りーー…肩の薄い皮膚へ移動し、今度は噛み付かれる。



「ん、いっ……!痛っ…ゃ、はやみ、っ!
噛むの、ぃやだっ……ん、ぅ、っ!」


じんじんと痛む箇所が増えていくなかで、噛みついた歯で付けた跡を今度はぬる、っと濡れた舌でなぞられ…


そのまま首筋、うなじ…その上へと、耳下にぬる、つつぅーーと移動し、わざと唾液を含んだ唇で耳朶を舐め回す。


「はぁっ、好きだ、夕人…っ…」


耳元で囁いては、縁を咥えて、舌でなぞる。

ぴちゃ、ちゅう、とわざとらしい音を立てて、熱い吐息をかけては繰り返す。

「はっ…ぁ、あっ…!やっ、…んんっ」

「なぁ……俺のこと、好き?好きだよな?
言ってよ,ほら……」

「んっ、ぃや…っ、無理、っそんな、」

「言ってくれないんだ…」


頸の薄い皮膚をガリッと思い切り噛まれ、びくんっ!と身体を震わせてしまう。

なんだか、身体がおかしい…と思い始める。

速生に付けられたたくさんの紅い痕に舌,唇でふれられるたび、痛みとともにやってくる、なにか違う感覚。


ずくずくと、下半身が熱を持っているのがわかる。




ーーーこんなの、俺じゃない……こんなにひどいことされてるのに、痛くて、嫌って思ってるはずなのに……。


なのに、なんで、こんなに………








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